レベル18 究極を越える力

レベルとスキルなどは、基本的に見ることができない。魔法などで確認は出来るが、

それを使用しなくても知ることができ

既知となっている。


漠然とかではなく既に勝手に明確な情報が頭の中に入っているような、そんな感覚がする。

その明確な情報は、

自分の一部のように

完全な知識としてなっている。


そして、かつて勇者として否応なしに

戦わせた皆のマナの残滓となって安息な

会話していた人達と邂逅できたことにより

集束して新たなる身体を

託されたことで認識する。


二度目の転生に今の僕

レベルが異常なことになっていた。

レベル130000・・・

13万になっていた。


(最大レベル999でこのレベルは

一体・・・数多の想いと願いによる

奇跡のレベルかもしれない・・・)


そうだとしたら、この絶望を乗り越えれる。


「神様、どうか我らに導きの御言葉を」

(そして、神として崇拝されている

この状況をなんとかせねばいけないの

だけど、どうしよう)


突然の拝まれしまい戸惑っていると、

俺の目の前にピンクの粒のようなものが

集まり・・・妖精が現れた・・・。


「最上位精霊を創り出すとは・・・

この目で歴史的な光景を見れるとは!」


神父さんは、感極まっていることを察するに

とんでもないことを

成しているのか・・・


だけど、俺はなにもして

いないのだが。

滞空する妖精の容姿を改めて見ると、

桃色の脚までも届きそうな髪に

薄いピンク色のはねと袖が手首まで

あるピンクのワンピース。

閉じていた目をゆっくりと開くと

愛嬌が溢れる桜色の瞳。


「御主人様。お名前をつけてください」


鈴の音のような声だった。物静かで淑やか

そうな態度に見えるのだけどなぜか

違和感が覚えているのは気のせいだろうか。


きっと、そうだな初対面だし。

えーと、名前をつけてほしいと言っていたことによると、スキルの1つ〈手助け妖精サポーター・ピクシー〉による顕現かな?転生の膨大情報量にあったけど

このスキルだけは、唯一ハッキリ知れなかったスキルで妖精が現れると認識していなかった。


「うーん、・・・こう未知だと異世界感が

あって、嬉しいけど急いでいるから

フェアリー。名前はフェアリー!」


妖精なので、フェアリーは安易で少し

申し訳ないがゆっくり

悩む時間も惜しいので

あの妖精には諦めもらってほしい。


後で、好きなことを奢るし遊ぶからと

心の中でそう謝り決めていると妖精は

眉にビクッと

顰めようしているのをなんとか

表情を変えないように

見えた気がした?


「・・・確認なのですが、フェアリーで

本当によろしいですか?」

「えっ?あ、ああ!いいよ」

「・・・今なら変更できますけど

本当によろしいのですか?」

「ああ!変更はしない」

「後になっても変更はできない鬼畜な

規則なのですが本当に・・・

真に考えるべきですが、

よろしいですか?」

「・・・・・え、えーと」


これ、絶対に認められないからなぁ!

なんて圧力を感じ冷や汗が流れる。

だが、僕はティファニーを

救いに行かねばいけないんだ。

こんな場合じゃないから。


「悪いけど拒否は認めない」

「・・・わかりました。ハァー」


抵抗はあきらめてくれたようで

項垂れるピンク色の妖精。・・・あの

違和感って淑女然としていた違和感か!

理解するとうやむやがなくなりスッキリ。


「僕の・・・えーと君は手助けして

くれるってそう認識だけど、何をしてくれるか訊いていいかな?」

「うん、そーだね。わたしは伊達成実だてしげざねのスキルを一部、譲渡してくれたら手助けや相談など多様できる万能妖精なんですよ。ふふ、わたしスゴくない!」


そう目を輝かせ自画自賛する妖精。

・・・あれが素だ完全に。

あれ?今の言葉に俺の名前を呼んでいた。

しかもフルネームで。

ちがう、スキルの一部譲渡にここがどこか

そしてティファニーもどこか分からない

この状況を相談役としてなにか

教えてくれるかもしれない。


「フェアリー相談したいんだが・・・

えーと、ティファニーという女の子の所に

行きたいのだけど、そうだった!

