レベル31 解放と覚悟と決断

「お・・・おはようティファニー」

「う、うん。おはよう・・・」


読心術という心を読むスキルにより

お互いの想っていた感情を隠さず

伝わり非常に平常心で耐えられなかった。

そのためいつもの挨拶にこう

つたなくなってしまう。

桃色と青色の粒子が虚空から肩の少し上から

集まり、妖精へと形作る。


「うわぁー、昨日やりすぎたかなこれは?

挨拶で二人とも頬が赤になっていて、初々しい反応は見ていて楽しいんだけど・・・

少しやりすぎた?」

「ですね。・・・提案を

シゲザネ。わたしにスキルの使用許可を

お願いたしますです」

「だんじて断るよ、絶対に断る!

あの読心術という悪魔のスキルは二度と

使わないと決めたんだ!」


心から生じた想いや考えなどを

このスキルは包み隠さず一切喝采に

裏の声を聞き取れる。

そして、恐ろしいことにやめさせるにも

使用許可を得た昨日のフタリは嬉々として

断り、フェアリーと存分に楽しんだのだ。

思考読まれこの気持ちは絶対に考えないぞとか手を繋ぎたいなどの妄想を必死に考えないように

意識すればするほどで考えてしまうもの。

ティファニーが疑問符を浮かべたり

羞恥に耐えれず俯いたりと繰り返していた。


「わたしは・・・もう一度あの

体験をしたいと思うかな?」

「は、はい?ティファニーそれは・・・

お互い恥ずかしいと思いますけど?」

「おぉー!大胆だねティファニーは!

男を見せるときだよ」

「驚嘆・・・です!ティファニーが

一番に恥ずかしがっていたのにです・・・」


まさかのティファニーがあの地獄か天国の

羞恥の我慢大会にまた催してほしいなど

僕は驚いた。桃色妖精フェアリーは

快活に笑っていて、青の妖精フタリは

以外な発言にあんぐりと

口を開き驚いている。

三人に注目されティファニーは、

照れ笑いを浮かべる。

色んな笑顔をするたびに鼓動が高鳴っていくのを僕は、どこまで好きなんだと

自問自答したくなるほど。

さて、ティファニーが

口をゆっくり開きどんな理由を

言うか注目・・・。


「だ、だってシゲザネがしたいことが

分かるから・・・たとえばこれとか」


ティファニーは突然、僕の隣に近づき

それから手を繋いできた。


「・・・・・・なっ!?」

「えへへ、まさかシゲザネがわたしと

そこまで手を繋ぎたかって、嬉かったよ。

でもこれ・・・恥ずかしいねぇ。

家族とか小さい子供などにするからかな?」


手は柔らかく温かった・・・好きな相手に

手を繋いだことは一度もない僕は

どうすればいいか分からなくなり頭の中は

真っ白になる。

それと、ティファニーは恋人などが手を繋ぐ

ことは知らないらしい。


「・・・女の子とは、親しく話したことない伊達にはこれは刺激が強いよねフタリ」

「そうです!ただでさえ思春期とは

思えないほどに乙女のようなシゲザネには

これだけでも気絶してもおかしく

ありませよです・・・

ティファニーさん配慮です!」


大袈裟おおげさに反応する

二人の妖精。お、俺だって17才だ!

これぐらいで取り乱すわけがなかろう。


「お、おどぉいたけど・・・

だいひょうぶたよ」

「ダメだ、ダメすぎるよ。伊達は見事に

取りとりろうとしたけど、著しく失敗したねぇこれは・・・」

「はいです。まことにシゲザネは・・・

情けないです」

「だね。せっかくのわたしの妹が

私怨と欲望が蔓延はびこんだ状態の中にいても

伊達のためにとティファニー

関係を良好させようと奔走したのに」

「だから、妹じゃないです!

それに二人が仲がわるくなることは

ないと思いますよです。それと

ツッコミを増やさないで、です!!」


どうしよう、二人の妖精の会話からして

そんなに隠せていなかったのか僕は!

フェアリーとフタリに看破――もとい

誤解してそして、ケンカが始まる。


「わぁー!?二人ともケンカしないで。

ほら仲良くしよう・・・ねぇ」

「ティ、ティファニーがそう言うなら」

「し、仕方ないです。今回は我慢するです」


散々さんざん、僕に情けないとか

乙女など言われ放題だった二人も

ティファニーにはツンデレのような

返事することに気づかないのかな?

