レベル24 無双するレベル13万

エデン教会。この教会の宗派は新聖教しんせいきょうで人類では、正統なる教会で

唯一で一つしかない宗教。

もちろん一つしかないため

信仰者は人口数のほとんど。

聖典に載っていない独自な教えは異端と忌避され絶対悪と見られる。長い歴史が・・・

不可視のかせとなり変動していき

疑いの念など薄れていかせていた。

しかし疑問視する者が現れていたことは

あった、しかしいつの世も少数の考えを持つ者は、冷やかな目で

異端者の狂った教えと誰も耳をかかせずにいた。そのため新たなる宗派は、誕生しない。

新聖教は、数多の礼拝堂など各地に

置かれてその総本山がこのエデン教会。

身廊しんろうに歩かされる一人の

少年がいた。左右の背後には黒いロープ

姿の二人がその少年を逃走しないよう

中央に祭壇の前に連れていく。


「ほう、今回の異世界転生者か」


髭を長くお腹まであるその年配の男性に

新たに異世界転生者となった少年は

恐れ恐れ訪ねる。


「あの、これは?」

「はっ!この・・・通りです」


少年の疑問点には答えず

右にいた黒ロープ男が短剣を取り出し

少年の腕に目がけ袈裟斬けさぎり。


「痛っ!なにして・・・こ、これは!?」


軽傷を追わせる程度の攻撃が理解できなかった少年だったが、斬られた腕から

輝く粒子が流れていたことで、理解した。

これを見せるために斬ったのだと。


「くくっ、貴様は通常では

渡れない世界から渡ってきたのだ。

その渡ってきたというのは、貴様らの

憧憬どうけいしていた異世界召喚か転生・・・しかし

残念ながら貴様には人権などない。

この世界の人々のため戦ってもらう!」

「・・・・・・」


説明の要点に時間と状況などの配慮が排除された一方的ない摘まれた言葉。

そして、愉悦になる表情に少年は

嫌悪感を隠せずにいた。少年は転生してくれたことには一応だが、感謝はしていた。

乱暴で罵声のような言動は我慢できたが

ここまで見下されるとは思いもしなかった。

その表情を憮然ぶぜんとした表情に

教皇は、首を動かす。それは・・・やれ!

そう著しい指示だったのを少年は

振り返ようとしたが、背中を少し力加減した

蹴りを入れられうつ伏せで倒れる。


「忠告する。教皇様に反抗的な行動すれば

容赦なくこの短剣で・・・・・分かるな」

「ぁ――――――」


冗談の欠片もない本気だと警鐘が鳴るのを

感じさせる言葉。日本ではありえない

暗く抑揚もないただ実行させる・・・

そう認識すると、恐怖心で言葉がうまく

発せずにいた。


「フン、わざわざ来たというのに

こんな者か。期待できそうになさそうだな」

(ヤ、ヤバイ・・・なにをされるのか

分からないのが怖い!

命の危機を感じって怖い、どうして

ここにいるのか、どこなのか知らない世界に

場所が怖い・・・警察おねがい助けに!)


身体は震え誰を助けを心に叫ぶがもちろん

その声を届く人はいない。

嗚咽をしてこれからどうなるか・・・

すると、教皇の隣に寄る者がいた。

シンプルだが、上物なロープ姿の中年男性。


「そろそろ次のスケジュールが迫っている

うえ、お急ぎを」


助けるのか期待していたが違った補佐役

か・・・と絶望する。


「そうか。なら早く済ませねばならないな。

彼奴きゃつを押さえろ!」

「「はっ!」」

「ぐっ・・・なにをしようと」


抵抗しないよう二人に腕の上に片膝を乗せ

体重を入れられ動けなくなる。


「呪術により制限をさせてもらう。そして

貴様は晴れて勇者となれるのだ」

「・・・勇者?」


興味が引く言葉だが、ロクでもないことを

やろうとしている。指に禍々しい

おぞましい闇が光っているのだ。本能が

叫ぶ逃げろと。顔をうつ伏せるが髪を

乱暴に引っ張る二人の暗殺者。

呪術と呼ばれる光を指をひたい

触れようと――――


「そこの外道教皇よ、動くな!」

「ぬっ?」


声のした方にアサシンが補佐らしき者が

教皇が身廊の真ん中に佇む少年を見る。

声を発した少年は不敵に笑う。突然の闖入者ちんにゅうしゃに入り口から

天井から次々とアサシンが得物を構え

謎の少年を囲む。教皇はどこか聞いたことある声だと、思い出そうとするが諦め

補佐役の男は驚愕する。


「な、なぜ奴がここに・・・!?」

「フム、アドルフの知己であるか?」

「い、いえ。奴は・・・脱走した

異世界勇者でして稀代の勇者アーサー殿と

赴きこの目でたしかに奴は死んで・・・」

「クク、そうであるか案ずるなアドルフ。

異世界勇者は、呪いを掛けたのを

忘れたか?」


絶対服従させる呪術を解呪は基本的に

不可能。だからこそ呪いが解けたなどありえないこと。もし解けるとしたら

聖人クラスの回復魔法か術者を討たなければ

解放できない。それを理解した

アドルフ・カドルフは、狼狽から余裕の笑みへと変わる。


「そうでした。奴はこの呪いには抵抗が

できないの失念をしていました。

それでは、教皇は呪術のお続きを

あの狼藉者は、わたくしが」

「では任せたぞアドルフ」


シゲザネは、2度とここには来たくはなかった。だけど今、苦しんでいる人がいる。それに、犠牲になった同じ転生と召喚された人達の託された想いと力に答えるためにも。


「そこを・・・どけ!!」


拡声魔法レベル200の力をかなり抑えて

発動する声は響き渡りアサシンや

アドルフ、教皇を鼓膜が痛くなり

耳を押さえる。


「な、なにをバカなことを・・・なっ!?」

「あ、足が震えているだと!」


囲んでいたアサシン達は自分達が恐怖していたことに瞠目したのを、ロープを目深しているけど、なんとなくそんな表情をしていると

自信満々に思っていた。

シゲザネは、教皇に向けて歩を向かって進める。


(よし、気絶はしていない。あと絶対に

死人がでないように気を付けないと)


阻もうとする者は誰もいないと

思っていたが、一人だけ早く素早く立ち直り

刃を構えるロープ姿の男がいた。


(くっ、今だ恐怖が消えないか・・・

しかしこの短剣で潜んで攻撃はできる)


このエデン教会の暗殺部隊のリーダーの

名前はマーシャル。鋭い眼光には暗くそれは

静かな狩人だ。主に与えられる任務は

護衛する異端者や異世界勇者を

助けようと奔走していた運動家などの暗殺。

数多の人を殺め・・・この技術は誇れるものではないが、生きるために必要だ。

シゲザネが、絶好の暗殺場所まで来るのを

柱頭ちゅうとうの上で伺う

マーシャルは思う。


(あの男がどうしてここに・・・

解せないが、奴を暗殺すればいいだけだ)


シゲザネは、気づいていた。感知スキル

レベル300が自動発動して俺を虎視眈々こしたんたんと首を狙う者が。

触感でどこの部位が時間がなど情報というより直感に近い感覚で。どう対処しようかと

悩んでいると他とは違う立派なロープ中年

男性が囲んでいたアサシンの背後に立ち

指を向けてくる。


「フン、止まれ。どうやって生きたか

知らないがそこを動けば首と胴体が

離れ・・・えぇーい止まれと

聞こえないのか!」

「んっ、・・・っ!?お前は」


この中年男性は、見たことある・・・

ティファニーを魔力の道具として真の

勇者と呼ばれる連中に連れていかせ

僕を死を追い込んだ一人だ!


「おぉー、やっと効果が表れたか。

止まらなかったときは、ひやひやしたが

おい!お前ら奴を殺せ!」

「命のままに」


過ぎ去った怒りの炎が再び再燃する。

自分を殺害の一端の一人が目の前にいる。

そして、自分の死よりも恩人で好きな

ティファニーを・・・悲しませ泣き叫ぶ

姿を思いだす。


「お前だけは・・・・・」

「があっ・・・ハァ、ハァ。

な、なんだこの恐ろしいものは!?」

「「「っ――――」」」

「お前だけはここで、僕があぁぁぁぁ!!」


身廊、入り口と祭壇の道がクレータを作る。

強く蹴ったことによりできたのだと

周りが理解するのは後。

総本山だけは、あって通常の礼拝堂よりも

3倍以上の道がある。礼拝堂と言っても

ここは、今は賓客と話し合いや異世界勇者を

地獄の場所に過ぎないのをシゲザネは

知らない。破壊しないよう気を付けていたが

復讐心がまさってしまい冷静な判断が

できないでいた。

アサシンはその形相に怖じ気づき

動けずにいた。全力で拳を振るおうとする。


(三秒後に襲ってくる!)


