レベル19 喪失して気付く宝物

わたしは、またも家族を失った。

最初は父が。

咳が日に日にひどくなのが理由だと。わたしと母は泣いた。

そのときの

わたしまだ5歳でその記憶だけは

今でも鮮明に覚えている。


5年が経過して

母が仕事の帰りに馬車に

はねられたの亡くなったのを親戚が

自宅にいるわたしに報せた。


両親が亡くなり悲しむ時間はなく、

わたしは小さいながら働きました。

苦しかったですけどやりがいも

あった。

わたしが作ったパンを美味しそうに

食べるのを見るのが嬉しかった。

誰かのために

作ったことが笑顔になって

くれるお客さんが。

わたしは誰かのために

嬉しそうに笑うのが

好きで生き甲斐になりました。


そして、7年が経ち17歳という

立派な大人になり

結婚できる年齢で色んな人から

求婚された。

せっかくの勇気を振り絞った言葉。

わたしになんて嬉しかった

ですけど、断りました。


わたしはその人を好きですけど

なんていうのか、わ

たしの両親や時々、目撃する恋人の

ような好きが知らないのが

大きな理由。

初恋というものも知らない。

おそらくわたしは一生、

恋しないで人生を終えるのだろう。


ある人の出会いで

これが初恋なんじゃないか考えた。

その人は恩人で力尽き倒れた。

急ぎ村の唯一の病院で

治療したのですが

ベッドが空いていないことなので

わたしは自分の家でその人を

亡くなった

父のベッドで横にさせると、

必要な物を

買って看病しました。


(この人は恩人なんだから、わたしが

助けないとね!)


そう自分にやる気を

起こして仕事は早く終わらせ

すぐに帰って目覚めるまで

椅子に座って見守ることを続けた。


ようやく目覚めた恩人。なんだか

なにかを怯えたような表情でした。

起きて知らない人の家なんですから

当然でしたので、

いつもよりも優しく声を掛けました。


完治するまで家に使ってと

言ったのですが

慎ましい人で丁重に何度も断り、

遠慮しないでと言った。


後からなってどうしてこうなったのか

口喧嘩になっていきました。

恩人の名前は

ダテ・シゲザネでとにかく

慎ましい人でした。

毎日、食事して話して家事を手伝って

くれて素敵な笑顔で・・・

楽しかった。

旅行や買い物もいい思い出でどれも

宝物のような大事な思い出。


完治してもあと、一日だけ居たらどう?

なんてそんな似たようなやりとりを

していると、いつの間にか言わなくなって

シゲザネの帰る場所になりました。

それを職場で話すと―――


夫婦じゃないの?えっ、まだ!?


事実上の結婚だよねこの状況って。

わぁー、○○○○○○だけは、結婚しないと

思っていたのにーーー!?


そう言われたので否定しました。

わたしは、恋を知らない・・・でも

シゲザネが笑うとドキドキして

他愛のない話するとフワフワな

気持ちになる。


・・・なぜかこれは、

誰も言えなかった。特にシゲザネには。

シゲザネと一緒に暮らすようになってから

毎日が楽しくって仕方ない!


だけど、もうその毎日は来ない・・・

2度とシゲザネには会えなくなった。

シゲザネが殺害されるのを目にして

泣き叫びました。


でも、うるさいと怒った

勇者の人達の一人に拳を受けました。

痛かったはずだけど心の方が痛くて

痛みは分からなかった。


縄で口を気付く縛られ叫べなくなった

わたしは魔力の消費として使うよう。

勇者達が夜営すると、わたしはずっと

空を見上げました。


苛立った女性がわたしに

無理やり食事を入れられ食べ勇者達は

テントで寝るわたしは外で地面の上で

ずっと・・・ずっと・・・しかばねの

ようになにも考えられず、ぼっーと

朝までしているのを勇者達が

不気味がられ、心配そうにする人は

いました。


わたしも亡くなったら、シゲザネに

会えるのだろうか、

そうだとしたら早く亡くなりたい!

そんな破滅な願いをするほど

追い詰められるティファニー。


どこまでも暗いそれは、深淵のように

底が見えない暗い感情で支配される。



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