マリオンの仮面との戦い
(あのパイロット普通ではなかった)
そう感じたのはアルドーであった。
(あの一撃、もし当たっていたらそのまま戦闘不能まで持っていかれたであろう…)
考えると身震いがするが、同時にそれだけの相手であったことに興奮もしているアルドー。
次に相手をするときは、奴を用心せねばな。
そう思い、次の出撃のためのメンテナンスを始めたのであった。
テリーは悩んでいた、(マリオンの仮面か…先のマリオン会戦ではエースパイロットとして活躍したらしいがなるほど、確かに強いようではある)
しかし見たところグウィン少尉と戦ってグウィン少尉が持ちこたえれてる所を見るにそこまで脅威ではないか…とも考えていたところ、
ビーー!ビーー!っとけたたましく非常ベルが鳴ったのであった。
テリーは急いで格納庫へ向かった。
格納庫に着くとケネスとリズ、そしてグウィン少尉がすでに準備を始めていたようだった。
自分も出撃準備をせねばと、出撃準備をしていると、グウィンが声をかけてきた
「マリオンの仮面がまたきやがるはずだ、今回は早めに助太刀頼むぜ」そういい、テリーの肩を叩くとグウィン自身も準備に戻っていった。
「了解です」そう言った頃にはグウィンはいなかった。
「せっかちな人だなぁ」と思い、今度は自分がグウィンの代わりに相手をするべきだな、と感じた。
「テリーだ!出るぞ!」そうオペレーターに告げ出撃するまでそう時間はかからなかった。
グウィンに通信をし、「少尉、マリオンの仮面は私が対応します」と言ったときには驚かれた、「おいおい!一人で大丈夫なのか!?」そう言われたが、「グウィン少尉こそ他の人の援護をしてあげてください、そっちのほうが、みんなが生き残る確率が高くなるはずだ!」そう言い返すと、「それもそうかもしれない」と納得してくれた。
しかし「危なかったらすぐに言えよ! すぐに助太刀に向かう」といわれ、(優しい人だなグウィン少尉は)と思ったテリーであった。
そうこうしていると相手のネイオンもやってきて、乱戦になったが、戦うべき相手はすぐ目の前にいた。
「お前がこの前のパイロットだな!!」
名乗りを上げろと言わんばかりに声を上げてきた。
「そうだ!」 「名を聞いておこう」
「テリー・キャンベル」 「テリーか、私の名はアルドー・サイクス、覚えておいてもらおう!」そういうが否やビームサーベルを振るってきた、テリーもビームサーベルを起動し、受ける、アルドーの使う剣術は帝国剣術で、帝国人が使うには最もポピュラーな剣術であった、攻めに傾倒した剣術で攻め7守り3の割合の剣術である。
テリーも応戦するがこちらは共和国剣術、もちろん共和国人が使う剣術としてはポピュラーな剣術でバランスがよいとのことで有名である、攻め5守り5のスキの少ない剣術である。
自然とアルドーが攻めてくるので、受ける形になったテリーだが、テリー自身はそれほどアルドーの攻めを受けるのは苦ではなかった、むしろ楽な部類である。
上段、中段、下段とすばやく突いてくるがそれを受け、こちらも突き返す、相手が切り払ってきたらこちらはそれをかわし、逆に切り払う。
(確かにエースパイロットの腕はあるが、まだそこまでの腕だな)テリーからするとまだまだのレベルだということがわかった。
剣を合わしてるうちにアルドーは自分とは役者が違うことを感じ始めていた。
思えば最初にあった時の一撃で、既に警告はされていたのだろう、自分の実力不足が明白になった今、死を覚悟していたが、不意に蹴りを食らわされ、態勢を崩された。
その隙にコックピット近くにビームサーベルを突きつけられ、勝負は終わった…。
「下がってもらおうか」テリーが言う。
「この屈辱いつか倍にして返してくれよう」
そういったアルドーは手を挙げると、すぐに部隊を纏めて下がっていった。
「テリーお前すげぇじゃねぇか!!」グウィンが通信で声をかけてきた、他の連中も手放しにテリーを褒める声で一杯になったのだが、テリー自身は「大したことない」の一点張りで、格納庫に帰り、自分の部屋に帰るのであった。
「まぁあのくらいは当然だわな」そういうケネスにリズが食いついた、「あのくらいが当然なら、本来はどのくらいなんだ!?」
おっと面倒なのに捕まりそうだ、そう感じたのでケネスも自分の部屋に逃げ帰ることにしたのであった。
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