第2話 ダウンロード

 昨日、封印は拾った手紙をただの落書ではなく特別な招待状。だと思い込むまでに、そう時間は要さなかった。

どちらかとゆうと、変哲のない日常に、平凡を打ち砕くような誘いがあってほしいものだ!!

封印は、既にその手紙がその誘いなのだと期待大であり、騙されてみる価値もあると思っている。 むしろ騙されるかもしれない、とゆう後退を意味する恐れなど、微塵もなかった。

「さぁ、この剣を抜きなさい。選ばれし勇者よ」 

と、ロングヘアーの似合う 一この世を創造した女神の様な人が空中に突如現れ、剣の在り処を指差し、口パクでなにか (行きなさい?)と マップを渡され、旅がはじまる。そんな冒険ストーリーが人生の序盤で降ってくるのは王道RPGファンタジー物ではよくあることだ。初め、言われた方は、翻弄して旅に出るまで多少の時間がかかるかもしれない。

封印のそんな情報が詰まった脳の思考の回路の中にも、ホコリをかぶった『王道RPG初心者スタート(仮)』とゆう回路が、脳のどこかに組み込まれていた。その、初心者キットの様な手安い回路に、拾った手紙が俊敏に反応し、昨日の一時間目の授業が終わる頃には

封印は、 一緒に連れて行くペットの事を考えていた。

冒険といえば、その助けをするペットがいなくては。

しかし、あいにく家はマンションでペットは居ない。一人、孤独の厳しい旅になりそうだ。

とかく、街の、大勢の中二病患者の中から今日、一本前へ。勇者の剣を抜く者が現れる。そんな、妄想を繰り広げていると、そわそわしてきた。馬鹿になれるための、平和と時間が有り余る。

そう思い颯爽と自転車で、帰ってきてベットで横になっていたから

手紙の謎もまだ学生カバンのチャックのある中に入れたままだった。

あっそうだ

携帯を取り出した。今日あのゲームをダウンロードしないと明日は早川に言い訳ぐるしい。それに12月は寒くて、寒くて、外に出る気持ちになんて、到底なれない。

よいしょっと 腕をベットから名一杯伸ばし、ストーブのスイッチを入れ腕を戻すときにはもうダウンロード完了マークが出ていた。スタート。

ティロッチィー ティティっ

単音のメロディと共に、2センチぐらいの女の子のような、一頭心のキャラクターが出てくる。ティティッテぃ 育てろ と言っている。

ティティ ティティっ ティティ ティ

一一

3時間ぐらいやっただろうか。外は、すっかり暗くなっている。

レベル8になった。とにかく、このキャラクターを育てながら途中横に行ったり上に登ったりしながら障害物を壊し、道を作っていくようだ。レベル10になったら洋服や顔を変えれるようだった。途中で現れる、バクとゆうウィルスは1粒の点のようなもので不定期で1つ現れ、それから画面を真っ黒に塗りつぶすまで増殖し、作った道を壊してくる。より早く、バクを潰すには武器の強化や、道の工夫が必要である。っぽかった。

うん。

封印は感想文や、日記が大の苦手であった。どんな感動する出来事も封印は、自分が言葉にしたら相手に伝わらないからだ。だからこれからも、このゲームに関しても やってみて!と体感を進めることにする。


お風呂に入りなさいとゆう声が下の階から聞こえてくる。

封印は冷たい床に足をだす。着替えを取り、ドタドタ階段を駆け下りた。


その時、ベッドの上の携帯画面では

バクが1つ顔を出し、画面を黒く塗りつぶした。

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