第154話 集う仲間たち 3 全員集合!
「え!? なんだって!!??」
俺は因果を断絶するディスペル系S級チートを最大出力で行使した――んだけど、
「
「なん……だと……?」
効いていない、だと……!?
「要するに『
マジかよ、こんな簡単にS級チートが無力化されるのかよ。
これがSS級の実力……改めて、俺よくこんな途方もない相手に立ち向かったよな……自分で自分を
「での、話を戻すんじゃが、あの街に戻ったものの
「俺んとこに来るのは、もう揺るぎのない確定事項なんだね……」
でも、この調子ならさすがに寝首をかかれるってことはなさそうだし、男の子の理想を体現したようなえっちなお姉さんと同棲できると思えば、ぜんぜん悪くないな。
――ごめんなさい、今ちょっとスカしてカッコつけました。
えっちなお姉さんとのとの同棲、大変とってもものすごく期待しております。
「そうだよな、困ってるお姉さんがいるんだ。手助けするのは当然だよな、人として」
まぁサクライ家は「俺ん
「ん? でも奥方殿? ……ってあれだろ、つまり奥さんってことだよな? えっと、誰の?」
「それはもちろん
「え、俺の……?」
豆鉄砲をくらった鳩がいたら、きっと今の俺のような顔をしていることだろう。
長きにわたる童貞を清く正しく美しく、耐えがたきを耐え忍びがたきを忍んで生き抜いてきた俺が、実は結婚していただと!?
「お前は何を言っているんだ」
思わずマジレスした俺だった。
「ほれ、ウヅキと言ったか、あの勇敢なる少女じゃ。もう既に一緒に住んでおるのじゃろ? 別に隠さんでもよいぞ?」
「ああ……いや、ウヅキとはまだそういうアレではないんだ」
「よいよい、分かっておる、分かっておる」
《
「その反応は間違いなく、分かってない時の典型的な反応だよね?」
「それにの、
そしてさくっとスルーされた俺のツッコミである……。
「その辺、
「え、あ、そう……?」
綺麗なお姉さんにそんな風に言われるのは正直嬉しいんだけれど、さすがに《
「それにの、おたまとしゃもじで
凄いなウヅキ。
神話を終わらせた伝説の《
――じゃなくてだな!
「なんか話がこんがらがってややこしくなってるんだけど、今ちょっと訳ありでさ――」
話は後で――と言いかけたところで、
「まなしー!」
またもや俺を呼ぶ声が聞こえた。
その声も、その呼び方にも、今度はしっかりと覚えがある――!
「ハヅキ! おまえ、どうしてこんなところに」
それはウヅキの妹、すっかり元気な様が板についたハヅキだった。
「まなしー、あいたかった、から」
「そうかそうか。うん、俺も会いたかったぞ」
駆け寄ってきたハヅキを優しく抱っこしてやる。
「サシャねぇ、おひさ」
「ハヅキちゃん、お久しぶりですの!」
ずっと俺の腕に抱かれたままだったサーシャも、嬉しそうにハヅキをぎゅっとした。
なんとなく、親子3人でハグしあってるみたいな感じになった。
もちろん、あくまでイメージだよ?
「っていうか別に久しぶりではないよな? 1日ぶりくらいだよな? いやいいんだけど。なんとなく俺も1ヶ月以上会っていない気がするし」
「うにゅ?」
「まぁそれはそうとして。どうやってここまで来たんだ? ディリンデンからじゃ遠いってレベルじゃないだろ?」
「それはもちろん、
「ドラゴンさん、すごかった。とりさん、より、はやかった」
「おー、そいつはすごいな」
「うにゅ」
「ふふん、
「おまえ
「ほれ、話しているうちに奥方殿もやってきたようじゃぞ」
言いながら《
「ウヅキ! それにナイアも!」
「セーヤさん、えへへ、来ちゃいました」
それはもう嬉しそうにはにかんだウヅキと、
「やあ、セーヤ。また人助けをしてるんだってね」
映画のワンシーンのように、爽やかに手を振るナイアだった。
「なんだ、二人も来てたんだな」
「《
申し訳なさそうに縮こまって言う姿は、うん、さすがウヅキ、めっちゃ可愛いぞ。
「アタイは《
「おう……悪いな、ナイアにはほんと苦労かけてばかりで……」
「やれやれまったく、人族というのはいちいち心配性よのぅ」
「いや心配もするだろ。お前の気分次第で下手したら帝都が地図から消えるかもしれないってのに」
「
「言わないよっ!?」
夏休みの宿題を全くしていなくて8月31日に、
「ノストラダムスの大予言で、世界が滅びて新学期が来なければいいのに」
と願った、どこぞのアホな男子小学生じゃないんだからさ。
はい、それは子供のころの俺です。
どうしようもないアホでした。
「ところで
「そうだ、うん、そうなんだよ。せっかくだからみんなにも聞いてもらおうかな。実は、かくかくしかじかでさ――」
俺の他に、サーシャ、クリスさん、シロガネ、ウヅキ、ハヅキ、ナイア、そして《
一気に8人の大所帯となった仲間たちに、俺は状況を説明したのだった――。
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