第33話 作業用BGM六十三時間越え


 実家の居間でいつも執筆している。

 畳の上に置かれた、炬燵としての機能を失った炬燵が私の主戦場だ。すぐ後ろはキッチンであり、家族も普通に周りを通り、目を上げればテレビがある。


 非常に気が散りやすい場所なのではあるが、普段は音楽を聴きながら書いているので何とかなっている。

 ウォークマンのパソコン用のアプリを使い、「作業用」というプレイリストを何度も流してしのいでいる。


 そんな「作業用」のプレイリストは、色々と入れ過ぎていつの間にか六十三時間を超えていた。

 全部聴こうと思ったら、二日以上かかる計算になる。


 「作業用」プレイリストに入れる曲は、日本語の意味のある歌詞が入っていない曲と決めたので、本当になんでもありなカオス状態になってしまった。

 ジャンルもアーティストもボーダーレスである。軽くつまんで紹介しよう。


 ジャンルとして一番多いのは、恐らくサントラ系である。アニメ・映画・ドラマ・ゲームも入っている。

 アニメのサントラなら、「おそ松さん」「ルパン三世」「攻殻機動隊」などなど。見たことないアニメも入っている。

 映画なら「エターナルサンシャイン」「オーシャンズ11」、ドラマなら「TRICK」「カルテット」、ゲームなら「星のカービィ」「ポケットモンスタールビー・サファイア」などなど。


 次に多いのは、テクノ系の曲である。

 ミュージシャンで言うと、YMO及び坂本龍一さん、ダフトパンク、ファットボーイスリム、クラフトワーク、電気グルーヴなどなど。電子音がたまらない。


 ミュージシャンで言うと、栗コーダーカルテット、QUEEN、OKGOがトップ3になるのかもしれない。

 ジャンルがめちゃくちゃだが、栗コーダーカルテットのリコーダー音は聞いていてほっとするし、QUEENの曲は否応にもテンション上がるし、OKGOはPVが面白いから聞き始めたのだがそれぞれの曲も大好きである。


 あとは、クラッシック代表として、「ゆうがたクインテット」のアルバム、ジャズ代表としてウェザーリポートのベストアルバム、現代音楽代表として、ライヒのアルバムが入っている。

 J-POPミュージシャンのインスト曲もちょくちょく紛れていて、ポルノグラフィティ、星野源さん、相対性理論なんかもある。


 こんなに曲があるのなら、書いている作品によって聞く曲を変えることも出来るような気がしていたのだが、網羅しているようで偏っているので、そんなことは出来ない。

 さらに言えば、私は曲によって作品が引っ張られることも無いので、いつもフラットな気持ちで適当に流している。むしろ、全く別の雰囲気の曲が流れるのが面白いと思っている節もある。


 最近は、「二年くらい聞いていない曲があるな……」という事に気付き、最終再生から年月が経っているいる曲から聞いているという始末である。

 『戦場のメリークリスマス』のサントラより、「Befor the War」を両耳のイヤホンで聴きながら。

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