02 だからボクはシンディって付けたんだ
ボク、春日井結菜(かすがいゆうな)は手の中で最新携帯ゲーム機『サンテンドーターミナル』の画面を見つめながらAボタンを押した。
すると画面はネームエントリー画面になった。
画面上に五十音が順番に並べられ、それを指で画面に直接触れることで入力できるのだ。
「シ」「ン」「デ」「イ」と触れ「小字」を押すと「イ」が小文字になって「ィ」になる。
最後に「決定」を押すと画面が切り替わって、話が進み出した。
『シンディっていうんだね、よろしく』
ヒューポーが言った。
『シンディは風の村に住んでるんだよね?』
『え? あぁ、そう。じっちゃんと一緒に住んでるんだ。でも何で知ってるの?』
『僕は風の精霊だからね。風の村のことは何でも知ってるのさ』
『ふ~ん、そうなんだ』とシンディは言う。
ヒューポーも一緒に住むことになり、それからというもの、ふたりは寝ても覚めても一緒だった。
野山で駆け回り、湖で遊び、雨の日は家でトリオンというカードゲームで遊んだ。
毎日が楽しくて、あっという間に過ぎていったのだった。
『今日も楽しかったね』
ベッドの中で、隣に寝ているヒューポーにそう言うとにっこり笑い返してくる。
『おやすみ、シンディ』
『おやすみ、ヒューポー』
画面がフェードアウトして真っ暗になった。
ここまでを記録しますか?
▼はい
いいえ
《はい》を指で触れると画面はセーブ画面になり、クルクルとアイコンが回転してセーブ中であることを知らせだした。
アイコンの回転が終わり《セーブしました》と出た所で、ボクは携帯ゲーム機の電源スイッチを軽く押してスリープ状態にした。
こうしておけば、いつでもすぐ再開できるのだ。
ボクはゲーム機をベッドの上に放り出して、ふと窓の外に目を向けた。
ボクの部屋は二階の西側なので、窓から西日が差して部屋の中を真っ赤に塗りつぶす。
ボクの顔も陽を浴びて赤くなっているだろう。
そして窓の外に広がる県立公園の丘を埋め尽くす桜の木々が一斉に呻きだす。蝉だ。何匹もの蝉が、何か失ったものを取り返そうとするように必死に鳴いているのだ。
その声は西日に赤く熱せられた大気を震わせ、ボクの脳に無理矢理入り込んでくる。
森の向こうに沈みかけた陽の光が世界を赤く揺らめかせ、蝉の声が内側から共振してボクはドロドロと溶け出していた。
そういえば昨日も蝉が鳴いてたっけ。
そう、蝉だよ、セミ。
意味わかんないよ、セミ。
ずーっと地面の下で人目を避けてひっそり生きてきて、やっと地表に出られて空を飛べるようになったのに、必死に鳴いて、子孫を残すだけのために一週間という短い人生を使い果たして死んでしまうなんて。
一体何の意味があるっていうの?
でもさ、ボクもおまえ達のことを笑う資格なんてないよね。
だってボクもおまえ達と同じように意味のない生を抱えてじっと地底で眠っているんだから。
そうして沈んでいく夕日を見ながらボクはふと思い付いてしまったんだ。
「死んじゃおかな」
昨日の夕日を見ながらそう口に出してみた。
すると妙にそれが正しいことのように感じられた。
それは突然天から舞い降りた啓示、神の真理のように眩い言葉、何もかも解決してしまう名案のように思われて、頭から離れなくなってしまった。
「死んじゃおかな」
もう一度口に出してみる。
今度は誰か他人が言った言葉のように聞こえた。
「死んじゃうの?」
その誰かに向かって聞いてみた。
ボク、死んじゃうの?
それってどういうコト?
だってこのまま生きていっても、いつか寿命が来てどのみち死ぬんでしょ?
死んだら何もわからなくなって、今まで勉強したことも、読んだ本も、誰かと話したことも、見たことも、触ったことも、考えたことも、感じたことも、食べたことも、歩いたことも、全部ぜぇーんぶ無くなっちゃうんだよね。
えっ?