手首から肘までの部分の右腕で振り返り

上空からの短剣の襲撃を防ぐ。


「チッ!なにぼっさとしているお前ら。

そんな程度の覚悟だったのか」

「邪魔を・・・するなあぁぁぁ!!」

「ぐっ!!?」


前腕のみの咄嗟のガードにマーシャルは

まるで鋼鉄を叩いているみたいだと

思った。そして、ガードしていた前腕を

強引に押されるのみで後ろに飛ばされた。

勢いが収まるのは遠くあった入り口の左に

ある壁に背中で激しく衝突で。


「ガッ・・・ゴホッ、ゴホ・・・これだけでこんなにも・・・・・」


暗殺者の頭は気絶する。その姿に掛けてくれた言葉に暗殺者は己の矜持を思い出す。


「こいつは危険だ!必ず仕留める」

「絶対にやる!かくじつにだ。」


暗殺者は短剣、鉄槌てっつい、弓矢

それぞれの得物をシゲザネを構え攻撃する。

しかし、暗殺者の攻撃など全て避けて

駆ける。ロープ中年男性アドルフの前に

たどり着く。


「ひいっ!か、神よ。どうかこのわたくしをお救いを」

「望むそんな神がいれば、ずっと前に

惨劇も叫びもなかっただろうけど!」


シゲザネは、拳を振るわず変わりに

ねこだまし。相撲や悪戯イタズラ好きな子供がやる両手を相手の前に

バン!叩き驚かせ目を閉じさせるもの。

しかしそれを全力で叩いたシゲザネの場合は

強い風が吹き荒ぶ。荒れ狂う風にアドルフの体は回る。上にゆっくり回りながら

近くにいた暗殺者は飛ばされるが

ケガはない。嵐が収まりアドルフは転落する。高さは六メートルぐらいだろうか。


「ぐはぁ!きもちわるい・・・おえぇぇ!」

「「・・・・・」」


超高速に回されたアドルフは、嘔吐おうとした。涙目になってその姿は見ていられない憐憫れんびんな感情をさせる

ものだった。手を叩いてちょっとした嵐を

生み出したことに暗殺者は呆然としていた。


(あの、アサシンの勇姿がなかったら

この人を殺めていたかもしれない)


