冬尽くすのお手伝い緊急事態編
冬尽くす空気が、窓からわたしの部屋を浸食する朝に身を震わせていた。
新聞を見れば、数年に一度の大寒波らしい。
ふと、外を見れば、真っ白なドレスを翻して踊る未言巫女がいた。
「あー、こんだけ寒いならそりゃ冬尽くすも出るよね」
「ええ、そうよ、母様! 人間のみんなが、人の触れ合いを通して拡大する感染に、身を縮こませて立ち向かおうとしているのよね! それなら、外に出られないくらいに冬尽くして、間違いを冒す人を減らすのがわたくしの役目だと思うの!」
「ちょっとまておい」
未言屋店主の脳裏に、昨日から知った寒波被害が過る。
物を吹き飛ばす千葉の暴風、佐賀の積雪で二条は車の運転を諦めた、地面も凍るような寒さ、日本海側では吹雪が命もなにもかも関係なく責め立てるだろう。
「大惨事に大惨事をぶつけるとか、なに考えてんのよ!?」
「ふふ、そんなに褒められると、照れてしまうわ。Vive L'iver!」
「まて! 褒めてない! 気温を更に下げるなー!?」
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