第55話 拙作問わず語り・番外 うちの子の名前編
ある日、ツイッターで「#キャラの名前を並べると趣味が見えてくる」というハッシュタグを見つけた。いつか、やってみたいなあと思いながら、いつの間にか一年以上が経っていた。
今回は、思いきってエッセイ内で並べてみようと思う。果たして、趣味は見えてくるのか?
まずは、日本人っぽい名前から。
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・安來うらら(『おかえりが聞こえる日』)
・木吉まりえ(『何気ない夜』)
・古ヶ崎のばら(『日常キリトリ線』収録「同窓会の翌朝」)
・塚田まどり(『図書館暮らし。』など)
・湧川えりな(「三月一日、深夜十二時過ぎの呼び出し」)
私は、「日本語の文字では、ひらがなが一番可愛い」と思っている節があるので、下の名前がひらがなの女性キャラが結構いる。あと、カクヨムにアップしていない小説の登場人物に、「
塚田まどりは、小説家の名前として登場。本人は登場していない。
何気に、「塚」という名前の使用率が高い。カクヨムにアップしていない作品の中にも、「塚」が付く苗字の人がいる。しかも女性。
・
・
・新橋颯斗(「はじめましての距離」)
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こちらは全員男性名。上記二人は、女性っぽい男性名になっちゃったけど、別にいいかぁとそのままに。岬はペンネーム。
新橋は、別作品のキャラで同じ名字の人がいると、後で気がついた。いとこ設定にしようかとか思ったが、今んところは他人ということで。
「外」と書いて「との」と読むのは、好きなアイドルの名字が由来。
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・北条正(『貧乏くじ男、東奔西走』など)
・横溝要(「かのエンドロール」)
・梶井
名前に法則がある人たち。
演劇用語が名字で、名前は一文字二音が、うちの子の吸血鬼の特色。地絣は舞台に敷く布のこと。
北条は戦国武将の北条氏が由来。
下記の二人は、名字は実在した文豪から。ちなみに、梶井の下の名前は初出し。
・竹見
・小坂
・浅岸鉄郎(同上)
こちらは、名前に色々を意味を加えて書いたので、まとめてご紹介。上の二人は俳優、浅岸は監督で、時代劇のチャンバラの裏側を描いた作品より。
李卯は、父親が大好きなブルース・リーから因んで「李」がつけられたという設定。
木吉は、清が本名だけど、浅岸監督から、豊臣秀吉のようになり上がれるようにと、その昔の名前、木下藤吉郎から因んで改名したという裏設定がある……まりえの名字と被ってしまったのは、全くの偶然。「清」という名前自体は、斬られ役のエキスパート・福井清三さんが由来。
浅岸監督は、深作欣二がイメージ。あっちが「深い」なら、こっちは「浅い」にしようと。
・金沢
・伊勢
・堀川カゼ・堀川ツキ(同上)
・大豊
・白神
『図書館暮らし』の登場人物の名字は、全員地名が由来。金沢さんは図書館司書なので、日本最古の武家の書庫である金沢文庫が由来でもある。
下の名前は、さほど珍しくない音だけど、漢字が変わっているというタイプにするのが当時のブームだったのかも。
・洲本一菜(『日常キリトリ線』より)
・三好沙樹(同上)
・睦花織(同上)
・数原双葉(同上)
・種子島潤太郎(同上)
・苗山将悟(同上)
・蜂須賀幹生(同上)
・岩根
『日常キリトリ線』の中で、タイトルの後半が「の話」で終わっているのは、同じ大学の写真サークル部員がそれぞれ語り手になって描かれるシリーズ物になっている。短編集の中でのシリーズ物というのはややこしいのだが。
この写真サークルは、名前の中に数字や数字に変換できる言葉が入っていて、植物の一部が使われているという括りで名付けている。あと、岩根は正確には写真サークルではない上に、元々別作品のキャラクターなのだが、彼も名前の法則の条件を満たしていることに気付き、引っ張ってきた。
・千代間ふき(『竹の花』)
・千代間
・椿(同上)
・
・ツル(同上)
・
こちらは、『竹の花』というタイトルなので、植物の名前が由来。
昭和初期をイメージしているので、難しい漢字も違和感なく取り入れられたと思っている。
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・高口麗美(同上)
・平井(同上)
・こん(同上)
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・三助(『モンスターへ乾杯!』)
・団五郎(同上)
・みけ(同上)
・ゆき(同上)
・みどり(「弁当屋の前には森がある」)
・ミケ太(「雨の夜は妖怪祭りへ」)
妖怪の皆さん。どんな妖怪なのか、すぐに分かるように、全く捻っていない名前になっている。
ちなみに、麗美の「高口」という名字が気に入っている。苗字をよく見ると、「口」が三つ分あるという意味合いを含めているのが、個人的MVP。
・赤丘(「コップの中の漣」)
・
・
・中井寺(「うさぎ穴まで」)」
・埃崎(『殺し屋・埃崎のオカルトな一日』)
・差唐(『日常キリトリ線』より「幻のトマトを求めて」)
・次上(同上)