何それ、それってどういうこと?
それじゃあ何をしたって意味ないじゃん。
だって「無」になっちゃうんだよ。
だったら、生きて何かをすることは何の意味があるっていうの?
どうせ無になっちゃうんだったら始まらなくても同じじゃん。
寿命で死ぬのと今死ぬのと何が違うの?
苦しみの量が違うだけ?
だったらむしろ、今死んだ方が幸せじゃん。
つまり蝉もボクもただただ死ぬために生まれて来たんだね。
コンコンとドアを叩く音がした。
「結菜ちゃん、ご飯食べないの?」
ママの声だ。妙に気遣って腫れ物を触るように優しいのがかえってムカつく。
「いらない!」
「もう三日も食べてないじゃないの。ここに置いておくから食べたくなったら食べてね。ママ、もう仕事に行かなくちゃいけないから。」
生活のためなんて言いながら、ママは夜の仕事に逃げていく。
思わず手元にあった目覚まし時計をドアに向かって投げつけた。
「うっさい!」
ドアに当たって跳ね返った目覚まし時計が床に転がりながらジリリリリと鳴る。
その音に負けないように、蝉がさらに大きな声で鳴き出す。
ボクの頭を混乱させる。
「いらねぇったらいらねぇんだよ。ほっとけよ!」
ガチャリと食器を載せたおぼんを床に置く音がして、失望の足音がトントンと階段を降りていった。
またママをがっかりさせちゃった。
ママをがっかりさせた罪悪感と心配させているという実在感がボクの頭をさらに混乱させる。
そう、がっかりさせることでボクはボクの存在を確認しているんだ。
それはママに対する「復讐」だ。
だからまだ生きていられるのかもしれない。
蝉がジィと最後のひと鳴きを絞り出して鳴き止んだ。
でもそれも今日で終わりだ。
昨日の夕日に誓ったんだ。今日死のうってね。
今朝から準備した。
駅ビルに入ってるロフトで買ったロープ。カーテンレールに通して輪にした。
遠くで聞こえる五時の時報。それを合図に実行する計画。
椅子に上り、ロープの輪を両手で持つ。
ぐいっと下に引っ張ってみる。
解けたり切れたりすることはなさそうだ。
ゆっくり頭を通して首に当てて、ちょっとだけ体重をかけてみる。
喉にロープが食い込んでくる。
後はこれで下の椅子を蹴ればいいだけ。
すると、この時を待っていたように蝉が一斉に鳴き出す。
ジィージィー
今だ、椅子を蹴れ!
ジィー、ジィー
思いっきり後ろに椅子を蹴れ!
ジィー、ジィージィー
そう、後ひと蹴りの人生だ。後ひと蹴りしたら、何もかも終われる。
さよなら、ボクの人生。
何でもなかったボクの人生。
とるに足らないボクの人生。
さよなら三角、また来て四角。
つま先を伸ばして椅子を傾けていく。
椅子がきぃと軋んで鳴った。
その時、玄関のチャイムも鳴ったんだ。
ピンポーン。
今は家にはボク一人だから、誰も出るはずはない。
このまま無視していたら諦めて帰るだろう。
ピンポンピンポンピンポン。
せわしなくチャイムのボタンを連打する来客に、すっかりペースを乱されて我に返ってしまったので、仕方なく椅子を戻しロープを外す。
椅子から飛び降りて、素早く鍵を三つ外してドアを開けた。
部屋の前の料理を載せたおぼんを飛び越して、階段を駆け降りる。
その間もチャイムはピンポンピンポンと鳴り続ける。
「はいはーい」
大きな声で返事をして間を繋いだ。
たぶん聞こえてないと思うけどね。
玄関のドアを開ける。
宅配便のお兄さんが駐車スペースの先の門扉を閉めて帰ろうとしている所だった。
ボクを見て宅配便のお兄さんは、また門扉を開けて戻ってくると、春日井さんですね? こちらにハンコかサインをお願いします、と言って伝票の貼ってある荷物を差し出した。
