第1190話、わたくし、『マギ○コ』を『インフィニット』な視点で再評価いたしますの⁉(その7)

ちょい悪令嬢「さて、原作ゲーム版のサービス開始5周年を記念して、ついに『円環のことわり』の片割れ『インフィニットい○は』ちゃんを実装したことを踏まえての、アニメ版『マギア○コード』後半部の再検証、今回も全力で取り組みますよ!」




メリーさん太「──まだやるつもりだったのかよ⁉ 前回前々回と別の作品を考察したんで、てっきりもう終わったものと思っていたのに!」




ちょい悪令嬢「それがわたくしとしたことが、最も『肝心な点』について、言及するのをド忘れしていたのです」


メリーさん太「……肝心な点、だと?」


ちょい悪令嬢「ええ、むしろ『マギ○コ』シリーズ──特にアニメ版における、『裏テーマ』と言っても過言では無いでしょう」


メリーさん太「裏テーマって、あれだけ語り尽くしてきたと言うのに、まだそんなものが残っていたのか⁉ 一体何だよ、それって?」




ちょい悪令嬢「『ド○ペル』です」




メリーさん太「ど、ド○ペルう?」


ちょい悪令嬢「実はド○ペルこそが、魔法少女そのものであり、『マギア○コード』という作品世界のすべてであり、全知全能の女神様──すなわち、『円環の理』の象徴シンボルなのでございます!」


メリーさん太「──ド○ペルが魔法少女や魔女どころか、全知全能なる神の象徴シンボルだってえ⁉ それに『マギ○コ』のすべて、って……」




ちょい悪令嬢「ですから、『マギ○コ』アニメ版は全編を通して、魔法少女とそのド○ペル──つまりは、『もう一人の自分』であり『不の感情の具現』との、『相克と受容の物語』だったと思うのですよ」




メリーさん太「そ、相克と受容って、何だよ、そりゃあ?」


ちょい悪令嬢「例えばや○よさんですけど、主人公のい○はちゃんの陰に隠れて少々わかりにくかったけど、彼女って本編中ずっと、自分のド○ペルと闘い続けていたと思うんですよ」


メリーさん太「……え、あの人って、ただ己の欲望の赴くままに、可愛い年下の魔法少女をコレクションしていただけじゃ無いの?」


ちょい悪令嬢「それはあくまでも、『隠れ蓑』です」


メリーさん太「──ヤケに犯罪臭い隠れ蓑も有ったものだな⁉」


ちょい悪令嬢「そのように、い○はちゃんを始めとする可愛い年下の魔法少女をコレクションしながらも、彼女は葛藤し続けていたのですよ、『……私が可愛い年下の魔法少女ばかりを集めてみか○き荘に住まわせて囲っているのは、先輩として後進を育てるためでも、個人的な(ゆりゆりな)欲望のためでも無くて──」


メリーさん太「──違うのかよ⁉」




ちょい悪令嬢「自分だけが生き延びるために、犠牲になってもらう「身替わりを確保」するためでは無いか?』──と」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「まさしくや○よさんは全編、このことに苦しみ続けていたと言っても過言では無いでしょう」




メリーさん太「で、でも、最後には、すべて『誤解』だとわかったわけだし!」


ちょい悪令嬢「でしたら、黒○さんなんかは、どうなりましたっけ?」


メリーさん太「──うっ⁉」


ちょい悪令嬢「むしろ結果よりも、過程がどうであったかが重要なのですよ。──そう、魔法少女たちが、どう『苦しんだ』かが」


メリーさん太「……相変わらず、解釈の仕方が『鬼畜』だな、うちの作者って」




ちょい悪令嬢「──ただし、い○はちゃんだけは除いて!」




メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「この魔法少女とド○ペルとの関係性について、最も詳細かつ深く語られたのは言うまでも無く、主人公のい○はちゃんであり、むしろ『マギ○コ』アニメ版とは、『い○はちゃんとド○ペルとの物語』であったと言っても過言では無いのです!」


メリーさん太「──いや、過言だろ⁉ 確かに『ド○ペル』は『マギ○コ』独特のシステムだけど、数多く有るテーマの一つでしか無いだろうが⁉」




ちょい悪令嬢「……ったく、すでに当【座談会】で言及したではありませんか? 魔法少女にとってのド○ペルとは、『もう一人の(負の側面の)自分自身』だと。い○はちゃんが『もう一人のい○はちゃん』と、最初は忌避しながらもだんだんと折り合いをつけていって、最後には一つになると言うのが、『マギ○コ』アニメ版の本当の主旨テーマだったのですよ」




メリーさん太「──そういえば、そうでした!」




ちょい悪令嬢「そういう意味を含めまして、動画サイト『ア○マTV』様でアニメ版後半部の全話一挙無料配信が行われたこの機会に、『い○はちゃんとド○ペルの関係性』を中心にして、全編をざっとかいつまんで見直してみましょう!」