検索しても出てこないので、多分、存在しない名字の皆さん。
上の三人は、いじめっ子という設定なので、存在しない名字の方がいいかなぁと思い、色々こねくり回せてこうなった。他の方々も、存在しない名字なのは、色々理由があったりなかったりする。
・山本鮎子(『日常キリトリ線』より「落雷鑑賞会」)
・都築朱美(同上)
・福井リサ(同上)
・赤崎奈々枝(同上)
・原田幸香(同上)
・宮道幸子(「同居中のふたり」)
・筒間紗世(同上)
・高宮
・菱乃伊織(同上)
・菱乃修吾(同上)
・新橋颯斗(「はじめましての距離」)
・河東秋穂(同上)
・石井百合(同上)
・夏木
・仁科
・野崎誠(同上)
・丸山理香(「雨の夜は妖怪祭りへ」)
・藤風成寛(『夏が燻る』)
フルネームがあるキャラクターは、このくらいだろうか。小説数が百以上で、この人数は、少ない方なのかもしれない。
私は、短編小説の登場人物にフルネームを決めるのは、なんだかもったいないなぁと思ってしまい、あまりつけていない。
名字のみや下の名前のみの人も載せようかと思ったが、とんでもない量にありそうなので、断念。
ちなみに、名字のみが出てくるモブキャラは、芸人さんの名字を引用するようにしている。例えば、「はじめましての距離」に出てくる安田副部長は、コマンダンテの安田さん、水田先輩は、和牛の水田さんが由来になっている。
続いて、海外っぽい名前。
・イノン・ニクロム(『ホテルの怪物たち』)
・シィエーウ・コンスタンタン(『「おかえり」が聞こえる日』)
・クニフェ(『さいわいなことり』)
魔術師や魔女のキャラクターは、合金の名前を由来にしている。理由は特になく、イノンの名前を決めた時からの流れでこうなっている。
他にも、カクヨムにアップしていない小説内には、「エミア・パーメンデュール」や「ジーズ・クルップ」という魔女の名字が合金が由来になっている。
・ウルル・トロイデ(『ホテルの怪物たち』)
・ユーシー・ゲネラルプローペ(同上)
・フィス・ゲネラルプローペ(同上)
・トマーズ・アスピーテ(『モンスターへ乾杯!』)
・シャン・グランギニョル(同上)
ウルルとトマーズは狼人間、ユーシーとシャンは吸血鬼。狼人間の名字は、火山の種類が揺らいで、吸血鬼の名字は、こちらも演劇用語から。ついでに、吸血鬼は、二音と半音を組み合わせた名前にしている。
以上のように、海外系の名字は、何かしらの由来がある場合が多い。その代わり、名前の方はインスピレーションで、特に意味も決めず、口当たりのいい言葉の組み合わせで決めることが多い。
・ルージクト・カドリール(『ホテルの怪物たち』)
・ライオット・ダイナモ(同上)
・レン・カフカ・アシュタロト(同上)
・メデューサ・ゴルゴン(同上)
・クレセンチ・レイジア(同上)
・ギギ・ローム、ググ・ローム、ゲゲ・ローム(同上)
・ジェンティレス(同上)
・リム・サクラメント(同上)
・エルーナ・フェルメール(同上)
・ソド・レーゾンデードル・タルトロス(同上)
・ニジー・エランギス(同上)
・サリア(『娘と鴉』)
・フリッツ(同上)
・カーディナル・スタンダール(同上)
・ハンナ・エリー・ガーレン(「コップの中の漣」)
・ベネディクト・ロイジール(『さいわいなことり』)
・リーズ・テズクトロ(『アウト・サイダーズ』)
・エミリア・テズクトロ(同上)
・ミシェラ(同上)
・アレクサンドロス(「見知らぬ指輪」)
・ウェリア・ジーギスト(同上)
・モニア・ジーギスト(同上)
・アルン・ジーギスト(同上)
・イヴァ・シャニライズ(同上)
・クロム・シェイクスピア(『日常キリトリ線』より「お土産」など)
・ジェニズ・カミュ(同上)
・ハールト・チェスタトン(同上)
・ケイ・クリスティー(同上)
名前があるキャラクターは、全部ではないが、大体こんな感じである。
ちなみに、一番気に入っている日本風の名前は、「竹見李卯」、海外風の名前は「ルージクト・カドリール」だ。含めた意味と言葉の響きが良いと思える。
それから、あだ名。「今夜はホットチョコレート」などの「みーさん」や「サヨナラ、小さな罪」の「ゆーちゃん」などの、一文字を伸ばしたひらがな表記、『一夜のキリトリ線』の「ガツ」は、漢字の月の読み方の一つ、「記憶を踏みつけて愛に近づく」の「ミネ」は峰不二子が元ネタになっていたりする。
何気に、殺し屋のキャラも多いので、コードネームも考えることもあるが、あまり中二っぽくならないように気を付けている。「ベッドで機関銃」は、髪色から「赤毛」、マシンガンを使うから「マーシー」と付けたり、『アウト・サイダーズ』の組織に所属している殺し屋や諜報員たちはフランス語の星座が由来になっている。
他に、例外もあるが、犬は漫画家、猫は俳優、鳥は歌手、爬虫類は映画監督、その他の動物はスポーツ選手の名前から拝借している。あんまり、名前を考えるのに時間をかけたくないというのが理由の一つである。
こうしてまとめてみると、ラ行の付く名前が多いと思っていたが、か行の名前も多い。「けい」という音の名前が、被ってしまったのは反省。
以上が、うちの子の名前のまとめである。
この先も、良い名前を思いつくように、視野を広く持って、頑張っていきたい。
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