第2話 さて、次は何を書こうか
「モンスターへ乾杯!」を書き終えて、私はちょっとした燃え尽き症候群のような気持ちになっていた。
キャラクターの特に意味のない会話を書くのが好きな私にとっては、あの作品のような会話を、ひたすらに続けていたかったからだ。
一つの作品が完結した後に立ち上がるのは、次の作品の構想だ。
いつものように、『日常キリトリ線』に収録する短編でも書こうか、その時までは、そう考えていた。
その前に、私は図書館に足を運んだ。
四冊の本を借りて、外に出ようとしたときに、ある一枚のポスターが目に入った。
「宮古島文学賞」の募集ポスターだった。
テーマは「島」で、締め切りは今月中だった。
帰り道は、応募する気満々で、歩いていた。何かアイディアは出ないかなと考えながら。
帰宅後、ネットで調べてみると、大賞は五十万円の賞与で、審査員の一人に椎名誠さんがいることを知った。私はさらにやる気になった。
その時ふと、八月にラジオドラマの賞に募集していたことを思い出した。何気なく調べてみた。
二次審査を突破した作品が、ホームページに載っていた。そこに私の名前は無かった。
ずがーん。
可愛らしい擬音で表現したが、かなりショックだった。後悔が沢山あった。例えば、賞金二十万とか。
仕上げた時間は短かったが、そこそこ自信があった。何が悪かったのかが気になった。賞金二十万……。
布団の中でも考えていた。……賞金二十万。
お金のことばかり言っていて、申し訳ない。
しかし、実を言うと、私は今、求職中であった。
こんな自信喪失の中では、「宮古島文学賞」に挑戦できないだろう。
それから参加料として、二千円が必要になる。求職中の人間に、二千円は大きい。
これからは、カクヨムコンに向けて、連載中の長編の新作を書いたり、短編部門用の小説を書いていこう。
そんなことを考えたのが、昨日の出来事であった。
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