不良。中





「あのね、お兄ちゃん。……衣凛いり以外の女の子と話さないでほしいんだけど」




÷




今日も疲れた(特に何も疲れる事はしていないのだが、生きると言う事は即ち疲れる事だからと言い訳を述べておく)と呟きながら、家の顔認証付きの門扉もんぴを潜った。玄関で爺やに何も入っていない鞄を渡し、自室へと向かう。我が家は室内でも靴を履くスタイルなので、階段を登る際にはカツカツと学園指定のローファーの踵が小気味良い音を立てる。

その音に反応して、二階の部屋からヒョコッと横向きに顔を出したのは、妹の衣凛いり。重力に従って、斜めに揃えた前髪がサラリと遅れて下に垂れる。衣凛の背中から、彼女ご自慢のツインテールも一緒に垂れていた。

三朝 衣凛。

15歳。

高校一年生。

衣凛はオレの可愛い可愛い妹である。その可愛らしさ故に事ある毎に甘やかしてきたので、幸いにも思春期で嫌われてたりとか、無視されたりなんて事はない。衣凛との仲は良好極まりないのだが、少しばかりこの時期の兄妹の距離感にしては近過ぎるのが問題だ。

まぁ、可愛らしいで済んでしまう問題なので、あまり気にしてはいない。


「ただいま」


目が合っているので、軽く挨拶。それから、そのまま通り過ぎて自室に向かおうとすると、衣凛に制服の端をつままれる。

しかし、力が弱すぎて引き止められなかったらしく、自分の指から制服がスルリと抜けたのを見て「あわわわわわ」と間抜けな声を出していた。


「……なんだよ」


ジト目で衣凛を見下ろす。このジト目は、嫌がっている際に出るジト目ではなく、間抜けな妹を恥ずかしさで赤面させる為のジト目だ。フィーリングで意図が伝わっている事を祈るばかりだ。


「お、お兄ちゃん」

「どうした?」

「……落ち着いたら、衣凛の部屋に来てほしいな」


ツインテールの先をいじりながらの気弱な言葉。しかし衣凛にしては珍しく力の強い瞳。その瞳にただならぬ事情を感じたオレは脳内で、もしかして好きな人が出来たのか!?とか、何か悪い事をしでかしたのか!?だとか、色々な事を一瞬の内に考えた。それから涼しい顔で「わかった」と了承し頷いてから、早歩きで自室に向かうのだった。

で、5分後。

妹の部屋にて、オレと衣凛は対面で座っていた。各々、座布団(オレの部屋から持ってきた)に座り、見詰め合っている。

衣凛の部屋に入ってからしばらくこの調子なので、居心地の悪さを感じたオレは、たまらず自分から話を切り出した。


「……どうしたんだよ、部屋に呼び出すだなんて。いつもはオレの部屋に勝手に入ってくるだけで、自分の部屋に招いたりだなんてしないだろうに」


互い、思春期。

ならば、見られたくないものの一つや二つあるだろうと勝手に考えているので、普段ならばわざわざ話題にする事でもなかったのだが。今こうして、普通ではない事態になっているのならば、話題に出すどころか質問だってする。

