遠野夜との出会い

32話:遠野に会う準備

 ごめんねー、綾が風邪をひいちゃってー。ピンチヒッターとして湧石早苗が登板します。

 私と綾では考え方も違えば、作風が違うんだ。そこのところは了承してくれるかな?


 入学式から二日後の土曜日、朝七時に起きる。まずはカーテンを開ける。そしてパンを赤のトースターで焼いて、イチゴジャムをり食べる。

 そしてチェック柄の服を羽織り、外に出る。


 そして近くの公園で、信濃路と佳奈と待ち合わせをする。

 どうしても会ってみたい人がいたんだよね。


 『混沌のバケモノ』遠野夜。東丘の方で細々と生きている、同世代の女の子らしい。かなり虐められて、中学校の入学式にも顔を出してないらしい。

 だからこそ、はぐれ者グループの私たちが絡んでみたい。

 因みツブヤイッターで会った。


「へえ、早苗ちゃん、君はなんて……、なんか形容する言葉も見当たらないや。ごめんねー、余計な期待をさせちゃってー」

「佳奈ちゃん……、それ私への侮辱ちゃうん?」

「早苗ちゃん、勘違いすること言ってごめん。私はただそれがいいことなのか悪いことなのか、それだけを考えて躊躇ためらったんだ」


 佳奈ちゃん、それもそうだけど、まずは行動に移さないといけないね。気になる言葉を投げておいてそれはないっしょ。


 それにしても綾ちゃんのこのノート、買い替えしなくてもいいようになってるんだ。なんかページが勝手に増えてるし。


 なんかこのノート、怪しいな。

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