ボクが渡されたペンでそこにサインすると、彼は今一瞬も惜しいという勢いで走って出て行った。
彼の人生は今もこれからも続いて行くからだね。頑張ってくれよ。
そうしてボクは荷物と一緒にポツンと残された。
玄関のドアを閉めて、荷物をよく見るとボク宛の荷物だった。
ネットショップの楽天から届いたその荷物をじっと見ながら、何かネットで注文してたっけ? と記憶の中を探し歩いた。
階段を上りながらガムテープを剥がして封筒を開けてみると、それはゲームソフト。
『シャトー・ドゥ・ファントーム』
そうだった。確かに注文してたっけ。
ずっと楽しみにしてたんだ。
本当は半年前に発売するはずだった。
だのに、何故か発売日直前になって発売が延期されて『発売日未定』になったんだ。
これを遊ぶためにサンテンドーターミナルを発売初日に手に入れられるように予約までして待ってたのに。
でも半年経つ内にすっかり忘れてた。
それが今日届くなんて。しかもこのタイミングで。
これも何かの運命なのかもしれないな。
死のうとした瞬間に届いたゲーム。
人生に意味のないことは起こらない
どこかの誰かが何かの雑誌で話していた言葉だ。
なら、これにも何か意味があると言うの?
部屋に戻ると、ゲームソフトをケースから出し、携帯ゲーム機に差して起動してみる。
ハードメーカーのロゴが凝った演出で現れて消え、次にソフトの発売元のロゴが出て、続いて何やら注意書きが沢山出てくる。
そうしてようやくタイトルだ。
『シャトー・ドゥ・ファントーム』
フランス語で亡霊の城とか幻の城とかいう意味だそうだ。
ファミ通というゲーム雑誌で初めて見た。
気になって、ネットで検索した。
ホームページをチェックし、そこにあったプロモーションビデオ。
観た途端にすっかり惚れ込んでしまった。毎日繰り返し何度も観た。
だから発売延期になった時はしばらく呆然とした。
それが今手元にある。
人生に意味のないことは起こらないんだとしたら、これの意味って何?
その時ふと思いついたコト。
人生の最期に、せめて十四年間生きた証しとして、このゲームにボクの分身を記録して残しておこう。そう思ったの。
ボクの分身。なまえは何にしようか。
そう考えた時、頭の中で蝉が一斉に鳴き出す。
「ウザ。いいかげん、死んでよ」
あの一言がきっかけだった。担任のタカハシが急用で自習になったあの夏の教室。無数の蝉が競うように鳴き乱れ、クラスみんなの頭を狂わせる。その時、ボクの席の前に立って、見下ろしながら川瀬ハルカは言ったんだ。
「ウザ。いいかげん、死んでよ」
川瀬ハルカは今年の四月に神戸から転校してきた。ハルカの父は神戸に本社のある大手製薬会社の重役だった。それが昨年末に東京の製薬会社と合併し、本社移転で東京勤務となり、家族一緒に東京に移り住んできたのだった。ハルカは神戸の私立のお嬢さん学校に通っていたので、ブランド物の制服だった。四月で制服が間に合わなかったんじゃない? みんなは紺の地味なセーラー服なのにハルカのはフリルの付いたブラウスにグレーのワンピースで、首元に可愛いリボンが付いていたの。何でもテレビによく出てる何とかっていう有名なデザイナーがデザインした制服らしいよ。そりゃあダサい制服の集団にひとりデザイナーズブランドの制服で登校すれば、嫌でも学校中から浮いちゃって、目立つ存在になるよね。
「親が金持ちだからって、いちいち鼻にかけててムカつくー」
「ひとりだけ目立つ制服着て、何か偉そうだよね」
「お高く留まっちゃってさぁ、何様のつもりかねー」
排他主義と嫉妬とゴシップ趣味が相まって、次第にハルカに対してみなが陰口を叩くようになって、それがだんだんエスカレートしつつあった。
