レベル34 ブレイブウォー3

城内は、混沌と熾烈しれつを極めようとしていた。エントランスの入口に

元勇者達は死守し敵の勇者は生気を失った

ように戦う。まさしく混沌だとフタリは

冷静な思考でそう結論した。


「なるほど、早い回復が求められ

ます・・・です」


フタリは、未来的なコントロールルームに

設置していそうなコンソールを出現させる。

フタリの大きさの半分の長方形が二つの

中央部には球体を小さな手で操作はじめる。


「シゲザネのようには早く魔法を使え

ませんが、こんなことを・・・できるです」


前線を負傷で下げられた味方を上級魔法

【ライジング・ヒール・バースト】発動。

負傷者周囲のティファニーも含まれ

緑色の広範囲を及ぶ竜巻は、激しく回転し

負った傷が消えていく。


「うわぁ!?な、なんだ痛みが消えていく」

「わ、わたしも!?」

「こ、これは・・・」


フタリの詠唱の手間をコンソールの球体を

操作で発現した。説明も詠唱もなく

実行したため周りは喜ぶべきか戸惑う。

そして、ティファニーも戸惑うのだった。


「えっ?今のはなに・・・・・も、

もしかしてこの回復はシゲザネが」

「まぁ、しようとすればできますけど、

今はなにもできないのです」

「なにもって・・・もしかして

危険なことに」

「いえ、大丈夫ですよ。心配するのは

ティファニーさん・・・貴女の身です」

「・・・それって?」


ティファニーは、最愛の人のシゲザネの

事になると、らしくもなく

質問を執拗になる。


「すみません・・・そろそろ入口の方へ

戻って下さいです」

「わかりました」「承知したしました」

「次は・・・」


拡声スキルを調整し、フタリは言う。


『交代です。皆さんの治療を終えましたので、軽度の負傷者も交代です』

「え?わ、わかった!!」


振り返り戦いに戻ろうとする退かせた味方を

見てわずかに驚きに見開き

すぐに立ち直り声高に返事。これで

長時間は戦闘は出来るし予期しないことが

起きても次に退く味方を少し残してから

じりじりと時間稼ぎか勝利へなるはずと

確信するフタリ。


(これで、なんとかなるでしょうかです。

わたしがいないと皆さん大規模な戦闘の

指示する人がいないからやれやれ

ですね・・・あ、あれです?

なにか、わたしの頭の上に優しい

温もりがです?)

「よしよし、頑張って立派だよフタリ」


その声にフタリは驚愕する。

コバルトブルーのショートヘアーを

なでなでとするのはティファニーだった。

フタリは、なぜこんな緊張感ご漂っている

ときにするのか理解できなかった。

妖精の心得をしっているかのような

絶妙で楽園のような気持ちをさせる。


「あっははは・・・・・はっ――――

や、やめるです!!?

