第66話 エンタメ周回遅れのビンゴ大作戦
三年ほど前から、paraviという動画配信サービスに登録していた。TBSとテレ東の番組を中心に配信していて、無料期間中に登録して、「キングオブコント2020」を見てから、感想をエッセイに書こうと思っていたのだが、モタモタしている間に無料期間は過ぎ、感想も書かずに、登録したままという状況になっていた。
時々思い出したかのように、ドラマや『ゴッドタン』、月一のチケットで映画を見ていたのだが、それ以外はほとんど見ていなかった。しかし、そのparavi が、二〇二三年六月に別の動画配信サービスのU-NEXTと統合された。
多少の値段の変化はあるものの、そのままU-NRXTを使おうと決めた。そして、登録したまま放置するよりも、やはりちゃんと見れるものは見た方がいい。そんな当たり前のことを思って、私は何か見ようとU-NRXTにアクセスして、愕然とした。
見れるものの数が、Paraviの時よりも滅茶苦茶増えていたのである。業界ナンバーワンの動画数は確かに伊達ではない。しかし、こんなに増えたのだから、何を見ようかと悩んでいるうちに、一時間が過ぎていた、という事も起きてしまった。
その解消方法として、手帳の何もないページに六×六の表を書き、空いたマスには思い付く限りの作品名で埋めていった。そうやって、邦画、洋画、アニメの三パターンを用意した。
その表に、目を瞑った状態で、蛍光ペンの印をつける。そんな風にランダムで選ばれた一作を見るというのが、悩みすぎに対する解決方法だ。
そうしてマスに書いたのは、例えば『スタンド・バイ・ミー』『ユージュアル・サスペクツ』、『誰も知らない』『七人の侍』、『魔法少女まどか☆マギカ』『カウボーイ・ビバップ』などなど、「おいおい、それ見ていないのかよ」と鼻で笑われてしまいそうなものばかりだ。
いや、別に私だって、逆張りして見ていないとかではないのだが、なんとなーく、なぜだが、見る機会を逃していた、というだけの話なだけだ。主な原因は、金銭面とネットに疎いのと、元来の面倒くさがりなどがある。
さて、そんな風にビンゴを作って、埋め始めてから二か月が経ったのだが、あまり進められていない。週末に一本は映画を見ようと思っていたのだが、それで埋まったのは四マスだけだった。
実は、しばらくU-NEXTを使っていて、気付いたことがあった。それは、作品によっては配信停止する時期が決まっていることだった。
ビンゴのマスに入っているアニメの『カイバ』も、あとひと月で配信停止してしまうと基本情報の部分に書いていたので、私は慌ててそれを見始めた。もうランダムで選ぶとか言っていられない、配信停止してしまったら、きっともう見れないぞ……と、非常に焦っていた。
しかし、あと一日で配信停止、でも、あと見るのは最終回だけ、というタイミングで、改めて基本情報を見て、驚いた。配信停止の期間の表記が、「90日以内に配信終了の予定はありません」に変化していたのだ。
これにはちょっと混乱した。他の配信停止期間が決まっている映像作品を注視してみると、その期間が近づくと、それが延長されているのが分かった。
なぜ、そんなことをするのだろうか。閉店セール詐欺みたいなものだろうか、とも思ったのだが、実際に配信が停止してしまったものもある。これはもう、あまり気にしない方がいいかもしれない、という結論に至った。
そんな風に、マスを埋めて言ったらどうするのか。目指すのは、縦・横・斜めのビンゴを達成することである。いや、ビンゴを達成したところで、何か起きるわけではないのだが。また新しいマスを作って、埋めていくだけだ。
ただ、最近映画を見る気力が下がって、この数週間ほど、一作も見ていない状態である。今週も見ていない。いつビンゴが完成するのか、全く見えないのだが、無理なくやっていこうと思う。
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