1-2 花火

映画をきっかけにやり取りを続けていた。


カラオケのきっかけになった友人Aにバンドマンの君が気になると打ち明けた。友人Aは「バンドマンだよ??ほんとにいいの?あの人で?」と言った。


この時の彼女の言葉を私は今も時々思い出してしまうんだ。



彼が「夏らしいことがしたい。」と言ったから『花火が見たい』と言うと花火大会に行くことになった。

予定は来月だった。待ち遠しくて、早く会いたかった。


当日、私の大学が終わるのに合わせてくれた彼と途中の駅で合流した。

初めて会った時よりもかっこよく見えてしまった。ふと、気づいた。あ…またあの匂いがする。少し近づいてみた。バレないように。そっと近づいた。


幸せだった。



2人で見た花火。

二人で寄ったコンビニ。

花火を見ながらのんだお酒。

帰りに寄り道をして行った江ノ島。

初めて乗った江ノ電。

線香花火をしたいという君ともう少し一緒にいたかった私。



結局2度目の夏が過ぎても、線香花火するって言ってたのにできなかったね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る