23話:明日への家路(二章終点)

「あ、さっき上流に向かってったよ!」

「早苗ちゃん、有力な情報さんくす」


 そう言って、柄依名は去っていった。


「あれ、なんでみんな残ってるの?」

「知らんな。今度こそ帰ろう」


 彩那の質問に、早苗は微笑ほほえみながら答えた。

 みんながみんな、帰るべきところに帰った。

 腹の虫が鳴った。自転車を速く漕いで、家に帰らなければ!


 河川敷から、屋根が虹色になるよう設計された住宅街、黄色い屋根の信濃路の家、薄暗い裏路地。こんなところをかっ飛ばして、家に着く。


「ただいまー!」

「おかえりー! 昼ごはんならば出来てるよ。肉じゃがだよー!」


 私は手を洗い、席に着く。


 そして出された皿を見たっきり、私たちは食らいついた。


 口の中でホックホクの芋がホックホク。マジでホックホクがホックホクしてる。


「綾ちゃん、いよいよ明日だね!」

「逆音ちゃん、あー、クラス発表だね」

「なんでわかったの?」

「だって、遊んでる時に確認したもん!」

「そ、そうか……」


 驚かせようと思って言ったら、すべったパターンだったらしい。

 まあ、そんなことはほっといて、私は寝室に行き、昼寝を始めた。

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