レベル41終焉のスキル

「ふん、先の威勢は何処か。

斯様にして覇気を霧散すふか?」


魔剣テイルウイングは、禍々しく

血のように輝く。

魔剣のパーツとなった使い手の

アサシンのマーシャル。


「・・・た、タスケテ・・・くれ」


(まだ、生きているのか!?)


焦点が合っていなく声音や醸し出す

殺気や魔力が完全に別人。

僕は後ろへ跳躍して回避する。

回避した場所にテイルウイングの

ジャンプ袈裟斬り。

地面に当たると止まることなく

紙のごとく簡単に地面も斬れた。

そこは、異世界ファンタジーだなと

実感させられる。


「うぅぅ・・・りゃああぁぁぁ!!」


加速して僕は漆黒の剣で魔剣に

突き放つ。足で走る速度は刹那。


「ッーー!?」


火花が散る。魔剣にひびが入る。

致命傷とも呼べない些細なひび。

相手の表情は、苦痛に歪めたもの。


「やはり、それが・・・

テイルウイング。あなたの弱点か!」


「ほう、知らずに神々に値する

剣を使い手がソンナこと知らぬか。

無知蒙昧よ!」


魔剣テイルウイングの横一閃。

しかし、逆の手に持つ左に白銀の剣で

受け止める。膂力も以前と違い

鍔迫り合いなら、後は十人分も

いないと話にならないほどに。

力を押せば相手は剣をあらぬ方向に

弾かれ体勢を調整しなければ

ならない。


「我が・・・こうも赤子のように

弄ばれるだと!

認めぬ。貴様のような子供が

恒久こうきゅうの時間を生きていた我が・・・我があぁぁぁぁぁ!?」


「わるいけど、これも戦いなんだよ。

慈悲とは違うけど魔剣よ

眠る時だよ」


僕は掌を相手に向けてスキル

金縛りレベル700発動する!


「な、ナンダ!動けぬ」


テイルウイングが憑依ひょういした身体の動きを封じた。

優先一方だった。

数多のスキルを超常現象を引き

起こさせることができる。


金縛りだって最高レベル99でも

到達が早い初心者向きのスキルだ。

スキルレベルが早いなら

対策や耐性にも容易の実戦向きでは

ないと言われているが

これもレベルの壁を越えて格別の

スキルとなった。

上級者でも・・・もしかすると

神でも停止レベルまで指一つも

間々ならないほどに。


「これで・・・終わりだあぁぁ!!」


僕は二刀流の剣を後ろ下に地面を

突き刺しながら走る。

走って、走り、駆ける。

僕は全力疾走で地面を踏み腰を落として跳躍ジャンプ

高く、空に、大気圏で止まり

自由落下・・・二刀で天空からの

大上段斬り。

狙いは、悪の根源の魔剣を狙い

振り下ろす。


「そうは・・・させるかあぁぁ!?」


獣のような咆哮。

堕ちた勇者アーサーであった。


「慈しみを以って

[ヒーリング・レイ]!」


魔剣テイルウイングと憑依された

アサシンに緑の光の恩恵を受け

後ろへ素早く下がる。

中級魔法の回復に含まれる微量の

状態異常も癒やす効果もあり

糸も簡単に危機を脱する。


「なっ・・・!?」


「派手に大技を使ったなぁ。

これでもくらえぇぇぇ!!

大いなる闇に堕ちろ!

[ブラッドエッジエンド]」


勇者アーサーは、闇属性上級魔法を

超高速詠唱により瞬時に発動。


「すみやかにキエテナクナレ

我が絶対ヤミにキエヨ!」


テイルウイングも常時、放っている

闇の瘴気を剣に集まっていき

上にかざし規格外の

漆黒の長剣が完成。


「ハッアァァァーーーー!!」


振り下ろされる漆黒の長剣。

何メートルあるのか・・・どこまでも

あるそんな剣を振り下ろせば

都の外まで犠牲者が

出るかもしれない。

・・・避けず受け止めるしかない!


