レベル38暗澹たる剣戟

僕とフェアリー、フタリは

エデン教会の祭壇前に転移した。


「・・・誰もいない?」


「あれ〜?教皇きょうこうさんや信者さん皆ボイコットしたのかな」


右の肩に座る桃色の妖精は、

快活に言葉をする。左にため息

を隠そうとせず漏らすコバルトブルー

の妖精フタリ。


「どうして、教皇もボイコットなんですかです!・・・不穏です。

夜中ならともかく、こんな陽光が

照らしいる時間帯に・・・です」


「・・・いや、僕達のお客さんが

来たようだよ」


後ろへ向けば、さすがに広い身廊しんろうの椅子から現れ、

他にも柱頭の上から着地する者。

アサシンか!と警戒して右手から

別次元から白い剣(名前はしらない)を

虚空から突然に顕現させ、

現れたアサシンは息を呑む。

そして、僕は別の事で

息を呑んでいた。


「な、なんだと・・・。

動物の耳、しっぽがいるだと!?」


黒い衣装に物騒な得物、短剣や剣など

持ってフードを目深に被っているが

隠れぬ形がある。そう!頭の上に

猫耳らしき形が見える。


「あ、亜人・・・くっ!

どうして、フードを隠すして・・・

作り物じゃないその、

自然的に動いるのに

見えないなんて、無慈悲すぎる!」


「ちょっ!?そこで性癖を

出すなああぁぁぁぁーーー伊達」


「徹頭徹尾・・・シリアスに

行けないです。

お二人とも落ち着くですよ、です」


「恨むぜエデン教会。僕が大好きな

亜人美少女がいたら、恨むぜ」


「ティファニーに言うよ」


「正妻に報告案件です」


剣を中段に構えると、魔法感知スキル

で大規模魔法を発動を感知した。

フェアリーとフタリも気づいたようで

例の未来型のデバイスを顕現させ

球体を操作。

同時に多数のステンドガラスが割れ

光が包まれ、爆発が起きる。


最上級防御魔法

[ダメージキャンセルゾーン]を咄嗟に

展開し、透明の障壁。

最大難易度の防御魔法。

領域は一人分しか入れないが、

無尽蔵な容量により領域を拡散、

大規模魔法攻撃をアサシンに入れ

外側の間断なく轟音と攻撃を防ぐ。


「味方まで犠牲の駒として使う。

本当に倫理観が、どうしていんだって一言だけでも言いたいよ」


フェアリーの諧謔かいぎゃくセリフには義憤の声音。

つまり、変わらずの面白いセリフに

悪に怒る声だった。


「・・・・・ハッ」


アサシンが、僕の行動に呆気を取っていたが、すぐに立ち直り任務を

果たそうとする。それは、僕を

討つことが任務なのだ。


「障壁の中でも障壁」


アサシンの短剣を見えない壁が

当たり尻餅をついた。


「二重の障壁です・・・続けて

土塊つちくれよ[ストーン]です!」


フタリの頭上に僕の顔サイズの岩を

出現してその岩を触れずに動かす。

ほとんど、念動力に見える。

アサシンの頭に落とし気絶させる。


「ショールな光景。

個人的には暴力を振るうのは苦手

なんだけど、そんなこと言って

られないね」


白刃をきらめかせ、そして肉眼が

不可能な速度と消えたことさえ

認識されずフィールド内にいる

敵の一番、後ろへ一瞬にして

移動した。

アサシン達は一斉に同時に気絶。

峰で打ち峰打みねうちで。


「もう、僕は負けることない。

誰も殺すこともしない!」


最上級防御魔法

[ダメージキャンセルゾーン]中は

無力化したが、外側はまだ攻撃が

継続。

攻撃魔法の種類は

最上級魔法つまりは、

戦略的大規模殲滅せんめつ魔法

に分類される魔法。


「あんな、魔法よく連続して

撃ち続けるよね」


フェアリーが羽をはばたき近づき、

呆れと恐れが少し多めの混ぜった

表情で疑念を口にする。


「フムです・・・自棄になったか

都会一つをクレーターにさせない

策があるかです?」


フタリも、光沢と透明感のある

コバルトブルーをはばたかせ熟考と

推測を口にする。


「・・・なにかあるとしても、

あんなバカ魔力を消費するような

魔法をやむのは時間は掛からないと

思うけど、二人とも警戒だよ」


最上級魔法を取得が難しく、

一人だけで魔力を枯渇する魔法。

そんな一か八かと呼べる最後の切り札

を連続が疑問を拭えないが

それで、悩んで行動を躊躇うのは

危険だと勇者てしての戦いの日々で

学んだ少なく、多い教訓。




一方、エデン教会の敷地では

長い白い髭を長く下に伸ばした

新聖教しんせいきょうの総本山がエデン教会。そして、

教皇が、グランド・プリンシプル。

53歳とは、思えない屈強な身体。

鋭い眼差しを炎上する教会を

そのまなこ映す。


「・・・内部に報告役の亜人あじんらは任務を果たした。

これも、世界の秩序と安寧のため。

尊い犠牲よな」


「教皇様。突撃部隊の準備を

終えました」


背後に報告するはマーシャルという

青年。伊達成実だてしげざね

捕らえ暗殺などした者だ。


「フム、この攻撃をやむと同時に

突撃せよ。居場所は解ったか」


「はっ!魔法を扱う者の情報では

あそこでしょう」


指をさす方角はエデン教会の

祭殿のある場所だ。

そして、攻撃をやむとは

最上級魔法のことだ。

街一つのスケールを軽々に超える

被害をもたらす。何故、間断なく

放つことできるか。

味方の周辺に専門の防御魔法が

所々に配置させた。


防御魔法は、攻撃よりも魔力は

消耗しないのが常識。


(ようやく・・・奴を仕留める。

それが俺の役目で唯一の存在意義だ)


マーシャルは、強い決意すると

近づいてくる足音が聞こえる。

振り返ると・・・


(たしか奴は・・・稀代きだいの勇者とか呼ばれている)


名は、アーサー。

最強にして無敵と謳われる聖剣

エクスカリバーに選ばれた

最強のセレクトブレイブにして

人類の希望とかわれた

奴か。


「なに用ですかアーサー殿?」


「そんな事、貴様に伝える義務が

あると思うか下賤げせんの者がぁ!」


(随分ずいぶんと荒れている

ようだな。奪われた物が

多いからか?)


前は爽やかに笑みを無駄にばら撒く

奴だと認識していたマーシャル。

敗戦し、奪われば変わる。

それが、民でも王でも・・・

英雄も例外ではないだけ。


「教皇・・・一番槍は、是非この

アーサーにお任せを」


「・・・うむ、任せたアーサー殿」


(教皇も伝説の勇者には

強きではいられない・・・政治的な

複雑差というやつか、

分からねぇなあ・・・・・)


理解したくても幼い時に拾われた

マーシャルは、学問を学んでいない。

いや、最低限しか教えられていないのが正しいか?


(どっちにしろ、こんなエデン教会を

燃やし大規模なひつぎ

させると上は言っていた。

この教会と選ばれた勇者

セレクトブレイブと冒険者を

連合軍に、俺の心は熱くなってくる)


闘争心を燃やす・・・あらゆる

武装、武器を揃えたマーシャルは

暗い笑みをこほした。

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