「こないだテニス部の部長の木島先輩に色目使ってたんだってよ、ホント殺すっつーの」
「学級委員の本田くんの家の前で待ち伏せして偶然出くわしたフリして近づこうとしたらしいよ」
もはや事実無根のフェイクニュースまで広まり始めたわ。
そんなある時、体育の授業で着替えようとするとハルカの体操服が無くなっていたことがあって、気の強いハルカは大声でクラス中の人に「誰が隠したんだよ。陰険なことすんなよな。誰だよ。文句あんなら直接言って来いよ」と怒鳴り散らしてた。
するとそこに担任のタカハシが教室に入って来て、
「なんだ、どうかしたのか?」
と言うと、
「何でもありません」
そう言って教室を出て行ってしまったの。
結局ハルカは生理のため見学ということにしたみたいなんだけど、その後ハルカの体操着が下水溝の中からドロドロになって見つかったの。しかもマジックで『インラン』とか『死ね』とか書かれていて、それを握りしめて校庭に立っている所をボク、見ちゃったんだ。その時は正直かわいそうって思った。
でもその事件を境にしてハルカは変わってしまった。
クラスに一人、気が弱くておとなしい高杉彩香っていう子がいたんだけど、その子に対していじめをするようになったの。初めは言葉の暴力で「ちょっとキモイからどっか行ってくんない?」とか言う程度だったんだけど、そのうち授業中にコンパスの針で背中を刺したり、椅子に画鋲を置いたり、ライターで髪に火を点けたこともあったな。
しかも自分の持っている高価なアクセサリーを配ったりして二人の手下を手懐けると、彼女たちを従えて、三人で高杉さんをいじめるようになったの。
みんなの見ている前でいじめることで、ハルカはクラス中に自分がいじめる側であることをアピールすることができるのね。それはだんだんエスカレートして、体育の授業が終わって着替えるとき、高杉さんが下着になった所で制服と体操着を取り上げて窓の外に投げ捨てたの。彼女は裸で校庭に取りに行くわけにもいかず、床に座り込んで泣き出してしまった。もうすぐ男子達が帰って来る。それを見ていたら我慢できなくなって、
「いい加減にしなよ。自分がいじめられたくないからって高杉さんをいじめるなんて卑怯だよ。いじめられる辛さ、一番わかってるはずじゃん」って言ってしまった。
教室中の時間が一瞬止まる。みんなが動きを止めてこっちを観察している。
「はぁ? 何言ってんの?」
食ってかかって来ようとしたハルカを無視してボクは校庭に降りて行き、制服と体操着を取って来て高杉さんに着せて保健室に連れて行った。高杉さんは、ごめんなさい、ごめんなさいってしきりにボクに謝ってた。
そしてその次の日、ハルカがボクの席の前に立って言ったワケ。
「ウザ。いいかげん、死んでよ」
ハルカがボクを生贄として指名した瞬間だった。すると手下のひとりがすかさず言った。
「おまえはもう死にました」
するとそれを受けて、もうひとりの手下が興奮して言った。
「おまえは今日から死んでれらだ」
「きゃははは、うける。いいね、それ。おまえの名前はシンデレラね。そう、略してシンディ!」
ハルカはひどく気に入ったらしく、手を叩いて笑った。ご主人様がお喜びなのを見て手下たちはさらに興奮して目を輝かせた。
「シンディ! シンディ! 死んでくれ!」
手下のふたりは手拍子しながら周りのクラスメートに向かって誘い水を出した。
「シンディ! シンディ! 死んでくれ!」
すると次第に教室中が大合唱になった。
シンディ! シンディ! 死んでくれ!
シンディ! シンディ! 死んでくれ!