「アアアアアァァァァァァ!!」


二刀でX字にクロスさせ受け止めるが

やはり大技だけあって凄まじい

威力だ。


「ァァァァァァァァァァァァッ、

ダアッ!」


「なんだと!?」


弾き飛ばし、必殺の長剣を元のサイズ

に戻した。安堵して着地すると

それが油断だったと気づくのが

遅れる。地面からおぞましい血色で

ぬられた闇色の剣が地面から現れる。

刃のみ上に生えて次々と出てくる。

たとえるなら、剣山。


(そうか、闇属性上級魔法か!)


失念していた。アーサーが

詠唱していたではないか。

ブラッドエッジエンドを。

さすがにこの数を避けるのは可能でも

着地したばかりなのと遅れたことに

刺されていく。


「くくっ、アハハハ!

やったぞ。あの最強最悪の魔王さえ

倒せなかった天災そのものを

我が倒したのだ!」


痛い・・・顔を上げるとアーサーは

暗く歪まれた嗤いを上げる。


「ハハハハハハハ!」


「見事デアッタ人間よ」


その隣にゆっくりと歩くアサシン

マーシャルを憑依した

魔剣テイルウイングが手と手を叩き

拍手して称賛の言葉を送る。


「ふん、貴様のような魔剣が

我に言葉を向けるな。

恥をしれ!」


「ほう・・・コレハ礼を失した。

以後、気をつけよう」


「それていい。さて、

テイルウイングよ。いい加減に

力を貸せ。

我の得物に戻ることを許す」


アーサーは、冷淡にそう言った。

手を伸ばし剣の柄を掴もうと

したが相手は一歩、後ろへ下がる。


「どういうつもりだ?」


「つまり・・・コウイウことだ!」


ズバッ。・・・魔剣がアーサーを

腹部を貫いた。


「ガバッ!・・・貴様なんのつもりだぁぁぁ!!」


血を吐き出すアーサーは怨嗟の

鋭く睨む。それだけで射貫くことできるのではと、魂に恐怖を刻まれる

強い眼差し。

だが、鬼さえも逃げられる眼差しに

冷笑で答える。


「キサマには、特別な力で

我を封じる。快く返事をスルト

オモッタカ」


「魔剣の分際で・・・ぐはぁぁ!?」


魔剣を抜かれ大きく穴が開けられた

アーサーは、よろめき倒れる。

・・・死んだのか・・・・・

こうも簡単に。


「さぁ、シユウを決する時だ」


「ああ、もう終わらせる。

これ以上くだらない戦いで犠牲は

ごめんだ!」


「ゲセナイムナ、

ナニユエ、憤怒を起こしている?

敵ではないのか」


アーサーのことか・・・肯定だ。

ティファニーを魔力の道具として

扱い僕を死へ追い込んだかたき

しかし、客観的に見れば責務を

果たそうとする強さを垣間見た。

善と悪を測らない勇者だった。


個人的に言えば尊敬が出来ず嫌い

だったけど、討とうとなんて

考えていなかった。


「奪う権利はないはずだ!」


「?ナニを言っているのだキサマは

キレイゴトに酔うだけの類か」


分かっている!

綺麗事を言っている自分にこれが

信念だって酔っているよ。


「そんな事じゃない!

僕がバカで現実をまこと

見えていないよ!

そんな僕が分かるのはあなたが・・・

テイルウイング!

命を・・・軽く、見るなあぁぁ!」


「くくっソレガ我の存在意義ダカラ」


沸々とあふれる怒りを叫ぶんだ。

ここまで、怒りを覚えたことない。

テイルウイングは嘲笑で答える。


そして、禁忌の力を使う。

時間停止スキル。

時は止まった。

この動かなくなった世界で動けるのは

僕だけ。

僕は2つの剣を左右に斜めに上げる。


「ダブル超絶スラッシュ」


固有スキルで生み出した。

あらゆるスキルと剣技による

想像で作った最強剣技。

Xの形で剣を袈裟斬りする。

魔剣にだけ狙い柄を当てずに考慮して

不可視のXの斬撃が飛ぶ。

そして、時間を通常に。


「―――――――」


魔剣テイルウイングは、跡形もなく破壊すると、アサシンはうつ伏せに倒れ決着は呆気なく終わる。

テイルウイングは、破片となって

地面に落ち、断末魔の声を上げることなく討った。

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