第3話

 女は私の存在を認識している。数少ないブログの読者である私の残したコメントに応えてくれることが多々あるのだ。


『いいでしょ?お裾分けしたいな(´▽`)』

『このお店おススメですよ』

『そんな時期をどう乗り越えましたか?』

『私はもう、女ではないのでしょうか・・・』


 毎回腹がよじれるようなコメントを見て、私は幸せな気分になった。

 

 忌々しい存在である女が女ではなくなってく過程を見ている私。


 女を女ではない存在に変えた男。


 その男に抱かれる私。


 あらゆるものを手にできたような喜びを今夜も味わっている。


 彼が寝返りを打った。私はアプリを閉じてスマホをソファーに放り投げて立ち上がった。下着を全て脱ぎ捨ててベッドにダイブした。


 朝になったらまたコメントを残そう。


 『いずれ全てから解放される日が来ますよ』と。

  

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フレンドシップ 千秋静 @chiaki-s

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