第9話 心強い味方

以前、途中で投げ出した、「青春レモン」を書き続けている。

きりのいいところまで、書けたらルナに見てもらってる。


「パパ、琴美が出るのは、まだ早いよ」

「そっか?」

「この子はキーポイントだから、もう少し後のほうがいいよ」

「でも、それでは・・・」

「ううん、今は私の親友というだけにしておいて・・・」

「わかった」

こうして、アドバイスを受けながら、進めて行く。


もちろん、褒めるところは褒めてくれた。

「パパ、ここ良いよ。幸一くんの優しさが出ている」

「そっか?」

「私が、幸一くんに惹かれ始めるところだね」

「まあな」

何だか楽しい。


もちろん、学校には行った。

しかし、友達づきあいもそこそこに、学校が終わるとすぐに帰宅をし、

ふたりで、作業する。


ルナは、「雅彦くんの家の手伝いをしないといけないから、

そのかわり、ただで厄介になっている」と、言っているらしい。


でも学校では、友達を大切にしているので、人気が高い。

パパとしては、喜んでいい事だろう・・・多分。


『「中本くん」

いつものように、教室の隅の机で、ぼんやりしていたら、

クラスの女の子が、声をかけてきた。


この子は確か、押見さんだったか・・・


「どうしました?」

「昨日見てたよ」

「何をですか?」

「知らないおばあちゃんを、助けてたよね」

「ああ、見てたんですが、でも、あれは誰でもできます」

「ううん、なかなかできないよ。君の事見なおした」

そういって、手を差し出してきた。

大袈裟な・・・


「知ってるとは思うけど、私は押見ルナ、ルナでいいわよ」

「僕は、中本幸一、呼び方は、好きにしてください」

そういって、握手を交わす。


「そうそう、同級生なんだから、敬語はつかわないで」

                          』


「パパ、いいよ。この前のよりも、よくなっている。

でも、まだ投稿は出来ないけどね」

「これはいいんだよ。まずは土台を作るから」

「うん、OK]


こうして、順調の書き続ける。

応援してくれる人がいるだけで、こうも違うのか?


「パパ、そろそろ琴美を表に出すころよ」

「わかった。でも、どうやってからませようか?」

「それは、パパが考えないと意味がないからね」

「うん」


ここまでは、当初の予定通りに進んでいる。

以前は、肉食的になってしまった幸一だが、今のところは、素直に動いてくれている。


彼が成長するのは、ラスト近辺だ。

でないと、僕はこの作品で書きたかった事が伝わらない。


そして、いよいよ物語は、ラストを迎える。

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