カルディナの悩み


帝国の首都の宮殿、その自室にて、カルディナは悩んでいた。

「どうしたらアルーンを手に入れることができるのかしら…」

そこにコンコンとノックが

「カルディナや、ワシじゃ」

「お祖父様!」

カルディナの表情は幾分明るくなり、祖父を迎えた。

「何やら塞ぎ込んでおると聞いての、心配で見にきたんじゃよ」

「ご心配ありがとうございます、お祖父様」

そう答えるとまた少し表情が暗くなるカルディナ。

「なぁに、この爺様になんでも言ってみなさい、欲しいものはなんでも持って来させよう」

そう帝国の皇帝、グリゴリーは可愛い孫娘のために言った。

「ありがとうございます、お祖父様、でもダメなのです」

「むぅ? 何がダメなのじゃ?」

「これだけは自分自身の力で手に入れなくてはいけないと、私自身がそう感じているのです」

なんと…いつのまにか大人になった、自分の孫娘を見て感無量な気持ちである、グリゴリー、それ故に、なおのこと欲しいものは与えてやりたいと思ってしまうのは、祖父バカともいうべきなのだろうか?

「どれ、ならばこの爺様が手伝おうじゃないか、何が欲しいのか言ってみなさい」


「アルーンという共和国人が欲しいのです」

「ほむ、そのアルーンという共和国人をなぜ欲しいのじゃ?」

「単刀直入に申しますと、好きだからです!」

「ほう、そんなに好きなのか?」

皇帝グリゴリーの目が、鋭くなった。

「はい、そんなに好きなのです!」

負けじと睨み返したカルディナ。

「ハッハッハ、ならばどんな手を使ってでもものにするべきじゃな!」

「そうしたいのですが…」

「どうしたのじゃ? 失敗でもしたのか?」

しゅんとなっているカルディナ。

「ブレット大佐を遣わしたのですが、作戦に失敗して…」

「そうか…ブレットの奴でもダメじゃったか、ならばワシの軍を使えばよかろう」

そういうと、グリゴリーは兵府を差し出した。

「ダメです、お祖父様、自分の力でやるときめたのですから、お祖父様の力を借りては…」

「そうはいってもの、爺様はお前の力になりたいんじゃよ」

「それでしたら、私に戦略戦術を授けてくれる先生をお願いしますわ」

パッと思いついたカルディナ。

「そうか、それならとびきりの講師をつけてやろう」

ハハハと笑いながら、グリゴリーは約束した。

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