人々が突然雪になって消失してしまう現象が、日常になった世界。主人公は、姉が目の前で雪になるのを目撃してしまう。そこに突如女性が現れ、姉だった雪を集めていく。主人公の悲しみも、思い出に浸ることも、無視ような女性は、「姉」を小瓶に詰めて渡してくれた。そう女性もまた、大切な人が雪になってしまっていたのだ。
主人公は女性の家で、テラリウムという世界を知る。それは瓶などの中に、世界を閉じ込める作業だった。そして二人が向かった先は――。
現実の世界とテラリウムが巧く重なって見えて、作者様の世界観の作り方がとても良かったです。また、人が突然雪になって消えるという設定も、死とは別の離別を表現するのにぴったりでした。また、そういった設定の世界観でありながら、重くなりすぎないキャラクター設定で、切なくて、温かいものを表現していたと思います。
雪降る今季に最適な作品です。
是非、御一読下さい。