③完読】❓生きる悲哀と臨床家 1177354054882784960

📖生きる悲哀と臨床家

作者 神木 清隆さま

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882784960


完読🔖


問題のあるこどもたちの問題ははたしてどこにあるのか。周りの大人たちが解決できたならいいけれど、自分で出来ることもあるよ。おまじないをおしえてあげる。


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箱庭療法とかユング派とかはまだいい。ちゃんと理解してなくとも言葉として知っている。けれどまったく聞いたことの無い言葉が当たり前に登場して流れていく。これはまずい。『わからない』の蓄積は危険だ。読書とはそういうものだ。それがなんなのか伝える気はないのだな。ついていけるかな。専門的である以上に、その気質にどこまで寄り添えるかなという不安。でも作品が伝えたいことはそこではなく別の何かだろうから、ひとまずわからないを放置して進もう。


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一通り全部読んで、あとがきと用語集が非常にわかりやすい。でも作品本編から読み解くにはなかなかにハードルが厳しいようにも思うのです。小説の体でいうならばもっと色々手の施しようはあります。けれどそもそもこの作品はストーリーを楽しむものとはちょっと違って、必要な人に届いたとき、作中のどこか一節であってもその人の人生や日常に大きな影響を与えるものであると私は考えます。


小説として評価したら私は高い評価にはしません。ですがこの作品の価値はそんなところにはないと断言します。


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体験や経験や学びや取材、沢山の事実の上に成り立つことは私からすれば羨ましくもあります。


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臨床心理士・精神科医を目指す人たちに、臨床の姿勢や面白さを伝えたいとのことでしたが、本当はもうそこかしこにいる彼らの理解を当たり前にみんなが知ってしかるべき。というか障害という括りがそもそも個人的に苦手で、誰しも大なり小なりどっかおかしいものだと私は認識しています。同じじゃないし完璧じゃない。それが普通、です。なのに同じや完璧を求めるような人がいてそれこそが障害を生むように感じます。自分のこともよく知らないで他人を責める、日常茶飯事ですよね。


生きにくい人生を送っている人や、そんな人が身近にいると感じている人にはとりあえず読んでみてほしい。全国のお母さんとか先生にも。レッテルが嫌な人もレッテルがほしい人もレッテル貼りまくる人もとりあえず。意味がわからないとこや興味のないところはこの際流してもいいから、そのうちどこかでハッとしてほしい。わかりにくい中に潜んでいるものを見つけてほしい。気付きは誰かを救うと思う。


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読み方も楽しみ方も人それぞれなので、あくまで私の読んだ感想です。反感を覚える人もいるかもしれませんが、悪意や他意はありません。


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相手の理解度合いをはかりながら進めるのは小説にも共通することなので、顔の見えないタイムラグのある読者の存在を意識して組み立てたなら、この作者はもっとすごく伸びる人なのだろうけれど、本当に力を注ぐべきが他にあるならこれはこれでいいですよね。


以前、バイスティックの7原則というものをみたとき、私が小説の感想書くときの心構えとほぼ一緒だったのを思い出しました。


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14/14話

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