レベル11挑むクエスト

早速、クエストを受注した。

内容はこうだ。

このミスト村の北部にゴーストジャングルに

レイジムフロンが活発化しているので

討伐してほしい。

何体討伐したかで裁量で報酬を出し

ギルドカードを提示すれば詳細に

記されます

・・・って、説明してくれたけど、

よく分からない。

なので、とりあえず倒し報告とカードを

見せればいいだろう。

僕とティファニーが住むのは

ミスト村のようだ。

村の周辺は、街道が広く繋がっていて

モンスターは、頻繁に倒されていて

安心だと、ギルドのお姉さんが説明

していた。

そして、北部に進むと密林があり

そこが目的のゴーストジャングル。


「・・・あっ!ここがティファニーと

出会った所だったのか。」


そこを僕が入るとサバイバルウルフが

大きな馬車を襲った場所だった。

襲われる人々に剣で立ち向かい

気を失いティファニーに助けられ

救われた場所だ。


「・・・不謹慎だけど、あれがなかったら

僕はただ、生きることでいっぱいで

先の事を考えることなんて

無かったよなあ。」


まさかの想い出の場所が初のクエスト場所に

なるとは・・・なんだか縁があるかも

しれない。


「よし、とりあえずソロプレイが

信条としている僕としては

いつでも逃走できるように深く

入らず倒すとするか。」


勇者時期に装備していたボロボロの

剣の柄を握り抜き徘徊していると

すぐにモンスターを見つけた。


「おぉー!

これは・・・RPGでもファンタジーでも

欠かせない有名すぎるモンスターの

スライムだ!!」


全体の色は青いの動く粘液。

飛んで移動する姿に保護欲をくすぐるほど、

かわいい。

実物は思たより癒されることに驚きだが

モンスターだし、倒そうか悩んでしまう。


「・・・クエストに関係ないから

ほっておいても・・・でも、触るぐらいならいいか。」


どんな感触がするか、誘惑に負けて

近づくと、気づく。

警戒すると思ったらこっちに近づき・・・

スライムの体当たり。


「わぁっ!

・・・や、やわらかく気持ちいいだと!?」


まさかの不思議のほどよい弾力に

驚愕した。

スライムは、少し距離を取ろうと必死に

ジャンプするのだが、

スゴく隙が大きく遅い。

それが・・・。


「応援したくなる!」


頑張っている姿に和んでしまう。

今までこんな和む戦いはなかった。

そして、距離を取ると近づき攻撃するため

戻った距離を跳躍していく。

そして、体当たり。

僕の足下に癒しがくる。

どうしよう、すごくペットにしたい!


「いやいや、仮にもモンスターだ!

触るだけで満足しないと。」


そして、思う存分スライムを触る。

本当に不思議だった。

水が固まった感触としか形容しかない。

そして、満足した僕は本来の目的を

探すため走る。

スライムがついてこられたら困るので

走る。

そして、目的のモンスターを発見する。


「レイジムフロンの絵を見てどこか

見たことあると、思ったけど・・・

これって、僕の世界にいた

ムフロンだ。」


ムフロン。

ヒツジ属の動物で角の二つは

後ろに向かって下に曲がっていて

とてもこれで攻撃できると思えない。

その前に酷似し過ぎだ。

その前に本物は見たことないけど。


「いや、RAGEレイジとなると、

激怒、猛威の意味か。」


見た目とは違いもしかしたら凶暴だろう。

まずは、死角による魔法で攻撃しよう。


「いかずちよ、トリプルサンダー!」


親指、小指以外の指を向け魔法詠唱して

三本の指からいかずち放つ。

中級雷魔法。

僕がよく使う魔法で

高威力と高速の三つの雷は、

酷似ムフロンを命中する。

そのあとすぐに木に身を隠れ

次の酷似ムフロンのアクションを待つ。


「・・・?」


なにも物音がないので恐る恐る

見ると・・・なんと倒れていた。


「・・・えっ、もう

倒してしまったのか!

どうして?」


答えは一瞬で理由は明確すぎた。


(忘れていたけどギルドの人の言った

じゃないか。

僕のレベルは100を越えている。)


この世界では、最大レベルが999で、

僕はそこそこ高いレベルで

上位ジョブになるわけで、

そして一撃で倒したとなると、

ここの密林は初心者向けかもしれない。


「そうだとしたら、早く倒して

報酬を多くゲットできる!」


慎重に戦闘するスタイルから見つけたら

即攻撃とチェンジする。

30体倒すと日が暮れる。


「よし、今日はこれぐらいにするか。」


振り返ると

倒れる酷似ムフロンの数々・・・

これどうすればいいんだろう?

とりあえずギルドの人に聞くとしよう。

そう言うわけでギルドに入り

受付にいる別のお姉さんに訊く。


「それでしたら、剥ぎ取るか

ギルドに報告または、放置です。」


放置でいいの!?


「そうなのですか、

それじゃ、報告はどうすれば?」

「カードを提示してくだされば。」


ギルドカードを渡すと

裏を指で押してなにか確認すると・・・。


「さ、30体!?

スゴいですね。」


驚く受付の人。

もしかしてギルドカード裏には倒した

モンスターの詳細が分かるのか、

そうだとしたら

声を積極的に掛けてきたお姉さんの

あの説明も理解できる。

報酬を結構な額を手にして

ティファニーの家に走って帰る僕だった。



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