13.宇宙鮫
「これは剝製か」
大きな魚類が、ガラスケースの中に吊られていた。
「“宇宙鮫”は、かつて存在した水棲生物を元に改造されたサイボーグ兵器です。一見すると生物そのものですが、体内は七割ほど機械に置き換わっています」
剝製の隣に、ホログラムで断面図が浮き上がる。
「兵器って、これをどうするんだ?水中専用?」
「いえ、これは名前の通り宇宙空間で使用されました。宇宙を『泳いでいた』という記録が残されています。宇宙船の装甲を食い破ったとも」
「……?…………?????」
何かの間違いでは。
「どうして鮫を?」
「開発者曰く、『鮫なら行けると思った。宇宙でも』と」
狂信的である。
「戦果はどうだったんだ」
「敵味方双方を一匹で破壊し尽くし、戦争を終わらせたとか」
「え」
「映像記録も残っていますよ。『スペース・シャーク』、絶賛配信中です」
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