3話 ステータス
真っ白な空間で、女神が【言語理解】と力を授けようって言っていたことを思い出す。
力を授けると女神が言っていたのは、【お楽しみに♪】の方で、【念話】ではなかったようだ。
うーん。今、悩んでも仕方ないか。
ファンタジー系の小説は、チートとか化け物ステータスとか受けのいい話ばかりだったけど、現実はそうにも行かないか。
ひそかに、願っていたけどね。まぁ、現実を受け入れるしかないな……。
先程、唱えた【次元収納】を思い出し、ステータスプレートの中にあるか探ろうとしたが、無かったことに落胆する一方で、【念話】があることに有難さを感じていた。
もし、【念話】がなかったら、メシアとの会話が難しくなっていただろう。
【言語理解】は[聞く]を前提に、言葉を理解することだ。そう、[聞く]が出来ない俺にとっては[読む]しかできないのだから。
補聴器が使えなくなる時が来るまで、音とかそういったのを魔法で聞き取ることが出来るようにならないといけないな。
1つ、気になることがある。
スキルポイント:100って、なんだろうか?
スキルポイントの文字を触れてみると、スキル一覧がずらりと表示される。
どうやら、レベルアップとか、スキルポイントを貯めることで欲しいスキルを獲得するシステムのようだ。
貯めたスキルポイントを消費することで、スキルを獲得する流れになるのか。
ゲームのようだと、唖然する。
あの女神は、ゲームの神様なのかと疑うほどに。
スキル一覧を眺めると、何か思い出したように【鑑定】、【叡智】、【次元収納】というスキルがあることを脳裏に浮かぶ。
この三つのスキルなら、便利ではないか。
スキル一覧の中に、そういったスキルがあるか探してみると、
あ、あった!
___________
鑑定:スキルポイント 30
叡智:スキルポイント 50
次元収納:スキルポイント 20
____________
全部とれるみたいだ。本当に全部合わせて、100って偶然なのか、女神の悪戯なのか?
都合のいいことは、ろくでもないに違いない。
他のスキルも、見てみよう。
神のスキルってのもあるかな? あ、あるんだ……。
______________
時間支配:スキルポイント 900000000
万物創生:スキルポイント 1000000000
______________
必要ポイントが、9桁以上であることに驚いた。
こりゃ、ケタ違いすぎてムリじゃねーか! とステータスプレートにツッコミを入れてしまった。
ふぅ……。
ひとまず冷静になりつつ、黙り込む。
さて、俺はこれからどうするべきか。
補聴器の電池が切れて使えなくなる時が来るまでに、音や振動などで反応できるスキルを身につけた方が、賢明だろう。
魔法の世界だから、音とか振動は魔法を使えば出来るかも。
スキル一覧を眺めると、そのようなスキルはなかった。──というより、音に関する知識が乏しいため、答えが思い浮かばない。
やっぱり、【鑑定】、【叡智】、【次元収納】を先にとってから、レベルアップしておこう。
──よし、取ってみるか! 100ポイントをつかって、タッチっと。
ピピッ──。
【鑑定、叡智、次元収納のスキルを取得しました】
スキルが取れたことを安堵し、このまま寝ようとしたが、やっぱり不安になったので、寝る前に確認しておこう。
では、ステータスオープン!
_______________
種族 人間 LV1/100
名前 イツキ:タキシマ
HP:100
MP:1000
攻撃:100
防御:100
魔力:1000
精神:1000
スキル所持:言語理解、念話、【お楽しみに♪】、鑑定、叡智、次元収納
スキルポイント:0
称号:異世界からの来訪者、叡智を司る者
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目が点になり、幻覚かと思うほど、目を擦ってしまう。
ん……。んん……? んんん……?
MPと魔力と精神が100から一気に、1000に跳ね上がってる!
……もしかして叡智か!?
叡智といえば、メーティスとかギリシャ神話に登場する女神だったな。
あれも神のスキルの1つだっけ? って、なんで、50だったの?
かなり混乱してしまい、言っていることが、めちゃくちゃになってしまった。
ダメだ……混乱してきた。色々ありすぎる……。
疲れてるせいか、整理がつかないわ。頭の整理は睡眠に限る。
うん。寝よう。おやすみなさい。
思考を放棄して、ベッドへ潜り込んだのだった。
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