ティファニーは――」

「あっ、大丈夫。伊達の記録から知っているから赤い髪の美少女で意中の相手だよね」

「・・・・・そ、そうだ・・・」

「プッ、あっはは!取り繕っても

分かりやすい反応!」


腹を抑えて大笑いの妖精。じ、時間がないから意中の相手と肯定して恥ずかしく

なってきた。


「そ、それより教えてほしい。

早くしないと・・・・・」

「そうだったねゴメン、ゴメン。

それじゃあ、早速だけどスキルの千里眼と

テレポートと飛行を行使していいかな?」

「え?あ、ああどうぞ」

「許可を取ったのでわたしの華麗なる

姿に見よぉー!」


そう言って手を広げると、正四角形した

中央に球体のみの白いのが二つ出現すると

フェアリーは、その二つを両手で操作を

始める。その球体は光が増減する。

見ていてなにがなんだか分からないのが

カッコよく見える。あの飄々とした妖精が

知的に錯覚するから驚きだよ。


「準備はできた。千里眼、または

フィールド・マップだけどティファニーの

場所が分かったよ」

「それは、本当なのか!?」


すぐに場所を発見したと報告する

フェアリーに信じられず問うと

不機嫌になっていく。


「心外だな。わたしだからこそだよ」

「ご、ごめん。でもすぐに分かったから」

「いいよ、軽い冗談だから。それより

後は伊達の固有スキルを使わないと

ダメかな」

「・・・なにか問題が?」


固有スキルという言われても新しい

スキルには、そんな名称のはない。

僕が疑問を顔に出ていたのかフェアリーは

操作する手を止める。


「わたしが勝手にそう呼んでいたから

分からないよね。想像自動構築そうぞうじどうこうちくというスキル」


そのスキルなら、確かにあるけど

字面通りのスキルではないのが残念な

スキル。複雑な術式など想像すると

そのイメージしたことを使用するため

自動で術式をやってくれるもので、

想像するだけで、なんでもやってくれる

わけではない。地味なスキルだと思うけど。


「その、スキルを使えばいいのか?」


その質問に縦に振る精霊。


「うん、今から映像を見せるからそこを

イメージするだけでいいよ」

「わ、わかった。イメージだけ・・・」


操作を始めると別の正四角形が出現。

それをスマホの画面の横に滑らすフリックするフェアリー。僕の前に移動してちょうどいい位置で止まる。何気なくスゴいよそれ。

そんなことを思いながら映像を見る。

そこは、山のふもと。


「イメージ言うより見るだけで

いいんじゃないかな」


ついそんな呟くとフェアリーは

半目で画面を目を離さずに口を開く。


「あー、そうだね。それで

いいんじゃないかな?」


なんだか、投げやりだと不安だけど触れるのはやめて見続けイメージする。


「それじゃあ、行くよテレポート」


・・・・・・一瞬、黒一色からイメージ

した。もとい、あの映像にいた空中で。


「うわああぁーーー!!?高い高い!

落ちる、落ちーーるーー」

「飛行スキル発動しているから

落ちないよ♪」


フェアリーがのんびりした声音。


「落ち・・・落ちない?

