レベル2現実世界の終わり

東京どこかの高速道路の車内で

僕は文学作品を読んでいた。


どこかという抽象的なのかは、

本を没頭して興味がないからである。

前の席は父さんと母さんの二人。

二人とも会社員で別の会社で働いている。


いつかは、僕も会社員の一人になって

ひしめくビジネス街で

毎日そこで通勤して

そして、夢や目標などが

諦観していくのだろう。


小説を読んだ知識と僕の人生経験で

そう結論している。

まあ、高校生の僕がそう考えているだけ

で、実際になってみないと

分からないだろうけど。


「・・・あの車、寄ってきたりして

危ないな!」


父さんは、少し苛立ちの声。

母さんも怒りの声音。


「本当ねぇ、これって、煽り運転いう

じゃないかしら?」


僕は二人の後ろ背中姿しか見えないが

おそらく、怒りと恐怖の合わさた表情

しているだろう。


だが、おとなしくするしかない。

こんな危険運転するのだから

下手に刺激すると暴力・・・殺害されるかも

しれない・・・。


相手が飽きるまで堪えるしかない。

本を閉じ、僕はどうすればいいか

考えるが・・・いい案が出てこない。


こういうとき、

ラノベ、アニメの主人公なら

すぐに解決するだろう、

僕は解決策なんて出てこず、

頭が落ち着かないし、なにより・・・怖い!


煽り運転するワゴン車は

強引に速度を落としていく。

そして高速道路で停車するので

仕方なくこちらも停車。


ドアが開き降りてくるのは

中年のチンピラだろうか?

その中年は無精髭で髪は

下品に染めている。

ここまでヒドイのは初めてかもしれない。


ブサイクとかではなく、

恐怖心を与えようとしている

その魂胆が著しく伝わる。

単純で醜さの闇が垣間見る。

そして分かりきっていたが

その性格も汚かった。


「おい、出てこいよ!」


ダミ声で怒鳴る。

ガラスを拳の甲で

乱暴に叩き怒声と鋭い視線を

容赦なく向ける。

父さんは、振り返り俺に落ち着くんだぞ!と

優しく言うと。


成実しげざね

危ないから外に出るなよ。」


「・・・う、うん。」


ちから強く父さんの言葉に少しは

落ち着いた。・・・それでも手足が震えが

止まらないけど。

次に父さんは、母さんを頼む。


「証拠を撮ってくれ!」


母さんは、この省いた言葉を動画などで

証拠を撮ってほしいと理解し、

スマホを過激な男に向ける。


男は一瞬だけギョッとなり車に入っていく。

諦めて逃げていくのか。

そう安堵つかぬ間に白いワゴン車は

バックして、衝突。


「うわああぁぁぁ!?」


僕は悲鳴を上げる。

そしてチンピラは、前に走っていく。

最後にぶつけて去っていくのを僕は

この理不尽に怒りが沸々と溢れてくる。


(なんだたんだよ。先のは!?)


せっかくの休みなのにこんな目に

あうなんてどこにこの

怒りをぶつければいいんだ

この怒りは・・・。

父さんは一度深呼吸していつもより明るく

言う。


「危なかったけど、無事でよか――」


途切れた理由は、背後から強い

衝撃が起きたから。

ドーーン、ガシャ、バァン!

恐ろしい轟音が連続に起きていく。


そして僕は、体を前に飛ばされる。

・・・・・・気づくも感覚がない・・・

やけに重たくなったまぶたを開くと

近くに血塗れで倒れる父さんと母さんの

姿が・・・・・・


「あ・・・ああぁ!」


前の席では、父さんはフロントガラスに

上半身外に出てしまい

母さんは窓の破片で頭など当たり

酷い有り様だった。


「アァァァァァァァァァァ!!?」


声が出る力がなくなっていく。

背後を振り返るとトラックが倒れていた。


(どうやら衝突したのはトラックなのか。)


運転手もガラス破片やハンドルに強く

頭を打ち出血し気を失っている。

そして僕の意識は遠のき始めようと

している。どうやら

終焉が理解もなく唐突に迎えようと

している。


(どうして・・・なんだ。

どうしてこんなことになったんだよ!?)


17年の人生が両親の亡骸を見て

自分も大量出血でくなんて・・・

いやだ!イヤだ!いやだーーー!!


強く抵抗する心があっても

現実は身体や意識も

奪っていき・・・・・

そして頭は霧ががっていき、

まぶたの圧に負ける。


閉じたたぶたは、無限の闇に堕ちていくのを

感じて僕の人生終わる。

・・・ヒドイ終わりだったな。










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