⑪❓完読】風の吹く街 1177354054884621094

📖風の吹く街

作者 いいたくさま

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884621094


完読🔖


タイトルや概要、サブタイトルをさっと見た感じでは青春ものの匂いがします。キーワードは和歌。遠い時代の何らかのラブ。


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 第1話 はじまり、はじまり


 

 有馬山に近い

 猪名いなの笹原に風が吹けば、

 そよそよと音がたちます。


 あなたから手紙をもらえば、

 私の心は高鳴るのです。


 そうですよ。忘れたのはあなたの方。

 私がどうしてあなたのことを忘れたりするものですか。



そんな内容のひとつの和歌からはじまる高校男女の青春の1ページ。


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ところがぎっちょん。


第23話 君に尋ねたい


唐突に意味深。オシャレじじいが切り込んできたよ。遠い時代とか思ったけどそんな遠くない過去だった件。


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その後特に大きく進展はないのだけど。色々あって色々な人物があーでこーで。都度視点が移動するのはとりあえずとして。どうにもむずかゆい恋愛未満恋愛がアレです。なんでダイバと真理がそんなんなってんの、とか。クラスのヤツらウザイな、とか。つうか快斗が気になるんですけど、とか。集団記憶喪失なの?とか。


第45話 好きな人といちごミルク(真理の過去④)


君が好きなのはイヌイ君じゃないのかよ?勃発。やだもうこのフワフワふーした感じがこわい。恋愛ってなんなの。思い込み不確定事項の虚像擦り込み式捏造感情とかまじこわい。ドン引き。


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からの。やべ。感想書くの忘れて一気に読了しちゃった。ただの青春恋愛小説よりミステリー風味だったから、それでいて爽やか、こんなスパダリ園児見たことない。園児。後半は三人とヒデさんが中心で他の人のことは一旦忘れていたけど、気がつけばオールハッピーなエンドでした。なんでいつも喧嘩してるの仲良しかよ。(仲良しです)


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読む前はファンタジーな前世絡みのお話かと思ったけど全然現実寄りの内容だったね。地の文少ない方が好きな人にオススメ。セリフの方が読みやすいっていうタイプの人に。


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追記←


読んだのはちょっと前だったのだけど感想をアップする前に2周目を読んで思ったのです。もうちょっと書くことあるぞ。(私が)


個人的には現代もの恋愛もの青春ものって別に好きな要素なくて、それを画く作品だからかタイトルもサブタイトルも刺さる言葉なくて、スーっと素通りしていくエアリー感。すなわちそれは私にとって大した興味のないもののようだったのです。そもそもは。

ただ。読みやすい。難しい内容がないので楽に読める。すると脳に余力があるので吟味できる。簡単な単純な話かというと実はそうではない。そうではないものを簡単に見せているのが地の文の説明の少なさ。それは登場人物の台詞に説明が増えていやがる人もいるかもしれないけれど、完成度より今はやさしさが嬉しい私にはありがたいちょうどよさの作品だったわけで。書き手も読み手もいろんな段階の人がいるのでその時々の能力でマッチする作品が違うと思うのですが、


で、余力があるので蛇足で語ります。小説として完成度をあげるならあれこれ別の手法もおすすめするところですが、これはこれでよしとして良かった部分がいくつもあったことを風のようにエアリーに去ってしまう前につかまえて語るべき。奥ゆかしくさりげないのでうっかりしてたら気付かないこともあるかもですが、事前の伏線がすっげえふんだんなの。そこかしこ。それがそっと配置されてんのよ。だいたい全部回収されてると思うけど、最初に保健室にイチゴミルク差し入れした人が判明するエピソードだけ出てこなかったか、いやわかるけど。わかるけど。真理……お前……。わかれよ←


主人公ダイバの名前がけっこうあとまで明かされないのも、別にそれまで疑問を抱かせない造りがうまいと思う。私の脳みそが良い感じに鈍っていたのもタイミング良かった。久しぶりの読書万歳。興味をひかずたんたんと読んだら、あ、これはそうなるべくして用意されたおとなしめの力作、隠れ名作なのでは?と新しいカテゴリーを発掘した気分。園児ダイバの見所や乾君がもっと輝ける可能性を秘めてる気がする。男子がやさしい。女子にやさしさを求めてはいけない(シビア)。(リアル)。


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