第2話 朝

めざましが吹っ飛んだ。 仕方なく起き上がる。13時間以上寝ることのある俺が、昨日深夜4時に家につき、7時に起きて3時間睡眠だ。この事を誰かに必ず自慢しよう。そう、思いながら、学生シャツのボタンを半目で止めている。

下宿の扉に肩からさげてたバックパックが挟まりドアに押し戻され、今日一番に発したのは、誰かに聞かれたいぐらい大きな舌うちだった。

余裕の時間に校門をくぐった。

まだ生徒の数もまだらな校庭をくぐり抜け下駄箱でフーーーっと、息を付き靴を床に落とした。

「ん」

白いカードが目に入る。見覚えがある。とゆうよりは、俺が大好きなカードだ。俺がここ一年、全勢力をかけてつぎ込んでいるゲームセンターのオンラインゲームのIDカードだった。拾い上げて裏返した。間違いない。

これを落とした、パイロット。 

雑に説明すると、これはロボットのパイロットになりチームで敵を倒すゲームなのだ。

このパイロットはかなり困ってるに違いない。学校内で探そう。見つからなかったらもう、交番に届けよう。俺はこのパイロットの事を思いながらきつくカードを握りしめて、教室に向かった。

教室では、担任の山本先生が忙しそうに教卓でプリントを重ねていた。

まだ若く独身のこの学校で、一番かわいい教師なので、学生にも人気がある。 

「せんせー」

わっと山本先生が驚き顔を上げる。

「何よしみ君いつもサボるくせに朝イチしゅっきん!?」

笑顔で先生に近づきガードを渡す。

「このカード靴箱で拾ったんだけど、多分本当に困ってると思うので、朝礼で探してください。」

先生は、カードを見つめている。

わかったからこれ配ってくれる?と笑顔でプリントを渡された。告白すると、山本先生と仲の良い図書室の先生の事を密かに好きだった。図書室の先生は、美人だけど学生たちの目に入ることが少なく、噂話にも出ない。大人しくふしめがちで、先生はいつも図書室に座り、本を読んでいた。

俺の中で学校はうるさくて、一人の時間が少なく、うるさいなら馬鹿になろうとより大きな声を出したら頭をたたかれる。 

覚えたタバコも吸えず、タバコを吸ってることを誰かに見られたかった。

ある日、授業中図書室の机の下に隠れていた。

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