10月25日ーたまには寄り道も悪くない

 

 私は今週、規則違反をした。

 小説のことしか考えないという規則。それを破って私はゲームでキャラを育成していた。経緯については以下の作品に記載しており、今日の話は大体そこに書いてある。


 ゲーム初心者、育成の沼にはまる

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054887343603


 小説に関係ない訳だが、それでも得られるものはあった。主に二点ある。


「見つめる鍋は煮立たない」という諺がある。「何かを待ち続けることは、長く感じられて辛い」という意味だが、評論家の外山 滋比古氏は著書「思考の整理学」にて上記の言葉を「一点のことに集中しすぎても思うように実らない」と言い換えた。

 詰まった場合は敢えて寝かせる。休眠中に他の事柄が混ざることで、予想外の観点や側面、衝撃に足るものが生成されることがあると説いている訳だ。

 私がゲームと対峙している間、自分の中にエネルギーが溢れるのを感じた。他のものが介入する余地などない、激流のような一時だった。

 この感覚だ――私はすぐに思った。この感覚を小説や他の作業にも発揮できれば、とてつもない力になるに相違ない。

 小説にもその片鱗は出ている。現に上記の作品は三千文字だが、かかった時間は一時間と少し。普段の三倍の速度で書き上げたことになる。

 何が普段と違うのか。書いていた当時のことを振り返ると、どうにも文字選びに躊躇いが見られなかったように思える。起こったことを淡々と書いていく。横道に逸れることなく、それだけを繰り返す。なんと難しいことだろう。

 今となっては想像しようもないが、一旦小説から離れたことが良かったのか。「やり尽したこと」より「やっていないこと」の方が書ける内容が多いのは当たり前のことだろうし。


 二点目については、端的に一言――「攻略サイトはいいぞ」ということだ。

 特に語ることもないが、人の中にはどうしても「楽して手に入れたもの」に対する嫌悪みたいなものがある。「楽して金稼ぎ」に願望を抱きながら、決して認めようとしなかったり、「楽して出世」には陰謀や裏工作を感じてしまう。

 対して、苦労人のエピソードというのは心を惹かれるし、応援もしてくれる。ただ効率が悪かった、質や量が不足していただけかもしれないのに。

「攻略サイト」を覗けば答えはすべて載っている。自分よりも何倍も深く探究した人々が書き記した場所。確かに面白みが消失するという欠点こそはあるが、短時間で終わらせたい、最高の状態に持っていきたいという場合においては、利用しない訳にもいかない。

 自分で何でもやるのもいいが、どうしても好き嫌いや得手不得手はある。そんな時に選択肢の一つとして「楽してみる」があっても悪くはない。


 肩の荷が降りた。今日はここまで。

 

 

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