レベル42絶望を終わらせる解決の糸口

テイルウイングは、破片となって

沈黙した。禍々しく忌避する

輝きは消え声もしない。

あの、アサシンは気絶だったら

いい。絶命しなかったらいい、

それと後遺症も無いか心配だ。


『もしもし伊達?わたしの声、

聞こえているか』


「フェアリー!?・・・」


フェアリーと僕、被我の距離は

50メートルぐらい。

いくらなんでもこの距離で

ハッキリと鮮明に聞こえるわけがない。それに、声の発した場所が

心の中。考えなくとも幻聴だ。


『おーい!目を逸らすな伊達。

目があったのにスルーか。

わたしにも考えがあるぞ。

伊達が、前に読んでいたエロ本の

隠し場所のベッドの下を

ティファニーに教えるぞ』


「いや、ここ異世界だし。

そんな本があるか知らないのに

読むわけがない。

それと転生前も読んだことないの記憶で知っているじゃないの!」


つい、反射的に障壁の中にいる

フェアリーにツッコミを言う。

膝をついた敵は、顔を上げて

一人だけ喋る僕におぞましいものを見たような顔をする。


そんな阿鼻叫喚する敵に

理解の範囲外にいる扱いにさすがに傷ついてくる。殲滅とか復讐に

来たわけではないのに。

平和的に解決を・・・来た。


『何を言っているかわかりませんけど、違うでしょうねぇ。

思念伝達スキルだよ。記憶の

片隅にあるはずだと思うけど?』


・・・なるほど。転生の転生に

膨大な情報の一つであるスキル

知識にそんなのあった。

確かレベルは175。最大レベルの

76オーバーしている。


レベル175の力は地球の外側の

宇宙にある太陽でも伝達を可能になった。ちなみに最大レベル99

の範囲は10キロ。


(それが、レベルからして雲泥の差と呼べるような数字でもないのに10キロから地球外の範囲って、

もっとレベルが

求められるじゃあ・・・)


レベルの数字以外にも、なにかが

あるのでは?そうじゃないと

説明がつかない。


残念なことに、その判断材料の

知識は感情を強化に変換するパフ

ぐらいしか思いつかない。

スキルの発動に自動もあるけど、

パフのような強化は自動がない。


『ほら、ほら。さっさと教皇に

瀬戸際外交で狩りに行こうぜ!』


俺もそのスキルを模写スキルレベルX発動。


『いや、瀬戸際外交って物騒

なんだけど・・・それよりも

周囲は戦意が無い。

けど、なにかが起きるような

気がするから警戒はしてくれ』


『へい、へい。わたし達は

悠々自適に待つよ』


模写スキル。その名通り写し取るスキル。物理的に受けたスキルを

残滓ざんしとなった不可視の粒子を吸収して模倣する。


レベルが高いと視覚情報で

大気中に漂うマナを集めさせ

模倣する。そしてどちらも実質的に消費がゼロ。体内に宿るマナを

使わないメリットがあるが

模倣できるのは、せいぜい

上級魔法ぐらい。さらに模倣に

過ぎないので威力や規模が劣化

コピースキルにすぎない。


(ときどき見るレベルX。

イレギュラーな数字ではない

アルファベットが何を意味するか。考えてみると、楽しくなってきたけど保留。あの教皇に

どう話すかだ)


コミュ障の僕が弁舌にはほど遠い。では・・・どうしよう。

顔には出さず僕は、不敵な笑みと

見下すような視線を周囲に向けて

唯我独尊に教皇に歩き近づく。


「久しいなぁ教皇。

いや、最近よな?」


僕は藤堂成実から世界王として

振る舞う。今さら感があるが

威厳や畏怖を利用せねばならない

状況に強いられている。


「・・・まさか、あの数を

一人で倒すとは。

どうだ、神聖教の守護神になるのは?誰もが拝められるように

してやってもいいぞ」


教皇は、恐れも怒りもなく

親しみやすい優しい笑顔で誘う。


「断る。我は王!

俗世の価値観で測るではない。

きさまは、条約を破った。

どう、罪を償うつもりだ神聖教に頂点である教皇よ」


積もり積もった怒りが爆発・・・

をなんとか抑え魔剣の方を

向ける。現実――もとい前の世界では絶対にしない行為。

長くこの異世界に染まったと

自己嫌悪と慣れてしまったことに恐怖を覚える。


「き、貴様」


「教皇様に武器を向けるなぁ」


侍らせていた護衛の二人が

槍を構え警告とも威圧にもなっていない声音で言う。


「フム・・・では再び異世界召喚しないと再び誓おう」


殺気と憎悪の中で教皇は、我間せず新たなる約束の言葉を告げた。

しかし、それは既に教皇自身が、

破った。なにか狙いがあるのか?


「・・・信に値するには

欠けている。それだけではない

はずだ教皇」


焦りや戸惑いを見せずになんとか

淡々と答える。それにしても

異世界ものラノベで培った知識がこんなところで役に立つとは。


「左様。監視をつけ怪しい動きがその場で切り捨てるとよい。

もちろん、行った他の教会も

徹底的に召喚の場を全て封鎖させるつもりだ。これでどうだ?」


次の言葉は魅力的で建設的な

条件だった。だけど危惧するところが、どこかある。

どこだろう。どこに・・・あっ!

あった。重要なところを。


「その監視は、お前達が選ぶのだろう?息のかかった者を監視する形にするのは意味がない。

こちらから、監視させてもらう。

それと、監視するための施設の

要求を求む」


落とし穴は、その監視する誰か。

もし、首を振れば教会側が厳選したと言って都合のいい条件。

ついでに大使館のような施設も

ほしい。


「交渉もできるか・・・

異世界の言葉で借りるなら

チュウコウセイに過ぎないのに

よく弁舌できるものよ」


ほとんどが、あらゆる小説を乱読した真似に過ぎないけど。

あとは、普段からニュースも

探すとゴールが見えそうにないのでやめよう。


「当然だが、不侵攻条約はもちろん暗殺や捕縛も無しだ」


「いいだろう、その要求を認めよう。神に誓って。とんでもない

事をしたと懺悔ざんげもしている。賠償金も教会を建設分を

支払う。これでも許せぬと思うが

協力させてほしい」


教皇は、頭を下げる。なんて言ったのか理解するまで時間を要した。周りも同じで空いた口を塞がらず急な沈黙が続いた。


「き、教皇様!?」


護衛の一人が信じられないと

声を上げる。その声に我に返った僕の頭は混乱していた。


「そうか殊勝な心掛けだ」


僕は、傲岸不遜に答える。

何か企んでいる、根拠がない。

形がない悪意という怪物が

虎視眈々と狙うような

感じだった。

前よりも好条件だと余計に。


「しかし、見ての通り伝説の

勇者等は負傷し武器の破壊や

損失された。挙げ句に恐怖で

逃げていた者もいる、

結成した我らの守護をする者を

負傷されている。

人類のために戦う兵力は無いのは

歴然だ。よって、その失った

国力として働いてもらう」


教皇は、目を細めて鋭い眼光を

放つ。拒否権はないと、そう

訴えて思える強さだった。

僕は、どういう意味か反芻はんすうをして刹那な時間で

答えを決める。


「確認するが、それは・・・

神聖教の代わりに動けと

言うのか?」


「そうだ。それだけではなく

最高武装勢力である

セレクトブレイブの任務なども

完遂させてもらう。

それが、我らの切実なお願いだ」


「・・・・・・」


(どうする?今になって協力するのを躊躇ってしまう)


ここで、引き受けるのは早計

かな。それなら、保留ことにしよう。その後は、同じ境遇の仲間に

方針を考えることにしよう。


「じっくり検討させてもらう」


「・・・ふん、いいだろう。

期限は一ヶ月だ。

過ぎれば新たなる編成して

討伐をする」


どうやら、逃げる選択はないか。

一層のこと、異世界チート主人公のように無双して認めるまで

暴れるか?・・・・・いや、

武力で解決するのは、下策だ。

戦わずにして勝利が究極の勝利。


「分かった。期限までは必ずに

ここに戻ってこよう。

して、他にも追加条件がある」


「追加条件だと?言ってみよ」


僕は、指を魔剣に魂を奪われ

気絶した暗殺者と他も指す。

最後に二人の妖精に守られている

亜人を指して教皇に条件を言う。


「あの者らを、連れていく」


「・・・いいだろう。

好きにするがいい」


僕は、つい笑顔になりそうになり

気を引き締めてそうかと返事をするだった。

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