レベル35ブレイブウォーオーバー


エデン教会から勇者を徴兵とさせて

軍を起こし、それを率いるのは

エデン教会の息のかかった者。

管理し隷従させ権限を行使するだけで

その指揮官は戦おうとしない。


「倒せるとは、思っていないが

貴様には我々が用意した勇者らと

戦ってもらおうか」

「・・・また、そうするのか。

お前たちが、そんなことして・・・

教皇きょうこうは本当にそんな事を言ったのか!話し合いで

なんとか、うまく言ったと思って」

「ふん。子供だな!

危険存在に一時的な譲渡じょうとにすぎないそんなものは。

対策や時間を得るための」


冷血に否定をする指揮官。

万が一、独断でこのプラハ城モドキを

進行に来たのだと思ってたず

ねるが、返ってきたのは

侮蔑とした眼差しと言葉だった。


「さて、こう話すよりも退屈で

あろう。貴様には彼らと

戦ってもらおう」


指をパチンと鳴らすと、

指揮官の背後に暗く、佇む少年三人を

前へ突出すローブをした人達。


「ま、まさか・・・」

「再確認だ!

反撃などすれば、遠くにいる仮初かりそめの勇者を処断しょだんさせてもらう。

せいぜい、足掻あがくがいい。・・・やれ!」


剣を握る三人は、戦意がなく薄暗い

感情に支配された表情をして、

地を蹴り前進する。

一人目の左からのナナメ斬り。


「すみません・・・」

「いや。僕が絶対になんとかする!」


横へ避け、希望を持たせようと

根拠もなく僕は、宣言する。

左右から、二人の上段斬り。


「僕のことは気にするな!

だから、全力で攻撃して猛攻を。

そうしないと、奴らはなにを

やるかわからない!」

「「「・・・・・」」」


二人からの攻撃を後ろ6

メートル飛び回避し、言葉を続ける。

三人は、戸惑いそして苦渋くじゅうな表情で攻撃を仕掛ける。


「そうだ。そのまま遠慮せずに

どんどん来てくれ!」

(未来を読むスキルがあるから

アクションが自動的に理解できる。

だから、手に取るように分かる。

けど、発動条件は戦闘とかかなり

限定する・・・それに、

僕、一人だけというのは存外に

寂しく感じるよ)


ティファニーは、城の中で退避とか

ぐらいしか知らず。

フタリは応援に行き、

フェアリーは、逃走?

どこかへ去った。

今は、味方がいなく心細いが

それは距離的であって想いや行動は

離れているわけじゃない。


「だから、信じてる。僕はただ

待って時が訪れるまで待つだけだ!」


袈裟けさ斬りを横へ避け、

回避コースから待っていたと

言わんばかりに前進した袈裟斬り。

両手で、白羽取しらはどり。


「わああぁぉぁぁ!!」

「わるいけど、声を上げて

知らさなくとも後ろの攻撃は

読めているよ。僕はねぇ!」


後ろから、刺突が来る・・・・・

その剣先に後ろから足を蹴って

宙へと飛ばす。落下は

数分ぐらいかな。


「なっーーーー!?」

「やっぱり、そう反応するよね。

僕のレベルは、ことわりから

乖離かいりしたレベル。

魔王や真の勇者を倒せるほどに」

「・・・は、はい!」

「うおおぉぉぉぉ!!」


僕の激励?に一撃を闘志を燃やし

声を上げ一撃を放つ。

吹きっれたのはいいけど、本気だ。

倒そうとかではなく、追い詰める

型ちに苛烈に繰り広げようとする。

3人にならい演じよう。


「くっ!」

「だあぁぁぁーー!!」


数ミリで、当たる絶妙な避けながら

あせりなどしてみた。


「ふん。世界王と名乗ったわりには

大したことはないなぁ。

何故、このような者に危険視を

さるのだ教皇は?」


少し離れた場所で熟考する

敵の指揮官。

内容が余すことなく聞こえたのは、

通常最大99ほ聴覚レベル333。

ちなみに範囲内は

世界中で、鼓膜など強化、付き。


「な、なんだ!

どうして倒れるのだ?」


回避パターン(舌打ち忘れず)を

取りながら見てみると、指揮官の

周りにいるローブの人が倒れていた。


「き、急に眠気が・・・」


ばたん。指揮官が睡魔に負けてしまい

倒れるように眠り始める。


「ストップ!見ている監視の目は

ない。いや眠っている。

たから、剣を降ろしてくれ」

「・・・ああ」


三人は仲間と目線だけで相談し

券を降ろしてくれた。

そういや、厳しい環境だったから

こういう方法での会話があった!