まぁ、僕は言わないけど。言ったら

二人の怒りの矛先が

僕に向けられるのは・・・

読心術スキル事件よりも恐ろしいことに

なりそうだと予感しているから。


「おーい、あっ!伊達・・・まったく

ラブラブすぎだろ」


僕達は廊下で歩き手を繋いだ所を

見られてしまいその人物は嘆息するは

男友達の夏目広次。


「夏目その違うんだ!いつもはこんな

ことしないから!!」

「ふーん」

「え?・・・そのシゲザネが

恥ずかしいなら手を離した

方がいいかな?」

「そ、それは・・・・・」

「ティファニーさん。その問いには

伊達には答えれませんよ。

離したくないの1択だから。しかし

そんなことが言えない。恥ずかしいんだと

思いますよ」


そ、その通りだけど。会ってまだ日がそんなに経っていないのに僕のこと

詳しいんですね夏目。


「そうなんだ・・・

教えてくれてありがとう。それじゃあ

今日はずっと手を繋いでいるから

シゲサネ!」

「・・・・よ、よろしくお願いします」


輝くような微笑みを向けられそう応えるのが

やっとだった。結局、僕とティファニーの

関係を説明をすれば、なんだろう・・・

恋人・・・返事はしっかりした言葉なかった

友達・・・でも、お互い好きだと知っている

夫婦・・・違う、ちが、ちがう、ちがうぅぅ

と、そんな深く悩む必要は

なかったかもしれない。お互い好きだって

これ以上で十分だろう。

・・・・・・たぶん。


「それよりも朗報だ伊達!

救った勇者達に残った

勇者達がいないか名前を訊いてみたんだが、全員確認済みだった。」

「確認済みってことは、今いる異世界に

呼ばれた残りの人達が全員ってこと?」

「ああ、そうだ。ここまで呼んでいたのか

って本当、驚いた。

それで次の方針のため会議に行こう」


現在いる異世界勇者をこの城へ全員

避難したことになる。

夏目の言葉に頷き僕は言葉通りティファニー

と手を繋いだ状況に一階に降りる。

向かうのは最初に話し合いをした場所。

僕のスキルで作り出した

横長テーブルで今回もそこで会議。

数十人が座れるほど長いテーブル奥に

僕とティファニーはそこで座るのを・・・

みんなの視線が僕達に集まっていたのだ。

待っていたのだから当然のことで

なんら不思議でもないのだが、

さすがにポカンとされていたら疑問に思う。


(いや・・・もしかしたら

思たよりも遅れてたのに一言もなく

座ったことに厚顔無恥さに怒りよりも

呆れている・・・だろうか)


「その、遅れてしまってすみませ――」

「「「リア充だぁ!?」」」


異口同音の男女の叫び。


「・・・・・へ?」

「恋人だろうとなんとなく理解していたが」

「こうも見せられて・・・」

「わたしも美少女と恋愛したいよーー!!」


一部の人達の悲壮感の絶叫が響き渡る。

叫んでいる人の隣は耳を抑えたり

嘆息する者がいる。僕は呆気に

取られていた。ハーレム系のラノベとか

アニメでは定番だけどまさかこの異世界で

僕と近い境遇が本能のままに叫ばれて

どうすればこの状況が収まるのか・・・。

それと一部の中に女の子が

美少女とデートしたいとか、同棲したい

などの嘆きも聞こえた。

まさか異世界でゆりゆりしたい

人がいたとは・・・。


「シゲザネの知識で知っていましたですけど・・・本当に言う人がいることに

驚きに禁じ得ませんです」


そうい呟いていたのは、

左肩に座っていたフタリ。

頭を抱えながらはねを動かし

僕の前にテーブルの下に着地する。

ティファニーに肩を優しく2度トントンと

され視線をティファニーに。


「シゲザネその・・・きんじえない?

ってどんな意味かわたし分からなくて」

「あー、それなら―――」

「禁じ得ないの意味は、

抑えることができないだよティファニー♪」


僕の説明を遮り、代わって説明をするのは

フェアリー。


「そうなんだ!ありがとうねぇフェアリー」

「えへ、えへへへへ。

どうもいたしゃいまして」


右肩に座る(ティファニー)フェアリーが

頭をなでられ破顔するほどの

気持ち良さそうにする。

わずかなろれつの低下した本音を漏らしているけど言わないことしよう。


「コホン・・・うらやむのは

いいですが、それは今は控えるです!