フェアリーのような笑い担当じゃないのですよわたしはです!」

「あ、あれ・・・嫌だった・・・・・」

「い、いえそうでもないです。

・・・調子が狂うのです」


諦めのため息が出るフタリは、

もうティファニーにされるまま覚悟を

決めた。否定しようにも儚く落ち込むので

こんな中途半端で漠然とした

言葉を返すした。


「わたしができることはないかなフタリ」

「前に述べたように自分を守って下さいです。さきの暗殺者がティファニーさんを

狙ったことからすれば・・・

目的はティファニーさんです!」

「・・・わ、わたしが?」

「なるほど、敵は伊達の妻になるのか。

これで謎がわかったぜ!」

「・・・わかっていませんし、

突然、強引、話に割り込まないで下さい

夏目・・・ハァーです。」


シリアスな展開を一々、壊したいのか

ティファニー も夏目も・・・

天然なところが似ていてシリアスを

壊すのも。シゲザネが知ればショックでしょうねぇ。


「良いですかです。今からティファニーを

村娘から正真正銘の勇者へとジョブを

賜るのです」

「ゆ、勇者に?」


疑問符を浮かべるティファニーに説明する

時間はないとフタリは、省くことにし

浮遊する二つのコンソールを操作。


「スキル発動・・・

【ジョブ・オーソリティー】の対象者は

ティファニーとジョブを勇者へと

選択・・・です」


巨大建築物コントロールルームにありそうな

携帯用になった未来的なフォルムした

コンソールが光始め、球体が激しく回転。


「わぁ!?」

「な、なにが!?」


次に起きるは、ティファニーの体が神秘的に

光が放った。鮮やかな赤い長い髪を靡かせ

美貌も重ね女神のようだと

夏目や勇者や敵のどこかに潜む刺客も

息を飲むのが聞こえそうに漂っていると

フタリは思った。

放ち続ける光は、ほんの数秒間だった。

光が収まると時間が動き始める。


「レベルは1です。最強のジョブですが

一撃を耐えれるか、耐えれないかぐらい

脆弱ですので気を付けてです」


そして、フタリがコンソールを今度は

ポチっと押しティファニーの衣装が

変化・・・否、追加。

白の甲冑で軽装と腰には

剣が一瞬にしてなった。


「お、重たい・・・軽い?」

「勇者ですから、このぐらい当然です。

新しい甲冑じゃないのは・・・

シゲザネにスキルを持っていくの忘れて

まして・・・代わりにシゲザネが使っていた

甲冑です」


ティファニーがどこか見たことあるなぁと、感じたがフタリの言葉で納得した。

これは、最初に出逢った時に着ていた甲冑

なのだと。

そう知るとなぜか自信が湧き、恐怖が

少しだけだけど消えていく。


「あ、あれ?でもキレイだよ?

さすがに掃除が分からないから

汚れているはずだけど」

「あー、それは所持アイテムを

掃除するスキルでキレイにしました」


スキル多様世代のフタリは、当たり前に

説明するが、スゴいことだった。

しかし、今その説明を聞いているのが

ティファニーと夏目や経験が少ない元勇者

らは、そうなんだと特に驚きの色なし。


「さあ、態々わざわざこのタイミングで来たようです」


フタリは、右の角に吶喊とっかんする

黒いローブのフードを目深に被る暗殺者に

コンソール操作。

使用した魔法は、炎中級魔法の

【フレイム・スピアー】

フタリの前から炎が溢れ前へやりの形を

作り放つ。荒ぶる炎の槍は、見た目とは裏腹に殺傷力は皆無。


「なっ――ぐああぁぁぁぁ・・・」


常人には耐えれるような生易しくない。

その炎を胸に貫かれ体中を爆発する勢いで

燃え始める。まさしく超常現象で

倒れる仲間を怖じ気を感じさせない次の

刺客が同じ場所から現れる。


「あれを見て動じないですか・・・

ある意味、言えば畏敬の念ですけど

それはただの蛮勇ばんゆう

言うのですよ」


対策もなくわざわざ同じ所を現れる刺客に

フレイム・スピアーで迎撃。


「があっ――ががあああぁぁぁぁぁ!!?」

(本当になにも手を打てず突撃?

なにか違和感があるです・・・)


倒れる敵を見ながら思案を巡らすフタリ。

なにかが違和感を覚えて仕方ないが

周囲の警戒をしないと。

入口付近での勇者と元勇者の戦いは・・・


「やめろ!本当はこんなことをしたい

わけじゃないだろ」

「・・・それは、できないんだ」

「やめろ!相手は無理強いさせられているんだ。解決するのは、呪いを解くしかないのを知っているだろ」


剣劇を交え敵に言葉で説得しようと

試みるのは義憤しての行動だろう。

苦痛に歪める敵の偽りの勇者。

その勇者をやめた人達は戸惑いながらも

気絶をさせたりして手加減をしている。


「ぐわあぁぁ!」

「これで、トドメだああぁぁぁぁ!!」

「させるかああぁ!」

「させないわ!」


鍔迫つばぜり合いに押し負け

倒れる相手に長槍ながやり

上げ叩こうと構え声高に叫ぶ相手に

近くの二人が止める。少年は大剣で

少女は白銀の二刀流で止める。


(危うい状況はないですね。近くに

刺客は・・・っ―――!?背後から殺気が)

「うっ・・・・・」

「っ――――!?」


唸れるのはティファニー。ティファニーの

背後に黒いローブをした刺客が

禍々しい短剣で

深々と差し込み血が鎧を染めていく。


「は、離れろアサシン!!」

「遅い!」


剣を抜き斬りかかろうとするが、

足蹴りされ飛ばされる夏目。


「うわぁぁ!!」

「くっ、ティファニーさん頑張って!」


フタリは、最短で発動する初級回復魔法

【ヒーリング】を、発動。

ティファニーの体を緑の粒子が

虚無から現れ包むようにする。

次に大回復の上級回復魔法をコンソールに

入力し起動。

【ライジング・ヒール・バースト】が敵も

回復のエメラルドの竜巻に入るが

第一はティファニーのため迷いなくした。

その迷いが手遅れだと知っていての行動。


「ハァ・・・ハァ・・・ハァ!」

「ティファニーさん抵抗して下さいです!」

(そうしないと、あの刺客に魔法を撃ち込めないです。ティファニーを巻き込めずに

なにかないか・・・)

「チッ、なんて固さだ!」


なかなか、倒れないティファニーに

舌打ちする刺客。そんな絶望的な光景でも

フタリはコンソールの球体を操作をする。


「可憐な女の子に対してその言葉は

いささかどうなのですかです?」

「そんなつまらん情で訴えても無駄だ妖精」

「・・・フタリそのごめんなさい。

シゲザネにも謝ってくれた―――」

「それ以上は言わせませんし

シゲザネには、大好きだって告白でも

するのですティファニーさん。

だから・・・」


ティファニーは、笑顔を浮かべ今生こんじょうの別れの言葉を告げようと

するのをコバルトブルー妖精は

遮り否定する。

コンソールが、眩くそして輝く。


「自分の手で倒すのです!

