天使編

第13話 連絡


あれからどれくらいたったのだろうか。


ふと眠りから覚めた牧田は窓の外を見た。


すっかり暗くなっている。


スマホを開くと夜の11時半を過ぎたころだった。


(結構寝たな。晩飯でも買いに行くか。)


そう思いベットから出ようとした時だった。


(ん?)


ふと耳を澄ますと何者かの話声がすることに気づいた。


「おい、誰だ!」


スマホのライトを声のするほうへ向けた。


「なんだぁ、まぶしいなぁ。」


「・・・。お前かよ!!」


そこにはルシウスがいた。


「ルシウス、お前こんな夜に独り言うるせーよ!

びっくりするじゃねえかよ!」


「うるせぇなぁ。

大事な連絡を取ってたんだよぉ。」


見るとルシウスの右手には、明らかに人間界のものじゃない何かが握られていた。


おそらくそれで連絡をしていたのだろう。


「連絡?誰と?」


「ヘクトールっていう、うっとおしい連絡係だぁ。

そして、話の内容は今日襲ってきたあいつの話だぁ。」


「おっ!まじかよ。

あいつらは何者なんだよ?」


「うるせぇ!少し静かにしてろぉ。」


「す、すまねえ。」


「こいつとの話が終わったらおまえにも話してやるから適当に待ってろぉ。

少なくとも、おまえと無関係な話ってわけじゃないしなぁ。」


「じゃあ俺、晩飯買いに行ってくるよ。」


そう言って牧田は部屋着のまま近くのスーパーに向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る