それにです・・・状況が安定すれば

ギルドや旅ができるようになれるですよ・・・貴方たちの夢だった

美少女やイケメンなどの

邂逅する機会があるはずです」


フタリが、真剣な面立ちで力強く一人一人に

視線を巡らし優しくアドバイスをする。

だけど内容が美少女とイケメンに会える

とかの真剣味がまったくない。

周囲だって困惑するに決まっているのに。


「・・・そ、そうだ!ここは異世界。

つまり俺はハーレムで・・・はははは」

「義理の妹が出来て・・・いや

俺のパーティメンバーは義妹ぎまいパーティだ!」

「わたしは百合の花が咲き乱れて・・・

フッフフフ」

「「「・・・」」」


ドン引きだ。欲望のまま妄想の言葉にして

気づいていないのかどんどん頭のおかしい

独白どくはくが加速して、いますよ。


「早くみんなで平和に歩けるように

しようぜ!」

おう!」「オーケー!」


俄然がぜんやる気になったで

なりよりだけど、それを言うのは

控えようね。

フタリが言葉巧みに操ろうとする話術も

スゴいけどこの人達の欲望忠実さはそれ

以上。苦笑しかできないなぁこれは・・・。


「フフ、おもしろい人達だね」

「女神のような笑みを浮かべるティファニー・・・わたしは、ヤバイ奴だなって

思ったけどねぇ」


ティファニーは、引かず優しい笑みを

他の人にも向ける一方で

フェアリーはドン引きしている。

こんな、騒がしくできるのも選択できる

ようになったからだろう。

教会に隷属されたときは苦痛のみ。

だが、解放した今では選択数が

膨大で漠然となることもあるだろう。

時には停滞される無駄な

選択の数々を得られたことに嬉しくって

普段よりも騒いでいるのだと、

窺えられる。

だって、僕もそんな体験をしていたの

だから。みんな幸せで楽しそうで

個人という自分らしさを

遺憾いかんなく発揮できることに

心に温かくなるの感じていると、入り口に

次々と、人が入ってくる。

よく見ればラフな格好の元異世界勇者で、たしか狩りをしていたはずなんだが?


「なにか、不穏な予感がするです」

「だね・・・伊達!」

「ああ、まずは事情を訊くんだな?」

「そう。なら早速、実行!」


フェアリーとフタリが僕の肩に素早く座ると

僕は急いで立ち上がり拡声スキルを

調整しこの距離でも届くレベルで尋ねる。


「どうしたのですか、急にあわてて?」


汗だくになっていた黒髪黒目の少年が

恐怖で震えていたがなんとか口を開閉して

ようやく伝えようとする。


「そ、それが・・・教会の奴等が

軍を率いてここに進行に来たんだ!」

「進行・・・わかった逃げ遅れた人は?」

「わ、わからない。けど、避難場所は

ここにするって伝えたんだ!」

「そうですか、ありがとうございます」


混乱していてうまく状況説明ができない

状態にあったが、教会といえば

十中八九じゅうちゅうはっくエデン教会かその関わりするだろう。そして

避難する場所をここに選んだのは

咄嗟の判断にしては賢明だと思う。


「それじゃあ、会議は中止で。

避難した人の治療と心のケアなどお願いします。腕に自信がある人は僕と来てください」

「「は、はい!」」「わかったぜ!」

「「了解しました」」「よしいくぞ!」


有事の際とはいえ行動は早い。

事前にフタリが有事の際にある程度の

迅速な指示が必要となかば強引に練習されたが、今になって練習してよかったと思える。

席を立ち自らの役目を果たそうと動きだす。

僕も腰を上げ移動しなければ・・・背後に

世界一、好きな人が裾を掴む。


「シゲザネ・・・生きて帰ってきて。

それと、無理しないでねぇ!」

「大丈夫だよ。最強のスキルや武器があるから。すぐに戻ってくるから」


ティファニー不安にならなくても

僕には最強を遥かの先にある力を持っていて

負ける要素などない。

刹那的な速度で門からおよそ

20メートル離れた場所に止まり

千里眼を使おうため

敵を索敵するためイメージを開始。

千里眼は、あらゆるものが見えることが

できる。しかし逆にいえばその膨大な情報は

求めた利用するには専門的な知識と

複雑で羅列な数を理路整然として

演算能力がしなければならない。

非常に使いにくいスキルだが

僕はそうでもない。

場所などの想像するだけで、

求める形にを導こうとする

超高速で作り自動的に完成させる

力があるそれは――

スキル想像自動構築。


「・・・すぐ目の前に来る。数は多い」

「ほー、ほー。もう固有スキルを使いこなせるようになったようだね。

わたしゃ、嬉しいよ・・・うぅ」

「バカなことしないでいいです!

味方をついてこいと行って

一人でできるなら片付ける判断・・・

まあまあです」


フタリの言葉どおりできるなら僕一人で

解決したい。万が一に最強の個でも解決

できない事態に備え、味方を頼る作戦。

作戦と呼べるようなものじゃないけど

少し雑だと自分では思っているが、

フタリは少し評価もしてくれた。

さて、そう考えているとこの山頂に

辿り着く敵の軍勢が現れ見えてきた。


「二体の妖精を使役し、その異世界人の

証をした黒髪に黒の目・・・

貴様が世界王と名乗る暗愚あんぐ

あるか!!」


今回の千里眼は、気配で知った。

その軍を率いる将らしき人が最前線に

立ち僕に尋ねる。容姿は二十代半ばくらいで

厳かな人だと印象を与える顔だった。

相手を絶対的な力と

傲慢で野望をいだく魔王を演じないと。


「ああ、そうだ。俺が・・・世界王だ!

暗愚とは、聞き捨てならないなぁ。

自らの失言に後悔することになろう」

「噂どおりの奴のようだな。

これからの侵攻に貴様は一切の攻撃は

許されない!」

「・・・・・なにを言っている」


どんな罵詈雑言で間違った方向の

憤怒をするのかと警戒していたら、

荒唐無稽こうとうむけいで支離滅裂な

要求をする指揮官だった。


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