君に出会えたことが、俺にとっての何よりの宝物♪
☆【長】『レクイエム』作者……鴉さま
※ 主人公がカッコよく変わる、生き様が魅力の作品。また登場人物一覧における紹介文も、必要最低限に抑えてあります。
『登場人物一覧』
また正常な男性・女性が嫌悪感を示すようなアニメや同人誌・漫画などを収集している。築二〇年のアパートで一人暮らしをしており、年収は約四〇〇万円で、アパートの二〇五号室に住んでいる。そこそこの新車を購入できると説明があることから、それなりの貯蓄はあるようだ。
大学生の時に琴音という彼女がおり、その時にくれた誕生日プレゼント(ipod nano)を今でも大切にしている。また物語が進むにつれて、何故かカラスの姿が多くなる。統合失調症が関係しているのか?
音楽が趣味(高校二年生に始めた)で、学生時代にバンドを組んでいた。仕事の傍らライブ活動も行っており、PVも公開予定。咲の声を聴いた和彦いわく、心が落ち着く綺麗な歌声とのこと。
しかし同僚(特に女性社員)からは評判が悪いものの、後に正社員登用試験を得て正社員となる。
同じ会社の総務部に所属している女性社員、猪瀬 貴子と付き合っている。彼らの仲は良好で、後に職場結婚することも検討している?
前半はお局的な役回りだが、後半に進むにつれて良い人のように思えるような説明がある。
大学卒業後は医学部の先輩と結婚している。だがそれも親からの指示のようで、本人は不満げ。子宮頚ガンを発症しており、余命は一年。和彦に会いに来たという場面があることから、今でも彼に好意を抱いているようだ。
『特徴・印象に残った点』
一 人並み以上に優れた長所や才能を持っていても、それを活かす機会がなければ無駄になってしまう……と思いました。本人の能力が必要なことはちろんですが、それを開花させるタイミングや機会をはじめ、色んな人脈も必要なのだと考えさせられました。和彦と咲の夢をかなえるサクセスストーリーとして、とても見どころのある物語となっています。
同時に夢を諦めないことはもちろんですが、仕事とは別の趣味を見つけることの重要性についても、改めて考えてしまいました。
二 一度は諦めかけた音楽に対する情熱を取り戻した和彦と、ひたむきに夢に向かって前を歩き続ける咲の気持ちがつながるまでの流れが、とても面白かったです。最初はどこかぱっとしない和彦が、咲の音楽に対する情熱に触発されるかのように、生きがいと夢を取り戻す場面は必見です。
『気になった点』
一 生前の琴音がどうして〇〇という力を持っているのか、終始分かりませんでした。統合失調症と結び付けるという点は面白かったのですが、それを踏まえても生前の琴音が謎の力を持つ理由が分かりません。
仮にこの設定を活かしてストーリーを進めるのであれば、最初から琴音は子宮頚ガンが原因で他界している――という形で演出すれば、幽霊となったことでその力を身につけた……という内容の方がまだしっくりくるかなと思います。
二 咲の『光画舎自動車』へ入社後の待遇について、ある疑問点が残りました。
第一〇話のエピソードの中で、上司の評価が高いことから咲の時給が上昇した――という内容があります。しかしこの時点での咲の入社歴はわずか二カ月ちょっと、かつ入ったばかりの派遣さんが二〇〇円も時給が上がるとはちょっと考えにくいです。
仮にわずか二カ月ほどで咲の時給が上がるという設定であっても、高く見積もっても数十円が妥当だと思います。
三 作品のジャンルが「現代ドラマ」ではなく、「恋愛」に分類されています。この「月影図書館」におけるジャンルは「現代ドラマ」と限定しているので、その点についてはしっかりと認識して欲しかったと思います。
四
特に子宮頚ガンは琴音という女性の命にかかわるほど、本作では重要な意味を持っています。そのため箇条書きほどの配慮があれば、より内容の濃い作品に仕上がります。
双極性障害……精神障害(気分障害)の一種。急にハイテンションになる・判断力の欠如・突然暴力的になる、などの症状がある。薬物療法(精神安定剤や向精神薬などの服用)によって、治療が行われるケースが多い。
昔は
子宮頚ガン……
HPVの発症原因の多くは性行為によるもので、以前は三〇代~四〇代の女性に多く発症事例があった。しかしここ近年の医療研究結果によると、二〇代の若年層でも発症するケースが急増していると報告されている。
『総合評価』
最初はオタクという身分を隠しながら社会に貢献する物語と思っていましたが、実は和彦と咲の夢をかなえるというサクセスストーリです。夢や向上心を持ち続けることの素晴らしさを、私はこの作品で知ることが出来ました。
お互いの心に眠る意外な才能に惹かれるという作風も、読んでいてとてもリアリティがある内容だと思います。
『レクイエム』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます