カルディナの登場

マティアスが共和国圏内を目指していると、途中で救難信号をだしていたポッドが見つかった。

人道的な措置として、見過ごすわけにはいかないと艦長が助けることを指示したがいいが、その中にいたのはカルディナ・コルサという女性とその召使いであった。

おそらく帝国の高官の娘か何かであろうと予測された。


とかくそのカルディナという女はわがままであった、自分の願いを叶えられないものはないと言わんばかりに、あれこれ命令してくるのだ、仕方がないので出来る範囲で叶えていたのだが、ついにケネスが切れたのである。

「付き合ってられるかバカ女が!!!」

「バカ女とは何事か!?妾は帝国の、ひ」

「帝国のなんだってんだ!!」

「まぁまぁ、カルディナさんも落ち着いて」

そうテリーがなだめようとすると、

「触るな、下郎!!」との声にさらにケネスが切れた。

「下郎だぁ!? 誰に向かっていってんだ! 俺に向かって言ってるならまだしもアルーンに言うのはゆるさねぇ!!」

そう鬼の形相で怒鳴ったケネスである。

これにはカルディナもひっ、と怖がり黙った。


「アルーンはなぁ、こいつはすげぇ奴なんだぞ!?」といい始めたところでぐえっと、テリーに気絶させられたケネスなのであった。

アルーンはすごい奴とのことを聞いたカルディナはどれほどアルーンが凄いか確かめたくなった。

そもそもアルーンは誰か?という話になりここで偽名を使っていたのがバレてしまったアルーンなのであった。

「そなた!何をもってすごいというのじゃ!?」

「そんな凄い特技は持ってませんよ」と答えるアルーン。

「嘘じゃ嘘じゃ」との声に、グウィンが余計な一言を言った、「ネイオンの操縦が素晴らしい」と。

それをきいたカルディナは目を輝かせ、アルーンに問うた。

「ネイオンの操縦とな!? 先のマリオン会戦のマリオンの仮面とはどちらが上じゃ?」 グウィンが火に油を注ぐ

「そいつとはこの前一戦交えてそいつは逃げ帰ったよ」というと、またもカルディナは「嘘じゃ嘘じゃ!!」といいだした、マリオンの仮面は帝国でも有数のエースパイロットだと騒いでいるカルディナである。

「アルーンとやら!マリオンの仮面と決闘せい!」とまでいう始末。

このままだとさらにうるさいことになりそうだったので、近くにいた帝国軍に決闘を申し込むことにしたアルーンなのであった。


帝国軍にカルディナという娘を預かっていると、通達したら帝国軍が飛んできた。

カルディナ様を即座に解放しろとのことだ。

こちらとしては即座に解放したいのだが、肝心のカルディナが出て行く気配がない。

マリオンの仮面とアルーンの決闘が見たいようなので、致し方なく決闘をすることとなった。


仕方がないので、少し本気を出すことにしたアルーンは師から習った武芸を使うことに決めた。

青竜十六掌の一手、飛翔雲龍である。

たった一手でマリオンの仮面を破ったアルーンはカルディナにとって興味の的となった。

カルディナはとかくしつこかった。

なぜ偽名を使っていたのか?

好きなものは何か?

嫌いなものは何か?

自分のことはどう思っているか?などなど、

アルーンは辟易していた。

あまりにしつこかったので、気絶させて無理やり返すことにしたようだ。


自分とは大違いだ!っといったリズに、何がだ?と聞くと何でもない!との声が帰ってきた。

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