僕は不器用だからできないけど。

懐かしく感じるのはあとだ。


「何が原因かわからないけど

慎重に地価づいて確認しよう」


ゆっくり慎重になるべく音をたてず

近づこうとすると、

桃色の髪と羽をして妖精が

僕の頭上から、視界の前へ止まる。


「うわあぁー!?

いきなり戻ってきたのかフェアリー。

これってフェアリーが?」

「フッフフ!よく訊いてくれた。

そう、なにを隠そうわたしが

敵を眠らせ戦闘不能にさせた。

どう、かっこいいでしょう?」

「・・・あ、ああ。かっこいいよ。

やっぱり指揮官は縄できつく

縛らんだ方がいいかな?」

「あー、だね。それでは早く

やりましょう!」


木に縄をグルグルにして、丈夫じょうぶに巻きつけ立ち上がる。


「シゲーーーザネーーーー!」

「この声・・・もしかして」


後ろに掛けられた声へ振り返ると

鮮やかな赤髪をなびくティファニー。


「ティファニー!

よかった無事で・・・て、

うわああぁぁぁぁーーー!?」


ダッシュから、ハグされ僕は

後ろから地面に倒れる。

ティファニーは、腕を首の後ろへ

回し顔は僕の横だ。

スゴイ密着され、

心臓がドキマギする。

そして、カチャと鎧の音が・・・


「あれ?そのよろいは?」

「あっ!これはね。シゲザネが

前に使っていた鎧ななんだけど、

勝手に使って怒っている?」


不安そうな顔と声をして訊く。


「そんなわけない!

洗っていないから、

臭いとかしないか不安ぐらいだよ」


ありのままに言うと、

ティファニーが微笑み僕も釣られ

笑う。


「どうやら、フェアリーの

策が上手くいったようです」

「フタリも無事でなりよりだよ。

先、言った

フェアリーの策なんだけど?」


青の妖精フタリが、フェアリーの

反対の方へ浮遊し停止。

そして、気になった策とは

なんなのか?


「大したことではないです。

ただ、敵の注意をシゲザネの一点に させてから、茂みに隠れた敵を

魔法で眠らせて、最後にあの

横暴な大将を眠らせる。

人質の安否や命令に逆らえない

勇者も開放したのです。

フェアリーは、功労者です!」

「そうなのか。フェアリー

助かった!やっぱり飄々ひょうひょうとしているのに、頼れる

最高の妖精だよ!」

「えっ!?あっ、あー・・・・・

ありがとう。えへへ、

もっと褒めていいんだぜみんなよ!」


フェアリーの求めに俺達は、

口をきわめて褒めちぎた。

フェアリーは、嬉しそうに、

うんうん!と首を縦に振って

気持ち良さそうにしていてが、

徐々に頬は赤くなる。次は

しどろもどろになった。

さて、フェアリーの大絶賛の嵐を

続けながら城へ向かう。

城門から、次から人が走っていき

俺達を囲むように集まった。


「いよ!ヒーロー」

「二人の妖精は、スゴかったわ」

「ティファニーの勇気に

立ち直れました!」


などなど、数々の賛辞と感謝に

どう応えるか迷う

フェアリーとフタリとティファニー。

フタリもそんな表情をするのか

と驚きながらも嬉しく思う。


「とくに、世界王があそこで

冷静に判断したのが地味じみにスゲエェよな!」

「ああ!どんな指示をしたか、

知らねぇが神がっていたぜぇ!」


ま、まさか僕にも歓迎してくるのか。

時間を稼いだのみ。それだけなのに

こんな過剰に褒められると

恥ずかしいなぁ。


「本当にあの人はスゴイんですよ!

俺達の攻撃をギリギリ過ぎる

避けて無傷なんだから!」


先、攻撃をしていた3人の一人が

嬉々とした表情で口にする。

ティファニーや周りの表情からして

戦いは終わったのだろう。

だが、まだ教会にいる勇者を

救出にいかねばならない。


「聞け!人間共、貴様らのいる

ここを墓場になる!」

「ぐっ!?な、なんなんだ・・・

この禍々まがまがしい声は!」


声のして方は、上。顔を仰ぐと、

そこにいたのは、悪魔だった。

黒の甲冑をし、龍にまたがる

黒の騎士・・・竜騎士りゅうきし

漆黒の羽を動かし飛ぶ悪魔。

空に蔓延はびこる大軍は、

絶望の象徴のように見えた。



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