26話:ここから始まる中学校ストーリー

 私たちは中学校へと向かってる。その間にも濃い体験をした。


「早苗ちゃん、花粉大丈夫?」

「逆音、生きてるからへーきだ……へーっ、へーっ、へーくっしょん! 鼻が……ムズムズしてやばい、じゅるるる。見逃してくれない?」


 鼻をすすったことに対して、見逃してほしいと頼んだのだろう。鼻をすすることがいけないと思ってるのだろうが、別段私たちは気にしない。


「佳奈ちゃん、ちょっと占ってみるよ……。うん、誰とも一緒のクラスにならないや。ざまぁ(笑)」

「信濃、勝手に占っておいて、その反応はひどくないか? 私にだって願いはあるよ、それを否定するのはいくらなんでもひどくない?」

「しゃーねーやろ。面白そうな能力だから使っただけだし、一切の責任を負いたくないや。でもさ、運命は運命だ。受け入れろ」


 佳奈は信濃路の行動に、溜息ためいきをついた。だが、これがいつもの二人だ。桜の花が咲いている。二人はその花を見て笑い合う。

 これが中学校でも続くのだろう。


「あ、中学校着いたよ」

「綾は気付くの早いね〜!」

「早苗ちゃん、そうかな」

「そうだって〜!」


「早苗ったら……、友達だとかなりはしゃぐねー。これからもズッ友だよ!」

「そうだね!」


 私と早苗の会話を聞いた佳奈は、からかうようにして友情を確かめた。


「お前らごときが盛り上がってるな、陰キャのくせに生意気だぞ!」

「蒼原ッ……」


 奴が来た。蒼原美希、橋武小の頃からのいじめっ子だ。彼女は多数を率いて、少数をいじめる、見下したがり屋だ。


 周りの知らない新入生に、この様子を見られた。そして、嘲笑あざわらわれた。

「何あいつら、聞いた感じ陰キャなのに、ズッ友だなんて気味が悪い」

 そんな声も聞こえた。


 それでも、新しい出会いもあった。


「ねえ、友達になってくれない? 私の名前は平塚ミサキ、医者の娘さ」

「もちろん、こっちにおいでよ、楽しいよ?」


 ここから新たな物語が、進み出そうとしていた。

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