その問いに衣凛は、表情一つ変えずに問い返した。


「慣れてない部屋だと、少し身構えるでしょ?」

「おう」

「それが狙いなの。お兄ちゃん、余裕があるとすぐ物事をはぐらかしたりふざけたりするから」


言葉の意味を考え、思考。それから。


「つまり、はぐらかされたくない質問があると」

「そう言う事。じゃあ、単刀直入に聞くね」


衣凛は、座布団から座布団までの距離──つまり、オレと衣凛の距離を極端に詰めて、耳元で。


「お兄ちゃん、衣凛以外の女の子と仲が良いでしょ」


何故、衣凛は自分の事も女の子とカウントしているんだ?いや、衣凛の事なんて異性として見てないハハハみたいな、兄としてのヤツではなく。今の衣凛の言葉は、妹としてのソレではない聞き方──つまりは言葉に嫉妬のような何かを孕んでいるような気がしたから。何故自分を学園の女子(文脈的にそう察したというかそれ以外に異性と関わりが無い)と同じ天秤にかけようとしているのだろうか。……てか、何故学年が違う衣凛が知っている?いやいや、学年の問題ではない。オレのプライベートを妹に知られているのが問題であり、しかもそれを衣凛がこうして部屋に呼び出して、はぐらかさないで答えてほしいと思っているのも問題な訳で。あぁもうどういう事かいまいち分からん。分からんけど、本能的に面倒臭い事になりそうだと感じて──肩が一瞬震えた。

瞬間、震えた肩をガシリと掴まれる。


は、何かやましい事ありますよって言う証拠かな?」

「さ、さっきの言葉の意味がよく分かりませんよって言う意味の肩の震えだ」

「……ふーん」


オレの両肩から手を離し(互いの距離感も元に戻り)、目を細めてオレの顔をよく観察する衣凛。何だよ、と衣凛の行動を阻むように問えば、衣凛はようやくその目をやめた。


「お兄ちゃん、衣凛ね」

「お、おう」

「お兄ちゃんが最近、学園生活が楽しいんじゃないかなって思ってるの」


は?

思わず声に出しそうになるくらいには、的外れた指摘。もしかしたら、オレの表情は動いてしまっているかも知れない。

衣凛の想定外の切り込みに会話に間が開く。それから、取り繕うように胡座を組み直してから返した。


「良い事じゃねぇか。オレが学園での日々を楽しく思っているって事は、家族からしたら悪い事じゃない筈だぜ」


学園生活が楽しいだなんて、言った覚えも思った覚えもないのだが、ここは敢えて否定せず、話に乗っかる。乗っかりつつ、衣凛を宥める。


「うん。悪い事じゃないよ。お父さんもお母さんも喜ぶと思うし、衣凛だってお兄ちゃんが楽しそうなら嬉しいよ。──だけど」


発言の途中で立ち上がる衣凛。オレも目で追う。衣凛はスタスタとオレの隣を通り過ぎ、歩いた先は部屋のドア。オレの方を向きながら、衣凛は後ろ手にドアの鍵を閉めた。

何のつもりだ。そう問おうとしたところで、衣凛の言葉が続いた。


「その理由が女の子関係なら、衣凛は怒らなくちゃいけないって思ってるの」

「は?」


今度は声に出た。


「あのね、お兄ちゃん。……衣凛いり以外の女の子と話さないでほしいんだけど」

「は??」


それから、暫くして。

衣凛の話を纏めると、こういう事らしい。

・衣凛は、オレの一番近くにいるべき存在は自分だと確信している。

・だから、オレの近くに他の女子が居るのが気に食わなくて、許せないらしい。

・美化ちゃんや化野の事は既に身元調査で調べており、その結果、話さないでほしいとの結論に至った。

・衣凛はオレの事が好きらしい。

・兄妹としてではなく、異性としてマジで好きらしい。

・は??????←今ここ。


「…………」


眉間を押さえる。生きる事とは疲れる事だとか言った覚えがあるが、早くもオレは生きる事とは別問題で、絶賛疲労していた。


「頭が痛くなってきた」

「大丈夫?」

「衣凛も、よく平気な顔していられるな」

「衣凛は、お兄ちゃん大好きっていうのを言葉にしてないだけで、行動では示してきたつもりだから。今更どうこうっていうのはないよ」


日々を思い返せば、衣凛の過剰とも取れるスキンシップも、毎日部屋に入ってきてオレのベッドの上で無防備な姿勢でゴロゴロしてるのも、オレが風呂に入っている時に洗面所で服を脱ぎ始めるのも、オレの弁当のご飯に桜でんぶでハートを作るのも、よく考えれば好きアピールをしていたという事だったのか。妹がいる友達どころか普通の友達もいないので、妹とはこういうものなのだとばかり思っていた。勘違いしていた。