声が出ない。
必死に声を発しようと口を開けるけど、神社の裏の誰も知らない小さな池の鯉のように、誰にも気付かれずに口をパクパクしているだけ。
笑い声が遠のいて行き、教室が歪んで傾いていく。
ボクは気が遠くなって椅子から転げ落ちてしまった。
ハルカがボクの顔を足で踏みつけながら大笑いしている。その手下たちも笑い転げている。クラス中がボクを指差して嘲笑っているんだ。
でも、その中で一番ショックだったのは、あの高杉彩香も一緒になって手拍子していたことだった。しかもどこかいじめの矛先が自分じゃなくなってホッとしたような笑みまで浮かべて……。何てことだよ。こんなことなら黙って見て見ないフリしてればよかったよ。おまえのせいだっていうのに。
それ以来、ボクのことをみんながシンディと呼ぶようになった。考えてみれば当然だよね。高杉を庇ったボクが標的になったのをみんな見てるんだから。ここで同調しなかったら次の標的は自分かもしれないんだから。
もう誰も信じない。みんな自分さえ良ければそれでいいんだ。
その日から、登校すると机に花が置いてあって『ご愁傷様です』って書いた紙が添えてあったり、教科書やノートや体操服に「死ね」ってマジックでいたずら書きがしてあったり、上履きが水浸しになってたり、とにかく毎日新しい嫌がらせがあった。
そして七月十三日の金曜日、昼休みにトイレから戻ってみると、今度はボクの弁当が教壇の上に出されていて、ごはんにロウソクと線香が挿してあった。ボクは平静を装って、ロウソクの火を消し、線香を抜いて、弁当をしまった。そしたらその時入って来た担任のタカハシがくんくんと臭いを嗅いで言ったんだ。
「何だ? 線香臭いな。ん? シンディか、だめじゃないか、教室で火を使っちゃあ」
先生までもがシンディと呼んだことにクラス全員が笑い転げた。
この時ボクの中で何かがガシャンと音を立てて壊れたんだよ。確かにガシャンって音がしたよ。そうしてボクは学校に行かなくなった。正確に言うと、部屋から出られなくなった。部屋から一歩足を踏み出すと、全身がぶるぶると震えて立っていられなくなる。そしてそのまま座り込んでしまってベッドまで這いずって行って布団にもぐり込んでしまうのだった。
あれから一ヶ月半の引き篭り生活だ。
でも学校を休んだのは四日だけだった。
なぜなら次の十四日からは三連休でそれが明けて四日休んだらそのまま夏休みに入ってしまったから。
だから学校ではさして問題になっていないだろう。
夏休み直前に高杉彩香から携帯にメールが来た。
自分のせいでボクが学校に来られなくなったんだったらごめんなさい、とかいう内容だったっけ。
夏休みが終わったら、また学校に来てね、待ってるよ、なんて。
そりゃあボクが学校に行かないと、いつまた自分が生贄にされるかわからないもんね。
必死だよ。
クラスの奴らはみんな、自分が標的にされないために、ボクを生贄にしておく必要があったんだ。
それがいつしか変な優越感に変わってボクを見下していたんだろう。
だけどもしボクが本当に死んだら、あの時同調して叫んでいた奴らは衝撃を受けるだろうね。
奴らにとっては軽い気持ちで茶化したつもりだろうけど、それが引き金になって大事件が発生したことに一生責任を感じるんだ。
一生心に刺さった棘になる。
自分が殺した罪の意識がまだ始まったばかりの一生に影を落とす。
不意に目に留まるシャツの袖口のシミのように。
あの時嘲笑ったクラスの全員に宛てて、ボクが死んだ後に自動送信でメールが届く。
当然あの高杉彩香にもね。
彩香はその重さに耐えきれなくなって後追い自殺するかもね。
それからもちろん学校の先生にも、教育委員会にも、あと雑誌社、新聞社、テレビ局にも届くようにしてある。
死者からのメッセージ。
衝撃のデスメール!
そして送り主の名前は「シンディ」というわけ。
どう?
よくない?
それならゲームの主人公のなまえも同じにしておこうって思って。
だからボクはシンディって付けたんだ。
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