8.流れ星
「こちらは、アーカイブコーナーになっています」
ガラスケースの中には、ホログラムの惑星が浮いていた。
茶色い星は、巨大な煙突のようなものが四方八方に大量に突き出し、相当不格好になっている。
「記録だけが残っている現存しない兵器などが、ホログラムや模型などで再現されています」
「これはどういうものなんだ?」
「“流れ星”は、惑星特攻兵器です」
「特攻兵器?」
「はい。特徴的なのは、宇宙からでも肉眼で確認できる円柱状のスラスターです」
ホログラムの、煙突のような突起から推進剤が噴き出す。
「“流れ星”は、敗色濃厚な戦争の末期、負けを悟った星の住人たちが母星を改造して誕生しました。これは惑星を弾丸にして敵対勢力の星に叩きつける兵器として完成したものの再現ホログラムです。ワープ機構を星そのものに搭載するという規格外の兵器で、唯一無二のその性能は兵器マニアの一部の方々から熱狂的な人気を誇っています。莫大なエネルギーは星の核から熱エネルギーを吸い上げることで賄われており、これを撃ち込まれた際の被害規模は想像もつきません」
「成功したの?」
「伝聞によれば」
狂気の産物である。
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