第4話 設定は計画的に

「本当に、ルナちゃんは大きくなったわね」

「いえいえ、私なんて、まだまだ子供です。」

「そんなことないわよ、うちの愚息に比べたら・・・」

「そんな、雅彦くんの方が、大人です。」

すっかり打ち解けている、というか、完全な叔母と姪だ。


父が帰ってきた。

「おじさん、お久しぶりです」

「やや、ルナちゃん。聞いてたよ。元気そうだね」

「はい、お世話になります」

僕は、こんな設定までしたのか?

まあ、考えないでおこう。


ルナは食欲魔人で、何でも食べた。

悩みや辛いことがあっても、食欲だけはなくならない。

おまけに、食に関しては、遠慮がない。


困ったものだ。

親の顔が見てみたい・・・あっ、僕か・・・


ルナと部屋に戻る。

「ルナはどこで寝るんだ。

「ここ」

「えっ?」

「だから、ここ」

それはまずい。


「いくら親子でも、それはさすがに・・・」

「冗談よ。パパ。おばさんが用意してくれてる」

「そっか」

一安心した。


「パパ、早速始めましょ」

「何を?」

「青春レモンの続き」

「今から?」

「うん」

こいつは、言い出したら聞かない。

仕方ないので、取りかかった。


「えーっと、まずは設定を変えて・・・」

「私の事は変えないでね。気にいってるもん」

「わかりましたよ」

ならルナは、このままで・・・


そして、他のキャラの設定を少し変更させた。

今度は、最初のテーマ通りに、ストーリーを進行させよう。


「・・・で、明日はどうするんだ?ルナ」

「学校行くよ」

「ここからか?」

「うん」

「通えるのか?」

「大丈夫だよ」

僕は、胸をなでおろした。


あれ?僕の親戚は遠くにいるので、ここからは無理のはず。

「だって、パパと同じところだもん」

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