第437話澪、瑠璃、千早のあらすじ&次回予告
「「はぁ〜」」
「えっと……どうしたの二人とも?」
「あっ、千景ちゃん。今回は千景ちゃんと一緒なんですね。体調はどうですか?」
「ありがとう。一応大丈夫よ瑠璃さん。えっと……むしろここに居ると元気みたい?」
「ああ、ここはあっちとは違うからな」
「あっち? あっちって何!? そういえば私今どこに居るの!?」
「まあまあ落ち着いて」
「その内慣れる」
「これ慣れたら駄目な奴だと思うのだけど!?」
「初っ端から飛ばしてるな」
「病み上がりなんですからあまり興奮しない方が良いですよ?」
「誰のせいだと!? はぁ〜、まあいいわ。それで二人はなんで溜め息吐いていたの?」
「……ウチの問題児がまた消えた」
「あぁ……異世界でも変わらないのね……」
「そうですね。一旦死のうが異世界だろうがハーちゃんは何処でもハーちゃんでしたね。まあ、そこがハーちゃんの良い所なんですけど」
「瑠璃さんも相変わらずね。それで、何処に行ったか見当もつかないの?」
「お前が目覚めたからてっきりあっち方面の話しが進むと思ったんだが……」
「ですね。でも、そうだとしたら王都にしても、聖国にしても、そんな面倒な所に進んで関わるとは思えないんですよね」
「確かにな。せっかく肉壁……じゃなくて。英雄候補を育てたんだからまずはアベルを放り込むだろうからな」
「ねぇ? 今、肉壁とかなんとか言わなかった?」
「ですよね。と、なるとやっぱり違う所なんですかね?」
「聞こえてるわよね!? 無視して話進めないでくれない!?」
「「まあまあ」」
「なだめられた!?」
「まあ、あれだ。英雄候補ってのはハクアが受けた依頼で出会った奴らだな」
「その人達、というかその中の一人はハーちゃんと同じ転生者だったんですよ」
「この世界、転生者も居るのね」
「ああ、結構居るらしいぞ」
「ギルドにも偶に来るらしいですよ」
「そうなのね」
「ああ、それでそいつ等があまりにお粗末過ぎて、色々とあった末にハクアが育てる事になったんだ」
「その途中で千景ちゃんも見付けたんですよ」
「そうだったの。私は本当に運が良かったのね」
「確かにそうだな。ハクア以外ではあの呪いはそう簡単に解けなかっただろうしな」
「ゾッとするわね」
「そして、そうやってそいつ等を鍛え上げやっと一人前になった矢先にお前が目を覚ましたんだ」
「なんだかんだでちゃんとあらすじ紹介になっちゃいましたね」
「そうだな」
「あらすじって? えっ、何?」
「「気にしない気にしない」」
「本当になんなの!?」
「でも、本当にハーちゃんは何処に行ったんでしょう?」
「うーん。わからん。って、なんだこれ、手紙が落ちてきた?」
「なんて書いてあるんですか?」
「あーと、一枚目が一言『借りてく』だな。誰の字だ? 見た事ない筆跡だな。二枚目が……ああ、だから居なかったのか」
「「????」」
「二枚目はテアと聡子だ。内容は『白亜さんは一人にすると大変な事になるので、私が見ておきます。ご心配無く』と、その下に『面白そうな予感しかしないから行ってきます』だそうだ」
「聡子さんは直球ですけど、テアさんはテアさんで大変な事になる。って、明らかに期待込めてますよねこれ。絶対面白い所を見逃さないようにって、聡子さんと同じ考えですよ」
「まあ、明らかにそうだろうな」
「なんか、異世界に来てテンパっていた自分が恥ずかしい位の適応ぶりね。私もその内こうなれるのかしら?」
「なったらなったでハクアに悩まされるだろうがな」
「確かに……」
「それがハーちゃんの良い所じゃないですか」
「本当に相変わらずね」
「しかし面白そう……か。おい、どうする? 次は触手でも生えて帰って来るんじゃないか?」
「それは流石に……」
「いえ、ハーちゃんなら……でも、触手ですか。未経験だけど頑張ります!」
「経験してたら逆に引くわ! てか、頑張るな!?」
「いや、どうやったら触手が生えるのよ」
「ハーちゃんですから」
「ハクアだぞ?」
「あれ? 反論しようとしたけど反論出来ない? いや、でも流石に……」
「まあ、現時点でアイツ、角と尻尾と耳は生えるからな」
「待って、知らない情報が……」
「角は綺麗で、尻尾と耳は可愛いですよ」
「いや、そうじゃない。待って、ゴブリンじゃ無かったの!?」
「いや、それはだいぶ早い段階で終わってる。タイトル詐欺もいい所だよな」
「いや、タイトルとかは分からないけど。生えるの? 耳や尻尾が!?」
「「生える(ます)」」
「えぇ〜」
「だから触手も」
「有り得ますね」
「もうどう頑張っても弁護出来ない……」
「そこはしてくれないかな!!」
「えっ、何処から来たの!?」
「おお、帰って来た」
「何処行ってたんですかハーちゃん?」
「え? えーと、現在本編の本体は電波や魔力の届かない所に居るか、通信が繋がらない場所に居る為、情報がアップデート出来ません」
「スマホか!?」
「てか、むしろ私が知りたいんだよ! 何時も何時でも何時だって私は悪くないんだよ! 本編、本編のスピードが憎い」
「ハンカチ噛むな」
「もう憐れでコメントも出来ないわね」
「そこはしてくれませんかねぇ!? コメントないのも傷付くの……って、あれ?」
「おお、黒い穴が」
「何アレ!?」
「きっと本編の扉ですね」
「いーやー。帰りたくない。ずっとここに居て本編やり過ごすんだぁーーーーーあっ」
「吸い込まれたな」
「吸い込まれましたね」
「吸い込まれたわね。あら、何か落ちて……えっ? 何これカンペ?」
「もう終わりか」
「みたいですね。じゃあ千景ちゃん最後お願いします」
「もう何が何やら分からないけど、考えるだけ無駄ね。それでは次回『全く空気読んで欲しいよね』です」
「「「お楽しみに〜」」」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
第八章まで読んでいただきありがとうございました。
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