1章 第2話
大きな学校の屋上に16歳と思われる少女が2人たっていた。その2人はお互いに向き合っていて睨み付けあっていた。どちらも同じ顔で姉妹である。
その姉妹がお互いに手から何もないところから出現させた武器をかまえる。1人は鎌をもう1人は2銃をとりどちらも動かない。10秒程経った頃2人が同時に動く。
まず銃持った少女がもう1人の少女の頭に目掛けて撃つ。しかし鎌で防ぎ今度は鎌を持った少女が銃の持った少女の首を目掛けて刈り取るが、バックステップで避けられる。
今度はこちらの番と言わんばかりに、銃を構えて異能を発動させ撃つ。すると、その弾が分裂して無数に増え空気を切り裂いく。鎌を持つ少女に迫るが鎌で全て防がれる。
「どうしたの?アスガ、この程度で私を殺せると思ったの」
「うるさい!私は絶対にヒナガお姉ちゃんを殺す!」
「こんな状況でも私をお姉ちゃんって読んでくれるのね。でもね、もう私はあなたの姉でも何でもないの。分かる?敵なのよ」
そんなことはとっくに分かっている。それでも、また昔のように自分とヒナガお姉ちゃんが幸せに過ごせるかも知れないと心の何処かでそう思っている。しかし、もう後には戻れないのも事実なのに変わりはない。
こうしている間にもこの地球はあのレッド・ムーンにより侵食が迫っている。あれを止めるにはまず例えヒナガお姉ちゃんを殺してでも止めなければならない。
「ねえ、ヒナガお姉ちゃん。私達どうして殺しあっているのかな?どうしてこんな事になったのかな。神様はどうして私達をこんな目に会わせてくるの?」
そう、全ては神様と名乗る人物に引き起こされた事により世界は今、レッド・ムーンの光を浴びた人々は
人々に残されたのは異形に傷をつけられてもならない耐性と戦う力で世界と戦うかそれだけだ。しかし耐性は完全ではない相手のウイルスが耐性より数値が越える者は異形になってしまう。だから、出来る限りの攻撃を避けて戦うしかないのだ。
「神様は私達にこんな素晴らしい力を与えてくれたのよ。異形になってしまった人達は単に素質がなかっただけなの。でもね私とアスガは選ばれたの、だから世界は私達の思うがままに出来るのよ。でも、アスガはそうしなかった。何故?どうして?ねえ、教えてちょうだい」
「ヒナガお姉ちゃんが何を言っているのか分からないよ!ヒナガお姉ちゃんはこれで良いと思うの?こうしている間にも世界は終わりを告げようとしているの!後3年よ、3年で世界は全てレッド・ムーンに呑み込まれるの。私はそうなる前に神様の居場所を見つけて倒さなければいけない」
このままじゃあ私達は完全に消滅してしまう。それは、ヒナガお姉ちゃんも分かっているはず。それなのに何故、そうまでして異形と味方をつけてまで私の邪魔をしてくるのか私はそれを知りたい。
「別にあなたごときに神様を倒せる筈も無いけど、もし神様の邪魔をするなら私はあなたを殺してでも止めるわ。それが嫌なら私と一緒に世界の終わりを見届けましょ、アスガ」
ヒナガお姉ちゃんはどちらにしろ世界の事などどうでも良いと言っているみたいだ。なら、もう覚悟は決まった。私は銃を構えてヒナガお姉ちゃん、いや、ヒナガの頭に弾を撃つ。その弾は火に包まれながらヒナガの目の前まで迫る。
「本当に馬鹿な子ね、アスガ」
火に包まれた弾が一瞬にして消えた。私はそれに驚き気づいた時には目の前までヒナガが目の前まで来ていた。私はその場に離れようとするが足が何かに捕まれて体勢を崩して地面に後ろから倒れ込む。私は立ち直そうとするが首も何かに捕まれて地面に引きずられる。苦しい!その時には手足首が地面に固定されていて動く事が出来なかった。
「ぐっ!ヒナガ!」
「あら、今度はお姉ちゃんとは言わないのね」
ヒナガはそれで良いのよと言って鎌を私の首もとまで近づける。しかしピタリと止まって動かないままこちらを見ている。どうしたのかな?私を殺すなら早くしてほしいけど。死にたくは無いけどね。
「殺すのはやっぱり止めにするわ。その代わりあなたを私の人形にしてあげる」
「何を言っているの?」
一体何をと思っていると、ヒナガはポケットから何かを取り出した。それは青く光った宝石のような石を持ってレッド・ムーンに向けてかざすと青から赤に変わり始め心臓のように動き始めた。
「これは神様から貰った私への贈り物。この石はね、別の世界線から持ち出したものブルー・メテオのコア、いわば心臓の一部の破片なの。でもね、このコアは今のままではただの光る石のままになってしまっているの。だから、こうやってレッド・ムーンの光を浴びさせる事によって心臓としての機能を取り戻すの」
これでアスガの新しいもう1つの心臓としてコアを埋め込んであげると言って私の服を切り裂いた。動けない私はこれからされる事にただ見ることしか出来なかった。嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!もし私の心臓にコアを埋め込まれたらどうなるの?私まで異形になってしまうの?駄目、そんなのは絶対に駄目。
「痛いのは一瞬だから安心して、あなたは私の大事な妹だから決して酷い扱いわしないから。これからは仲良く2人一緒にいましょ。ね」
ヒナガは、いや、ヒナガお姉ちゃんは私に優しく微笑みながらコアを胸の心臓辺りに近づけてきた。ああ······私、ヒナガお姉ちゃんと一緒にいられるのなら別に何だって構わないや。もういっそうの事、私をたくさん犯してくれると嬉しいな。そして私は来るべき事に目を瞑って待つ。しかし、一向に痛みが来ないから目を開けるとヒナガお姉ちゃんの手はどこからか伸びている包帯にガッチリと巻かれている。
「全く、お前ら2人揃って一体何をやっているんだよ。これはどういう状況なんだ?ヒナガ、アスガ」
私は声のした方向を見ているとそこには人、いやミイラ男が翼を生やして空を飛んでいてそのミイラ男の手から包帯が伸びていてヒナガお姉ちゃんの手を巻いて塞いでいる。あいつ一体誰?それにさっき私達の名前を言っていたようだけど。
「あんた誰?一体何の用か知らないけど今、良いとこなの邪魔をしないで頂戴」
「まさか、お前らってそう言う関係なのか?いや、幾らなんでも姉妹とは言えそれはないと思いたいが。待てよ、もしかして俺のいた地球のあの2人も第2の地球にいた2人も実は目の前でやっている2人と同じ事を僕がいない時にやっているとかあるんじゃないだろうな」
私はこのミイラ男が何を言っているのかサッパリ分からないけどあいつは味方なの?それとも敵なの?どっち。
「アスガ、少しの間だけ待っていてお姉ちゃんが今すぐにあいつを始末するから」
ヒナガお姉ちゃんは鎌で手に巻き付いている包帯を切ってほどくとミイラ男の所まで歩き立ち止まる。
「これじゃあ、ちゃんと話ができるわけないか。はあ、仕方がないここは一旦おとなしくさせるしかないな」
こうして第3の地球での初の戦いが始まろうとした。
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