レベル1のハンデは、特大の強化魔法です」

「こ・・・これは!?」


ティファニーは、驚きの声をしたのは

虹色レインボーカラーに包まれるようになる自分の体に。フタリが使ったのは

述べた通りの強化魔法だ。


「な、なんだこの恐ろしい力は!?」

「ただの強化魔法のオンパレードです。

まぁ、上級強化魔法と

レベルオーバーした各スキルをブースト

しました・・・です!」


光が収まると、ティファニーに刺していた

短剣が離れる・・・否、弾き返された。

ティファニーは、振り返りさやの剣を柄を

握る。そして、片方の手をガード

刀の部位で云えばつばの近くの上・・・つまり鞘を掴んで構える。

そう、抜いたのは腰にある鞘と一緒で。


「その、諦めてくれませんか刺客さん!」

「ふっ、フッハハハハハ!

なんて不様な構え方だ。素人に負けると

思うか赤い女!」

(あ、赤い女・・・その呼ばれ方は

イヤかな)


ティファニーがそう内心、思いながらも

一応、戦闘の構えを見て真似れるが

鞘を抜くないのは、怖かったから。

鋭い眼光と短剣を構える刺客は、それだけで

並みならぬ力を窺え見える。

突如勇者へとなったティファニー

対峙するのは暗殺者。仕掛けるのは刺客。


「くらえ!」

「べ、別の短剣が!?」


キン!懐から投げる短剣を鞘で防ぐ。


「フゥ!」

「は、速い!・・・あれ痛くない?」

「なに!?確かに腹部に狙って・・・

くっ!あの妖精め、ここまで硬くしたのか」

「や、やああぁぁぁぁ!!」

「素人が動作が無駄で・・・なにいぃ!」


ティファニーは、反撃したのは鞘で

振り払う・・・横をいっぱいに引いて

それからの攻撃、軌道を瞬時に読んだ暗殺者は油断していた。読み通りで横で拙い

殴打など棍棒のようなだなと嘲笑を浮かべる

刺客、しかしその速度は異常で

まるで鞘から抜いた達人レベルの

一瞬の斬撃に近かった。

かなり危うく避ける刺客だったが

その余波が襲う。


「ぐおおぉぉぉぉぉ!!」

「ぁぁぁぁ・・・あ、あれ?

と、飛んでいる!?」


それを起こした本人のティファニーも

驚いていた。高く宙に飛ばされそして

落下する刺客は、衝撃を最小限に抑える

ためゴロゴロと回る。


「ハァ・・・ハァ・・・な、なんだった

んだあのバカみたいなパワーは・・・・・

なっ!!き、貴様い、一体どうして

このわずかに距離まで!?」

「あはは、気づいたら。あとごめんね」


顔を上げると、ティファニーが目の前に

そして、鞘を降り下ろす。ガツン!

と頭に命中され刺客は、この攻撃に

激しい痛みと意識が完全に失いそうになろうとする。

「・・・な、なんて力だ・・・・・」

「気絶・・・したかな?

あれ?わたしあの刺客を倒したことに

なって・・・あわわ!?」

「落ち着いてくださいです

ティファニーさん。まさか、気絶まで

できるほど成長してくれて・・・成長?

まぁ、お疲れ様です」

「あ!フタリよかった。わたし・・・

死なずに・・・うぅ」

「ティファニーさん・・・」


ティファニーは、死を漂うあの緊張感と

恐怖そして戦いに終えたわけじゃないですが

安心すると涙が止まらなくなる

ティファニー。フタリは、優しく微笑みながら名前を呼ぶ。


「よかったです。ティファニーさんが

無事でわたしも・・・」

「フタリ・・・わたし怖かったよ」


膝を就くティファニー。そして嗚咽が

止まらずティファニーは言う。


「もう、シゲザネや・・・

フタリ、フェアリー会えない思うと・・・

こ、こわかったよ・・・・・

あぁぁぁ、わあああぁぁぁぁぁぁ!!」


ティファニーは、苦しい気持ちと

歓喜する気持ちを吐露し泣き叫ぶ。

それは、悲しさよりも嬉しさで安心だった。

フタリは、まだまだ精神は子供だなぁと思い

優しく励ましたりした。






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