エンペラーの戦い

戦艦マティアスは攻撃の準備をしていた。

新たな戦力エンペラーを軸に先手を打とうという算段だ。

アルーンがエンペラーをメンテナンスしていると、ケネスが声をかけてきた。

「よう、調子はどうだ?」

「あぁ、悪くないよ」

「攻勢に出るんだって、俺もいくぜ」

「そうか、それはありがたいな」

そんな話をしているとリズも割って入ってきた。

「あたしも一緒に行くぞ!」

「ダメだ、危険すぎる」

アルーンは心配して、怒った。

「なんでケネスは良くてあたしはだめなんだよ!」 「ケネスは自分の身は自分で守れるからな、お前は自分の身すら守れないだろ?」

そういうと、リズはぐぬぬと引き下がった。

「よし、ケネスそろそろ行くか」

「あぁ、行くか」

二人は準備が完了したらしく、出撃していくのであった。


今回は攻勢に出ることもあって、戦艦自体も前に出て戦うことになった。

お互い戦艦同士で火砲を打ち合っている中、エンペラーは出撃した。

「アルーン、エンペラー出るぞ!」

内功でお互いがバリアを張っているので中々きりがないが、そこを打破するのがネイオンの仕事でもあった。

お互いのネイオンが飛び交う中、ライフルを二射、三射して、敵ネイオンを落とし、敵戦艦に近づくアルーン。

「やはりエンペラーの動きはいいな」

機体が違和感なく自分についてくることに気持ちが良くなるアルーン。

しかし、心配になることが、リズも出撃してきているのである。

「リズ!無理はするなよ!」そう言って大型自律機動シールドをリズの護衛につけたのであった。

このシールドはエンペラー独自の装備であり、自動で守りたい対象を守ることができるもので、それを今回リズにつけたのである。

これで一安心だろうとアルーンは思い、更なる前線へと向かった。


それから内功をこめて、ライフルを三射していくと、相手の戦艦のバリアに弾かれているのがわかった、相手の戦艦の内功がどれくらいかわかったので、それを破ることに集中することにしたアルーンである。

「ケネス!俺はバリアを破ることに専念する!後ろは任せた!」そう通信でいうと、任された!との声が。


「さて、久々だから上手くいくかどうか…」

ライフルをしまい、内功を練り上げ、それを一気に掌法、青竜十六掌の一手を放ち、相手の戦艦のバリアを打ち破ったのである。

「久々だったが、うまくいったな」

そういうと、またライフルをもち相手のエンジン部に回り込んだ、

「ここで足止めさせてもらうぞ」

そういいながら、内功を込め、ライフルを二射エンジン部に直撃させ、エンジンを沈黙させた。

ブレット大佐はこの艦には乗っていなかったらしい、乗っていればこんなにあっさり足止めが成功するはずがないからだ。

どうやらこの地域を哨戒していた部隊であったらしい。

ブレット大佐に追いつかれる前に、戦場をあとにすることにしたアルーン達、マティアスであった。


戦闘が終わってアルーンがメンテナンスをしていると、リズが声をかけてきた。

「あのシールド、アルーンがつけてくれたんだろ?」

「あぁ、君に何かあったら君の兄に申し訳が立たないからな」

「ありがと」

そういうとリズも自分の機体のメンテナンスに戻っていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る