エンペラー起動

任務により、王国に向かうこととなった、マティアス、無人島で停留したマティアスは束の間のバカンスを楽しんでいた。

そこに帝国の魔の手が……。

バシューーとビームがマティアスのほうに飛んで行った。

「なんだ!?」アルーンはマティアスのほうを向いたがマティアスのほうからなんの音沙汰もない、これはまずいとみんなでマティアスのほうに走っていたのであった。

しばらく走っていると、ケネスの機体がやってきた!

「ケネェス! 俺の機体はどうだ!?」

「まだしばらくだめだ! この機体だけでなんとかやるしかない!」

「わかった、そういうことならその機体に俺がつく!」

ケネスの機体にまるで自分がキーホルダーになったかのように、張り付く。


歩兵用ロケットランチャーをアルーンは手にしながら、「弾はあるな、よし!」

そして、自分の命綱をケネス機の腰あたりにつけて、

「ケネス、自由にやってくれ! 俺が援護する!」 そういってロケットランチャーを一射敵のネイオンに打ち込んだのであった。

「自由にやってくれったって! 大丈夫なのか?」 「大丈夫だ! 命綱もつけた!」

「わかった、これでみんなの出撃まで時間を稼ぐぞ!」

そうしてケネス機が空に舞い上がり、敵のネイオンにライフルを一射、アルーンはロケットランチャーを一射した。


敵の弾が飛んできて、「うお! 危ねぇ!」

「ケネス!いくら内功で受けれるとは言え、こっち側で受けるのはよしてくれよぉ!」

危機一髪であった。 そんな最中でもアルーンはロケットランチャーを打ち返していた。

そうやってしばらく戦っていると、

「よし!準備はできたらしい! マティアスに戻るぞ!」 ケネスがマティアスから通信を受け取ったのであろう。

わかったぁ!最後のロケットランチャーを一射してアルーンもマティアスに戻り、準備をした。

「リズ! 準備はできたか!?」

「あぁ、出来てるよ!」

「なら俺の援護を頼む!」

「了解」

そういって二機のネイオンが飛び立ち、敵のネイオンと応戦した。


敵のネイオンはもう分が悪いと判断したのか、早々に撤退を始めた。

こちらも追撃する理由はないので、追撃はやめておいた。

「しかしとんでもないバカンスになっちまったな…」

「本当にね」

お互い水着のまま出撃したので、通信でのその姿が何故だか滑稽にみえた。

「早く帰って着替えよう」

「そうしましょ」

二機のネイオンはマティアスに帰還したのであった。



戦艦マティアスはある場所にきていた、それはアルーンの願いで少し寄り道をしてほしいとのことであった。

艦長は理由を聞いたが、ブレット大佐など新たな脅威に、対抗するための機体を取りに行くということなので、特別に許可されたのだ。

「いいのか、アルーン?」

ケネスが気まずそうに聞いた。

「いいさ、必要になったからまた乗るまでだよ」 あまり気にしてない風なアルーンである。

「エンペラー…久々に乗るな…もうあれから一年だ…」 懐かしそうに言うアルーン。

「何から一年なの?」 「リズ…それは聞くべきことじゃない」 聞こうとしたリズをたしなめるケネス。

目の前には新しいネイオン、名称 エンペラーが立っていた。

他のネイオンとは違い大きい盾とマントを羽織ってるのが特徴的な機体であった。

「なんで聞いちゃダメなのさ」口を尖らせるリズ。

「あまりにも俺たち、いや世界にとって哀しい出来事があった日だったんだ…」

そうアルーンがいうと、エンペラーに乗り込んでいった。

ピィーンと目が光り、エンペラーは起動した。

各種動作を確認したあと、すぐにアルーンは降りてきてケネスに言った。

「あの頃と変わってないな」

「一年やそこらで変わるような代物じゃないさ」そうケネスは自信ありげに答えた。

「よし、これをマティアスに積むぞ」

そう言ってアルーンはまたエンペラーに乗り、その足でマティアスに搭乗したのであった。

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