まぁ、勘違いだったと気付けただけでも一歩前進出来たじゃないかと、自身を励ますという名目の現実逃避をかましながら眉間を揉む。


「……取り敢えず、オレはどうすりゃ良いんだ。色々と衝撃的過ぎて、頭がこんがらがっているんだが」

「衣凛からの一番の要求は、衣凛いり以外の女の子と話さないでほしいってだけなんだけど」


あと、衣凛と結婚してほしいな、なんちゃって。

文末に付け加えられたその言葉は聞こえなかった振りをする。だって、目がマジだったから。


「話さないって言ってもだな。オレは別に、自分から美化ちゃんや化野に話しかけた事なんて一度も無いぜ。ただ、二人が話しかけてくるから応対してるだけで」

「じゃあ無視して」

「無視だと?」

「うん。美香さんや化野さんに話しかけられても、何も答えずその場を去るの。そうすれば、私のお願いは叶うから」

「……そもそも、何で会話しちゃ駄目なんだ?」

「私、パパや爺やに頼んであの人達の事を色々調べてもらったの。だから、駄目なの」

「調べて、なんだったんだよ」

「言えない。衣凛にも、言わないであげるくらいの優しさはあるの」

「そんなヤバいことなのか?」

「言えない」


普通、こういう際には理由を話すのが筋だと思うのだが。

しかし、こうなったら意地でも意思を曲げない事は、長年一緒にいてよく分かっている。衣凛の怒った顔とはまた違う険しい表情は、オレにそう感じさせた。

言えない結果と、聞けない願い。

オレは恥ずかしながら不良だなんて名乗ってはいるが、それはオレの授業を欠席したりテストをすっぽかしたりという、を不良と称しただけ。人を無視したり、実妹とイチャイチャしたりする事を不良だとした事は一度も無いからだ。……まぁ、前者も後者も良くない事には変わりないのだが。

顎に手を当て、少し俯く。

この仕草をすることそのものが妹の機嫌を損ねる原因に他ならないのだが、それでも考える。どうするべきがこの場にいて最善であるかを、妹からの強い視線に耐えながらじっくりと考える。

その間3秒。

この選択こそが最善であり正解であると脳内でしっかりと結論付けてから、妹と目を合わせた。


「分かった。オレはもう、アイツ等と金輪際話さない」

「本当に?本当に、もう話さない?」

「ああ」

「あの人達に話しかけられても、ちゃんと無視出来る?」

「ああ」

「私を一番に優先して行動してくれる?」

「ああ」

「衣凛とお母さん以外の女の子の連絡先をこの場で消してくれる?」

「……ああ」

「お兄ちゃんのスマホ、定期的にチェックさせてくれる?」

「ああ。……?」

「お兄ちゃんの制服にGPS付けさせてくれる?」

「ああ──え?」


……あれ、もしかして失敗だったか?




÷




「それで、こんなに離れて会話してるんですか?」

「……ああ」


場所、中庭。

相手、美化ちゃん。

距離、およそ5メートル。


「これ以上近付いたら、衣凛がふっ飛んでくる」

「ふっ飛んでくるとどうなるんですか?」

「知らんのか」

「はい」

「美化ちゃんの首から上がふっ飛ぶ」


想像したのか、露骨に嫌そうな顔しながら花壇を守るポーズを取る美化ちゃん。コイツ、自分が死ぬことより大事に育てた花が汚れる方が嫌だってのか。流石は美化ちゃん。イかれてやがるぜ。


