第11話 1-10 トイレ
スカイリンクで乗り継ぎ便場発着するターミナルに移動すると日本と同様な保安検査を受けた後、搭乗ゲートへ移動した。既に出発20分前で、搭乗手続きが開始されている。
広志は慌てて元春にトイレに行きたいと告げる。
緊張のせいか「大きいの」をしていなかったのを思い出す。
トイレに入ると、日本のような完全個室でなく、下が30センチ以上空いていて、中に入っている人の靴や足首までが丸見えだ。
人に見られていると思うと緊張してなかなか出ない。
隣では、豪快な音を立てながら平気で用をたしている。
『アメリカ人は凄い。』
そう思いながら広志もめいっぱい力んで用をたした。
外に出ると待っていた元春に
「ひとり旅ならトイレは早め早めに済ませること。ふたり以上だったら、列に並んでいる間に済ませること。」と言われた。広志は『ぐうの音もでません。』と言う言葉を飲み込み、
「ハイ」とだけ答える。
13時50分発AA62便マイアミ行きに乗換え、マイアミに到着したのは現地時間の12月28日19時。ダラスからマイアミは国内線利用であるためか、機内サービスは無かった。元春が広志のトイレを待つ間にダラスの空港でペットボトル入りの水を購入していてくれた。
日本では東京オリンピックを契機にプラスチック製品の廃止が進んでいるが、合衆国ではほとんど進んでいない。
アメリカの方が紙製のストローの導入は早かったのだが、ペットボトルはリサイクル体制がしっかりしていれば、環境汚染には繋がらないというアメリカ人らしい合理的な考えだ。
マイアミでオールアメリカン航空AA990便、23時発ラパス経由のサンタクルス行きに乗れば、現地時間で明日12月29日午前8時にはリーナ達の国に到着する。
◇ ◇ ◇
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