第54話 分け入っても分け入っても本の山


 二〇二一年の読書目標は、「図書館の積読本を解消する」であるため、この半年間はたくさん図書館に通った。一回の訪問時に一冊を借りて、二週間かけて読み、返してまた借りるを繰り返し、一月で約二回ほど行っていることになる。

 私は、住んでいる街と職場がある街、二つの図書館カードを持っているため、そこをうまく利用しながら本を借りていった。特に、今年は緊急事態宣言によって図書館が閉館することもあったので、どちらの図書館から数冊借りて、それに備えるということをしていた。


 そんな風に、図書館に何度も通っていると、当然のことながら、本が多いなぁと思ってしまう。私がいつも行っているのは小説のコーナーなのだが、一体これをすべて読み終えるまで、どれくらいかかるのだろうと考える。

 「図書館の積読」の解消のために、こつこつと読んでいっているはずなのだが、読み終えた後に読みたい本が増えるということが起きてしまう。例えば、昔読んだアンソロジーに収録されていた「サルスベリ」という短編をきっかけに、『家守綺譚』を読んだのだが、この小説の続編が『冬虫夏草』だと知り、その後に読んだということもあった。


 また、ある自主企画きっかけに、一田和樹さんよりお勧めしてもらったSF作品も読もうと思ったのだが、それは私が図書カードを持っている図書館には置いてなかったので、取り寄せてもらうことにした。

 そんな風に、手の届かない本も含めると、「図書館の積読」は絶対に無くならないような気がする。目眩がするような、喜びに満たされるかのような、不思議な気持ちになる。


 さて、そんな風に読んでいった今年上半期の読破数をご紹介。


一冊目  川上未映子『夏物語』

二冊目  森見登美彦『美女と竹林』

三冊目  G・K・チェスタトン『ブラウン神父の秘密』

四冊目  川上弘美『真鶴』

五冊目  小野不由美『ゴーストハント4 死霊遊戯』

六冊目  谷崎潤一郎『春琴抄』

七冊目  古川日出男『ハル、ハル、ハル』

八冊目  梨木香歩『家守綺譚』

九冊目  青山美智子『木曜日にはココアを』

十冊目  梨木香歩『冬虫夏草』

十一冊目  西尾維新『猫物語 白』

十二冊目  恩田陸『ドミノin上海』

十三冊目  小路幸也『すべての神様の十月』

十四冊目  小野不由美『ゴーストハント5 鮮血の迷宮』

十五冊目  R・A・ラファティ『九百人のお祖母さん』

十六冊目  町田康『パンク侍、斬られて候』

十七冊目  三浦しをん『まほろ駅前番外地』


 今年は、仕事の時間が増えたので、読むスピードが落ちたかなと思ったが、去年の上半期とあまり読破数は変わっていなかった。毎日ちょっとでも読むことを続けてきた成果だと思う。

 とはいえ、まだ読みたい本はたくさんたくさんあるので、下半期も足繁く図書館に通って、本をどんどん読んでいこうと思っている。

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