スゴい浮いてる!」


そう浮いてる。視線を上げると僕達より

高い山頂が見える。圧巻の一言。


「あの、山頂に向かっていますよ

ティファニーを連れて行った連中さんは」

「・・・そうなのか」


あそこに行けば先回りになるだろうか。

いや、そんな所より一直線に進んで。

体は、飛行したことないが頭では知っている

それを頼りに進めば。足に力を込めて

放ち景色が見えないほど速度。

そして地面にぶつかる。


「あぁー、勝手にそんなことして」


クレーターではなく大穴を作って底にいる

僕の上に瞬間移動、テレポートをした

フェアリーが嘆息をする。


「いいですか?焦ったらダメですよ。

補助魔法なしで」

「補助魔法がないと

こうなるのか・・・

でも怪我、痛みはない?」

「そんなの規格外すぎるレベルの恩恵でしょうねぇ。レベル999でも、少しは痛みは

ありますからね」


指を振って教えてくれるフェアリー。

それにしても、指と同じくらいのサイズの

妖精の翅が動いていないけど、どうして

だろう?・・・いや、今そんなこと

じゃないだろ!僕は救いに来たんだから。


「教えてくれるのは、ありがたいけど

僕はいかないと!」


立ち上がり同じ方法で飛ぼうとする。


「まて、まて!そんな力を入れなくても

飛べるから。そうしないと何処に行くか

分からないから!」


「・・・わかった。力をそんなに入れず」


ジャンプするように、地面を軽く蹴ると

恐るべき速度。だが、大穴から抜け

滞空する僕。そして、肩にテレポートする

フェアリーがサポートする。


「力もレベル5000に変更したよ。

そうしないとティファニーも巻き込まれる。

けど、このレベルもフルで放つと

伊達が救うべき者を失うから

そこは、気を付けてねぇ」


はねのような重たさの妖精は

力を加減するよう注意する。

言われた通り、あの大穴のような力を使うと

なれば、巻き込まれる可能性が高い。


まさか、このチートレベルが脅威に感じるなんて、そのためかレベルを下げてくれた

フェアリー。これなら少しは大丈夫

だろうか。不安があるけど。


「後は、千里眼を使い方は分かるよね」

「知っている・・・知識としてだけど」

「うーん・・・返すから今から

発動してみて」


右の正四角形をパン!と強く叩く。

これが返却方法なの?なんたが雑だ。


「ほらほら、早く使って」


急かされたので、千里眼を使用。すると、

僕の前に1メートルもある高さの白の

透明地図が現れる。


「これをどうすれば?」

「ちなみにわたしは見えないけど

自分の位置と探す相手の名前を入力すれば

表示するよ。あっ、あと伊達の国の

言葉で可能だから安心してね。そこは」


まるで、スマホの地図アプリみたいだな。

地図の方はファンタジー感がある。


「これはえーと、しんそうざん・・

呼ぶのかな?」

「ええ、天さえも届くと謂われるほどの

標高を誇る・・・けど、そんなのは誇張。

天を届くなんて、どこまでの高さを

明確的に表していないのに

よくそんなことを大言壮語ですね」

「い、言いたいこと分かるけど・・・

夢とか、空想を抱く人がそう広めたじゃないかな?たとえ、大言壮語でも・・・

えーと、名前を入力だったかな」

「はい。伊達の元の世界と同じ方法で。

地図アプリのように検索すれば

地名どころか伊達なら人やモンスターなど

居場所とか瞬時に表示しますよ」


ティファニーと検索すると、妖精フェアリーの言う通り近くにいた。山頂のあと一歩の

距離をゆっくり進んでいたのだ。


「ティファニー!よかった・・・

生きていたのか、本当に・・・よかった」


安否の確認をしていなかったので

頭の隅にもしかしたらなんて考えていて

無理に奥底に隠していたが、

こう動くのを見て嬉しくなり涙腺から水滴を流れる。落ちた涙は地図に当たらずすり抜けて地面に落ちる。僕、以外には触れられないようになっているかもしれない。


「まだ、終わっていませんよ。

ここからが本番なんですから!」

「そうだった・・・ありがとう。

よし、後は向かえばいいんだよね」

「はい。それとわたしは眠らせて

もらいます」


フェアリーがそう言って賛同――

をしなかった!?


「ど、どうして急にそんなことを?」

「活動時間の限界ですね。生まれたばかり

だからすぐに睡魔が襲われるわけよ。

だから、後は一人で頑張ってねぇ」


目を擦りながらも、説明してくれる

フェアリーの姿にきっと限界なのだろう。


「わかった。フェアリーが目覚める頃には

ティファニーと待っているよ」

「うん。楽しみにしているよ」


全幅の信頼された笑みでそう手を振って

下から上に粒子となり空気に

流れていくのだった。

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