振り返り倒れるマーシャルを一瞥いちべつするシゲザネ。もしその行動をしなかったら、全力であの人を拳を振るっていた。

そうしたら、何が起きたか・・・

そう思い留めることが出来なかった事を思考を巡らすのを中断してシゲザネは、

少し早く全力を出さないよう気を付け走り

教皇の背後に立つ。


「チェックメイト・・・で伝わるか教皇」

「・・・教皇を殺してなにをするつもりだ

貴様は。ここまで虚仮こけにされて

その心は満たされたか」

「・・・思ったより余裕綽々よゆうしゃくしゃくだな。俺がその気になれば

あんたは滅ぶ!」

「フン、そんな脅しが通じると思っていると思っているのか?愚者だな本当に愚者よ。

わざわざそんなことする意味が

ないだろう。するなら、話などせず

殺害している。違うか?」

「・・・・・・」


そう。教皇の言う通りだ。殺害なんて

したくない。話し合いで解決ではなく

力を示せれば要求をすぐに飲めると思ったが

感情が爆発してアドルフをもう少しで

亡き者にする所だった。それに教皇は、

海千山千うみせんやませんしたたかであったことが驚きだ。

なら、もう少し魔王や勇者をごちゃ混ぜに

した振るまい方を本格的に・・・と

次の手札を結論するシゲザネ。


「その頭脳明晰でありながら教皇、問おう。

その力をありながら何故、異世界勇者など

奴隷を作った」

「まさか、そのために来たのか・・・

前に言ったはずだ。この世界の人を

救うため貴様らにはその犠牲となって

もらうと」

「・・・そんな言及もあっただろうが。

しかし、それだけではないはずだ。他にも

目的が」

「あるが、くだらない事だ。教会の信仰者を増やすには人を救うことである。そのため

信仰には興味がない異世界を使うのが

効率的で有効性があったぐらいだ」


本当にくだらない事だった。別の目的があるのだと訊いたらまさか、信仰者の獲得も

目的の一つだったことに。

確かに日本人は、無宗教がほとんどで

文化が発展して神や仏の信仰は減っている。

熱烈の信仰者はたとえばキリスト教など

長く信仰して急にこの異世界で宗派を

変えようなど無理だからって。

倒れていた少年は立ち上がっても一瞥し、そして無視。暗殺者が最優先度がシゲザネに向けたから。

そして、シゲザネと教皇の話は続く。


「なら、問いを変える。俺を亡き者に

しようとしてティファ・・・

赤髪あかがみの少女を道具にしようとしたのは!」

「それは、たまたま脱走した異世界勇者の

決起を起こすのを阻止するためであり

赤髪の少女は知らん。赴いたのは

この神聖な場所を汚すバカだ!」


教皇は、リバースを続けているアドルフを

嫌悪な眼差しで向ける。この男も嫌いなのか

悪人は悪人が嫌いってことかな?と

無理に強引な結論するシゲザネ。


(話を聞いてティファニーを連れていたのはこのアドルフか。そして真の勇者・・・

この教皇はただ行けと命じたのみ。

なら、訊きたいことはないか)

「そうか。なら話は終わりにさせて

もらう。」

「・・・なにをするつもりだ貴様」

刮目かつもくせよ!俺の剣を」


シゲザネの右手から、光が溢れる。

強い輝きに目を閉じ腕で光を妨げようと

する。光が収まり目を開き皆は驚く。

黄金の剣が黒の装飾された逆に

漆黒の剣が黄金の装飾された見方もできる

光と闇を一つにした剣が顕現する。


「そ、その剣は、エクスカリバー・・・

いな、その禍々まがまがさはなんなのだ!」

「名前はまだない・・・これは、真の勇者

アーサーの剣と魔王の剣を合わせ

融合した剣だ」

「!?な、なんと」


教皇は、目を見開き驚く姿を暗殺者は

戸惑う者と恐怖する者と反応する。

言うなら今かな?なるべく厳かを意識して。


「最強とわれた勇者と魔王は

もはや過去の話。この世界王の前で

倒れた。異世界勇者を奴隷とした

行いは今日限り!」

「世界王・・・所詮は領土と支配者としての目的なわけか」

「違うな!教皇。俺は苦しんでいる者を

救う。そのために来たのだ!」


僕は教皇を肩に触れ解除スキルの権限を

強奪し起動させる。効果範囲を僕の

レベルオーバーを加え広めさせ呪いを

解いていく。咄嗟の行動に動けずにいた

教皇は、なにをされたのか理解していない。

それはそうだ。ある意味最強スキル

時間停止レベルXで時を停めたのだから。


「忠告する教皇。次に新たなる異世界勇者

をこの世界に召喚、転生すれば

この教会も都市は火の海になる」

「・・・・・」


まぁ、ハッタリだけど。阻止するのはこれ

ぐらいしか思い付かなかったから。


「そして、異世界勇者の身柄は全て

こちらに保護させてもらう。ちなみに

これは頼みではなく命令だ!」

「・・・・・それで、どうするのだ貴様は

なにをするのだ?」

「・・・この世界王は、なにもしない。

理不尽な戦い、悪行には介入するだけだ」

「好きにするがいい」

「ああ、そうさせてもらう。そして

命令には絶対に従うこと。・・・・・

もちろん今いるこの異世界に来た彼も

連れていく」

「言ったはずだ好きにしろ」


話は終わったと暗殺者達にいくつか命令をして、マーシャルとアドルフを連れ

ドアに入って消えていく。教皇は祭壇の奥に

ある隠し扉を開き去る。色と形など

壁と同化していて見分けがつかない隠し扉。

それは、さておきこれでのかったのだろうか

分からないけど平和的に解決した。

倒れる異世界に飛ばされた人に歩を進み

前に立つと僕は手を差し伸ばす。


「僕はシゲザネ。日本生まれの

伊達成実だてしげざね。ようこそ

異世界へ・・・混乱したと思うけど

今から安全な地に行くから

安心してほしい。」

「は、はい。ありがとう。」


伸ばした手を両手でしっかり握りブンブンと

嬉しさが伝わるはくしゅに苦笑がつい

浮かべてしまう。満足して、手を離し

キラキラした目を向けて言うのは


「俺の名前は夏目広次なつめひろつぐ。まさか、夢に見た異世界にこられて

最高!」

「それは・・・難しいかも?」


呪縛の人生はこうして完全に終止符を打った

・・・と安堵するシゲザネ。

しかし、これで終わりでなく、

新たなる戦いの始まりとなる。





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