「私のメアド、消しちゃったんですか?」

「ああ。悪かったな」

「……うーん」


考え込む美化ちゃん。


「どうした?」

「もう一度、メアド交換しましょう」

「え?いやでも、女子の連絡先は消されるし」

「三朝君が、私の名前を男の子の名前で登録すれば万事解決です」

「……」


今度はオレが考え込む。

ぶっちゃけ、美化ちゃんが今言ったような事を考えたりもした。しかし、あまりにも大胆な上に文面を確認されたらバレそうなので実行には移さなかったのだ。

どうしようかと頭の中で善し悪しをぐるぐると回転させてから、問う。


「……美化ちゃんは良いのか?バレたらただじゃ済まないだろうけど」


昨日、衣凛と交わした契約。

・オレは他の女の子と話してはならない。破ったら、話した女の子をただじゃおかない(それを告げた衣凛の表情を見るに、マジでただでは済まないらしい)。

・オレは他の女の子に、授業が行われる場所以外では近付いてはならない。破ったら、一番近くにいる女の子がただじゃ済まない。

大雑把に言えば、こんな感じ。オレも聞いた当初は耳を疑ったものだが、この雲母坂学園は金持ちしか通っていない。

〝つまり我が家も例外ではなく、本当にどうにか出来てしまうのかも知れないのだ。〟

具体的にどうするのかは、オレはよく知らんけどな。

制服の第二ボタンを見詰める。

今のオレを側から見たら、ただの第二ボタンを見詰めている授業サボり男だが、その実この第二ボタンにはGPSが取り付けられているのだから、事の重大さは中々共有出来ない。

だもんで、美化ちゃんは花壇の水やり。オレはそこから約5メートルほど離れた木陰で雑草を毟りながら休んでるという訳だ。妹にスマホをチェックされる事になってしまっているので通話も出来ないから、考えうる限りこれが最善という訳だ(通話履歴を消せば良いのかもしれないが、衣凛がチェックする際にまたオレの表情や仕草を観察して見抜きかねないのだ)。

これが最善だと思っている現状から、もう一歩踏み出そうとしているのだから、オレだって少しは慎重になる。


「大丈夫です」


真剣な顔で断言する美化ちゃん。その圧にも似た何かに押し負け、分かったと一言。了承してしまうのだった。つまりは、どうにでもなれという事だ。

美化ちゃんにスマホを投げ渡す。飛来するスマホを難無くキャッチしてみせた美化ちゃんは、ぽちぽちと何かを操作しながら話す。


「それにしても、大変ですね。三朝君のお家って」

「家ってよりかは、オレだけ大変なんだよ。親父も母ちゃんも、法を犯さなければ基本放任主義だし。毎日気楽に過ごせてるって思ってたら、衣凛は昨日の件から理性にブレーキを掛けなくなっちまったし。はぁ……」


頭を抱えると、また第二ボタンが目に入る。このボタンはGPSが付いているだけで、撮影したりとか、撮った画像を送信したりとか、録音したりは出来ないのがせめてもの救いか。

いや、付けられてる時点で大分ヤバいんだけどな。いきますよ、と声をかけられると同時にスマホが投げ返ってくる。両手で掴んで制服のポケットに入れてから、溜め息。


「これを機に男友達でも作るか」

「でも、三朝君と仲良くしてくれる男の子なんているんですか?」


美化ちゃんからの鋭い指摘に、へなへなと肩を落とすオレ。


「……いる訳ねぇよな。こんなアホちゃんと友達になってくれるお坊ちゃんなんて」

「わ、私は友達ですよ?」

「そうだったのか。そりゃありがたいぜ」


自分で言ったのに、オレのテンションの下がり具合を見て気の毒に思ったのか、慌ててフォローを入れてくれる美化ちゃん。オレが知りうる中で一番の常識人(植物が関わらなければ)は、コミュニケーションもまともなのだ。

あくびを一つ。しながら、木漏れ日を見上げる。枝と枝の間から見える空は今日も青くて広く、オレが抱えている問題なんかちっぽけなもんだと錯覚してしまいそうになる。

あくびを一つ。してから、美化ちゃんの方を見た。


「──美化ちゃん」


ダッシュ。というよりかは、跳躍に近いソレで美化ちゃんに近付き、何故か美化ちゃんの足元こんなところにいた蛇の頭を素早く掴む。


「危なかったぜ」


オレが掴んだ頭からぶら下がる、細長い身体。縞模様の入った柄を見て、美化ちゃんが口を開いた。


「サンゴヘビですね」

「ん?」

「強力な神経毒を持つ毒蛇です」

「コイツ毒持ってんのかよ!」


てかお前、蛇にも詳しいのかよ!


