第13話 金貨にキスを
「こんにちはー」
『あっ?何だてめえ……えっ?』
笑顔で声をかける
体を近付けて金貨に目がいった瞬間に周りから見えないように男へ【
「やあやあ久しぶり~みんなで中で話しましょう」
俺の演技も中々の大根だ、大体この世界はこんなどうしようもない奴ばっかりなのか?
中に入った瞬間に男には、お仕置きで拳骨を1発入れる、フラフラの奴隷の子には一応【
この男はドーマといい倉庫業で港からの流通物資を預る場所代で儲けてるらしい。
ドーマは犯罪奴隷の子供は、叩いたり蹴ったりしても、この国では普通の事で問題にならないと主張する。
そんな事はどうでもよい、もう一回拳骨してやりたい気持ちだ。
幼女は
見つめられたのが気恥ずかしくて逃げた形だ、大人として情けない。
奥には梯子で荷物を上に上に積んでいく筋肉質な男性の奴隷が4人程いた、命令させて1人は買い物に3人とドーマと
荷物を入れ終わる頃に男性奴隷が抱えきれない位の食材と飲み物を買って戻ってきた、代金は
全員で食事をした後、奴隷に少し優しくする事と子供の奴隷を今日は休ませるように指示して帰った。
成り行きだがしばらくドーマに、この街での情報役になってもらおう。
~*
『旦那、嘘はいけねぇですよ。店で休んでる話ですよね? 夕食の焼き魚冷めちまいましたよ』
戻るとレッドが頬を膨らませていた、なんか悪いことした気分になる不思議だ。
「悪かったな、旨そうだ食べるよ」
腹は一杯だったが無理矢理、口に放り込むもうパンパンだ何か生まれそうだ。
この体は成長期だから食事の栄養が、直ぐに血となり肉となり太る事は無さそうだ。
「レッド借りてた金を返すよ、ありがとう」
礼を言って掌に大銅貨を置いた。
「後、これを受け取ってくれ」
間を置かず袋を手渡す。
『なんすかコレ?・・・・何すか? 何すか? この金貨・・まさか』
「馬鹿、犯罪なわけないだろ持ってきた宝石が良い値で売れたんだよ、半分を受け取ってくれ」
『無理ですよ! こんなに貰えねっすよ!』
「レッド! つまらない事言うなよ! 俺に恥をかかせるなよ!」
『旦那ァそれってアッチの真似じゃねぇですか』
レッドは呆れている。
「要らないならヌイグルミを装着して貧しい子供に配って回れ、それにお前に遠慮は似合わない」
レッドは更に口を開き呆れている。
『もういいですよ旦那はいつも訳の解らない事ばかり言ってますけど今回はとびきりですよ。では、有り難く頂戴致しますマル』
レッドは金貨の入った袋にキスをして喜んだ。
俺は腹がパンパンで笑うと苦しいがそれを眺めると笑いが漏れて心地好かった。
「なるべく早く職場と住居を別にしたいんだが安全の為にも、それとお前の用事は済んだのか?」
『アッチは、街の統括ギルドに行って来て仕事の再開の届け出を出してバッチシ依頼を持ってたんですよ』
明日の為に今日は就寝する事になった、ベッドは1つしか無いから野宿のように一緒に寝る。いつものようにレッドが背中にくっついてくる、父親の気分だ。
旅の途中で聞いたレッドの身の上話では、レッドの母親は事故で亡くなっており先代の父親も仕事中に不慮の事故で死んだらしい、意外と苦労してるんだな。
ー ー ー ー ー * *
島には、小船の乗り合いで1時間で、到着した。
『いやぁ歳は取りたくねぇなぁ、なぁ?』
日焼けした胸元をシャツから覗かせて、葉巻をくわえる髭の老人がボヤく。
「そうですね」
この老人は今回の依頼で欠かせない先行き案内人のセーリュー爺さんだレッドの知り合いでもある。
来る途中に受けた、ピラニアンシャークという魔魚の襲撃も銛一本で撃退していた老武芸者でもある。
しかも物知りだ、何で街道に魔物が少ないか理解出来た街道沿いに魔獣が居るのは間違いないが、定期的に獣人兵部隊を王都と往き来させ間引いてるらしい。
若い衛兵の時は率先して同行していたとセーリュー爺さんは笑った。
更に出発前に魔物をポップアップさせる迷宮が近くの島にあり、結界とギルドで島の外に行かないように管理してると言っていた。 まさしくこの迷宮だろ。
今回来た依頼人の仕事が、この島の迷宮攻略だ内緒で冒険感覚で迷宮に向かった貴族のバカ息子達を迷宮から救出し奪還するのが依頼だ。
既に他の探索チームや島の討伐ギルドも派遣されてるらしいから、肩透かしを食らう可能性もある。
ブライア島
霊宮ラァストゥ救助奪還作戦が始まる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます