第3話  ニューハウス ニュー幼女

 俺はアサトと一緒にニャルが出した空間の歪みに入る。

 そしてさっきとは違う空間に出る。なんかこう……虹色でぐにゃぐにゃの空間の中に足場がありその中心に立派な建物がある。あれが別荘だろう。


「ほい。あれが別荘な~」


 黒髪の女性の姿をしたニャルがそういう。

 そう言いながらささっと別荘の前までニャルがいく。

 そして別荘の扉を開ける。そこには……普通の家の内装だった。


「意外と普通なんだな」


「まあくつろぐための別荘だしね~どんなだと思ってたの?」


「え~と…こう殺人現場的な?その辺に人間の死体とかあるかと……」


「あたしのことなんだと思ってるの!?人間は面白いからむやみに殺したりなんてしないよ!?」


「むやみ以外には殺してんじゃん…やっぱり。いいか、ああいう邪神にはなっちゃだめだぞアサト」


「……うん。わかった」


「あたしの扱いがひどい……てか邪な神で邪神なんだけど」


 そんな話をしながら中に入る。広いリビング。立派なキッチン。大きなテレビなどなかなか整っている。……テレビどうやって電波とどくの?

 なかできょろきょろと俺とアサトがしているとニャルがいう。


「とりあえず今日はもう寝たら?ずっとあの空間にいてわかっていないかもだけどもう夜だよ?」


「このグネグネの世界の中で夜って言われてもなー」


「景観だけはどうしようもなかったのよ!仕方ないでしょ!」


 そんなやり取りをしていると隣にいるアサトが目をぐしぐしこすっている。


「眠いのか?」

「……ん…」


 少し頭をフラフラさせている。体が子供だから精神も子供みたいになっているのかもしれないな。


「ニャル寝室は?」

「んと……右から2番目の部屋使っていいよ~一番右はあたしねるから~」

「了解ー。じゃあおやすみなー」

「ほいほい。おやすみ~」


 そういって俺は眠そうなアサトを抱き上げ寝室に連れていく。アサトをベッドに連れていく。そして俺は……その辺で寝よう。

男として多分これが正しいんだよな。

 そう思いベッドから離れようとするとアサトが手を握り、


「…んむぅ……一緒……」


 といってきた。

しょうがないな。俺はアサトの要望に応え一緒にベッドで寝ることにした。決して俺の手を握っていたアサトの手が全く外せずにあきらめたわけではない。ないったらない。

まあよくよく考えれば俺より確実に年上だし問題はなかろう。

そうして俺はアサトとともに眠りにつく。


( ˘ω˘)スヤァ………



◆◆◆◆◆



 ―翌日


 おはようございます。いい朝ですね。

外はグネグネだけどなっ!えっなんでテンション高いのかって?

実は今困っててな。

無理やりテンション上げて頭まわそうとしてるんだわ。

 でその困りごとの種なんだが……おれの横で寝ているの幼女なんだわ。

……そう二人である。俺の横右側にはアサトがいる。

これはいい、知ってたから。

問題は……俺の左側だ。なぜか銀髪のゴスロリ幼女がいる。

 ……どちら様?


 ちなみにだがニャルではない。何故なら寝室の向こうの部屋から大声でニャルの


「にゃるしゅたん~♪にゃるがしゃんな~♬」


 という歌が聞こえる。ていうかうるせぇ。


 まったく見当もつかずにいるとアサトが目を覚ます。


「…ん…おはよう……」

「ああ、おはよアサト。ところでアサト、この子知ってる?」

「?」


 俺はそう言いながらゴスロリ幼女を指さす。するとアサトは不思議そうに言う。


「昨日からナユタと一緒にいた子」

「んん?」



 昨日からいた?俺と?全然覚えないんだが?

 そうやって俺が混乱していると隣のゴスロリ幼女が目を覚ます。

 すっと起き上がりこちらを見ながら目をぱちぱちした後にゴスロリ幼女は口を開いた。


「おはよう。マスター」

「うん。おはよう……じゃなくて…お前誰だ?」

「 ? 私はマスターの魔導書のリベルギウス」


 ……ああ。ようやく謎が解けた。うん確かに昨日から一緒にいたね。

 ……いやいやそうじゃないだろ。てか魔導書に意識ってあんだな。

 まだ少し混乱しながらリベルギウスに疑問を聞く。


「…なんで人型になってんの?しかも幼女」

「アサトを参考にした」

「……なんで?」

「小さいほうが撫でやすいという意見を採用した」


 何とかリベルギウスの思考に自分の思考が追い付いてきた。ようするに……。


「……撫でてほしかったのか?」

「肯定」


 そして撫でてほしそうにこちらを見ている。アサトもおなじ感じでこちらを見ている。しょうがないにゃぁ。俺は二人の頭を撫でる。二人とも気持ちよさそうだ。

 よかったよかった。


「リベルギウスだと長いから呼ぶときはベルって呼ぶぞ、よろしくなベル」

「了解。よろしくマスター」


 ようやく状況が落ち着き隣のリビングに3人で出る。

 そこには料理をキッチンで作っている。黒肌の青年がいた。ニャルだろう。


「ウェイ、おはよう~」

「おう、おはよう」

「ん、おはよう」

「おはよう」

「目玉焼き出来たけど食う~?」

「ああ、サンキュ。変なものはいってないよな」

「……これに何か入れたらわかるだろ……俺をなんだと思ってるんだ…」

「暇神」

「即答すんな!」


 そう言いあいながら俺たちは朝食をとるためテーブルの席に着く。

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