「はい。しかし、不思議ですね」

「そりゃそうだろ!こんな所に毒蛇がいるなんて予想すらしてなかったっての!」


気持ち悪ぃ〜!と言いながら、腕を伸ばせるだけ伸ばして蛇を身体から離す。まぁ学園の敷地は広い上に自然もあるっちゃあるので、蛇の1匹くらいいても可笑しくはないかなと思いながら、美化ちゃんを守るべく颯爽と蛇の頭を掴んだは良いが。毒があるなんて聞いてないぞ。

この蛇(サンゴヘビというらしい)は意外と大人しく、オレに頭を掴まれ、じっとしたままオレの腕の震えと一緒にプルプルと震えている。

そんなオレと蛇を交互に見てから、蛇をじっと見詰める。


「いえ、そういう意味のではないんです」

「じゃあなんだよ!」

「サンゴヘビって、本来なら日本に生息するヘビじゃないんですよ」

「え?」

「サンゴヘビの分布は、北アメリカ大陸や南アメリカ大陸の辺り。変ですねぇ」


顎をさすりながら、研究者の顔をする美化ちゃん。その呑気さが逆に怖くなり、素朴な意見。


「え、もしかして怖い話だったりする?」

「いやいや、本来ならば日本にはいない毒蛇に雲母坂学園内で襲われる確率とか考えていたら、少し嬉しくなっちゃっただけです。何も問題はありません。大方、動物園からか、誰かの飼育下から逃げ出したかのどちらかでしょう」

「取り敢えず、コイツどうするよ!」

「預けましょう」

「誰に!」




÷




結局、あの蛇は雲母坂学園の生物部に預ける事になった。生物部の部員(どうして授業が行われている時間帯に部室にいるのかは不明)に見せたら大層興奮していたので、この辺りじゃお目にかかれない蛇なのは確からしい。

そんなこんなで、あんなにおっかない蛇とお別れ出来てご機嫌な、生物部帰りの廊下。美化ちゃんは次の授業は個人的に受けたいとかなんとかで、生物部の部室を出た所で別れていて、今は一人だ。

依然としてオレは暇人なので、図書室に行って漫画でも読むかと適当に考えながら、誰も歩いていない廊下をスタスタと歩く。

あと10分程で授業が終わり、次の授業が始まる10分間の間は生徒が廊下に出てくる可能性がある。そんな中、図書室に行く姿を見られるのはなんだか恥ずかしくて嫌なので(しかし授業には出ない)、なるべく早く図書室に着きたいところではある。

早歩き。

猶予はあと何分残されているのか。少し気になり、ポケットの中のスマホに手を伸ばしたところで、その手を教室から伸びた手に掴まれ、引き込まれた。


「うぉ──」


予想外の方向からの力にバランスを崩し、教室の床を転がる。その際に舞った埃が鼻をくすぐり、ここは空き教室(つまりは使われていない教室で、人目につかないという事だ)だったのかと察した。受け身は取れたが、一瞬呆けてしまう。それから、追撃されてはまずいとすぐさま立ち上がった。そこら辺に落ちていたボロい箒を即座に手に取り、穂(掃く部分)を折る。棒だけになったソレを握り直し、剣道の構えを取った。

誰かから恨みを買った覚えは無いが、それでも、オレは素行の悪い生徒なのだ。知らず知らずの内に恨まれてしまっているのならば、事態に巻き込まれるのも頷ける。



「……化野。テメェ、これは一体どういうつもりだ?」





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