メリーさん太「う、うむ」




ちょい悪令嬢「最初は当然ド○ペルのことなんかまったく知らなかったものの、不用意にソウルジ○ムを濁らせ切ってしまったまさにその時、不意打ちを食らうようにしてド○ペル化して事無きを得て、二度目は半ば自覚的に『力を欲する』あまりにド○ペル化して、『う○を見つけるために「ウ○サ」を倒し続けるには力が要る』ゆえに、なし崩し的にド○ペルを受け容れたものの、や○よさんの警告もあってド○ペルの有害性に気づき始めて、『ウ○サのホミさん』に捕らえられた際には完全にド○ペルに取り込まれてしまい、更にはか○でちゃんを始めとする『ド○ペル症』を発症した魔法少女たちの無惨なる姿を目の当たりにすることによって、ド○ペルの危険性を痛感して、自分のみならず黒○さんのような周囲の人たちにもド○ペル化をやめさせようとし始めたのだけど、当の黒○さんがすべてに絶望して魔女化してしまったことや、最愛のう○ちゃんが二度と戻ってこないこと、更には妹分である灯○ちゃんやね○ちゃんが(自分のために)大規模テロに打って出たことで、い○はちゃん自身も絶望して『ド○ペル=魔女』に成り果てようとしたまさにその刹那、や○よさんを始めとするみか○き荘の仲間たちの叱咤激励によってどうにか踏みとどまり、そしてついに自分の負の側面の具現である『ド○ペル』も自分自身であることを受け容れて、『完全なるインフィニットい○はちゃん』として一つになることができたのです!」




メリーさん太「──おおっ、こうして改めて振り返ってみると、確かに『ド○ペルとの関係性』こそが、ストーリーの軸になっているな⁉」




ちょい悪令嬢「特に、本家本元の『ま○か☆マギカ』における唯一の『玉に瑕』である『未解決問題』を、ちゃんと取り上げて見事に解決したところこそが秀逸なのです!」


メリーさん太「え? ド○ペルが、『ま○マギ』の未解決問題だって?」




ちょい悪令嬢「これまたほんのこの前当【座談会】で指摘したばかりですが、元祖『ま○か☆マギカ』TV版最終話でいきなり魔女を『存在そのもの』から完全に消し去ったのは、あまりにも雑だし安易過ぎたのですよ。──なぜなら、魔女とは魔法少女にとっては『負の側面と言うもう一人の自分自身』であり、どこかの女神様によって一気に消し去ってもらうんじゃ無くて、自分自身で折り合いをつけて、けして一方的に消し去ったりせずに、『共に生きて』いかなければならないのです!」




メリーさん太「……あれ、これってむちゃくちゃ正しいんですけど、すると『ま○マギ』の最終話のほうが、根本的に間違っていて──」




ちょい悪令嬢「──それ以上は言っては駄目です! 制作スタッフの皆様も、すでに『叛○の物語』やそれこそ外伝の『マギア○コード』において、(深い反省のもとに)やり直しておられるのですから!」




メリーさん太「まあでも、自分の『負の側面』を他人任せにせずに、あくまでも『自分の問題』として全編解決に全力を尽くした『マギ○コ』は、確かに本家『ま○マギ』の補完的な関係にあると言ってもいいかもな」




ちょい悪令嬢「そしてまさにこのことが、い○はちゃんを『真に理想的な神様』の具現である、『インフィニットい○は』ヘと昇華させたのでございます!」




メリーさん太「──また出たよ、『い○はちゃん神様説』! いくら何でも『ド○ペルとの関係性』にまで絡めるなんて、しつこ過ぎるだろうが⁉」




ちょい悪令嬢「実は『インフィニットい○は』ちゃんのド○ペルである『喚呼のド○ペル』の必殺技として、対象に『聖なる光明』──ぶっちゃけ『特大のレーザー光線』をぶち当てて、粒子レベルに分解してしまうってのが有るのですよ」




メリーさん太「──何それ、怖っ⁉」




ちょい悪令嬢「実はこれこそが、『インフィニットい○は』ちゃんのド○ペル形態が、『神の具現』であることの証しなのです」


メリーさん太「……どういうことだよ?」




ちょい悪令嬢「ほら、う○ちゃんが言っていたでは無いですか、『私たちは無数の魔法=「魔法少女としての感情キ○チの発露」の集合体であり、それが時には「魔法少女」としての、時には「ド○ペルや魔女」としての、形態をとっているだけなの』と。よって先ほど言及した『喚呼のド○ペル』の必殺技についても、自分自身『魔法キ○チ』の集合体であることもあって、相手の肉体を構成している『魔法キ○チ』を変化メタモルフォーゼさせることによって、一気に消滅させていたりするのですよ」




メリーさん太「──そ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、本作で何度も何度も提言している、『マギ○コの魔法少女=ショゴス』説に則って、他者を集合的無意識に強制的にアクセスさせて、形態情報を書き換えることによる、消滅すらをも含む肉体の変化メタモルフォーゼ現象でございます」




メリーさん太「なっ⁉」




ちょい悪令嬢「無数のキ○チの集合体であるゆえに、自らも集合的無意識の具現であり、あらゆる魔法少女を強制的に集合的無意識にアクセスさせて、その存在を消し去ることさえもできるなんて、まさしく『魔法少女にとっての神様』と言っても過言では無いでしょう」




メリーさん太「た、確かに……」




ちょい悪令嬢「そして、ド○ペル形態においては、まさしく『神様ド○ペル=集合的無意識と接続状態』にある『インフィニットい○は』ちゃんは、神様の代弁者ミコヒメであり、己自身神様そのものとも言えましょう」




メリーさん太「……うん、『神様になるプロセス』についても、元祖『ま○マギ』よりも、ちゃんと段階を踏んでいてわかりやすいよな」


ちょい悪令嬢「むしろそれを、全編を通して丁寧に描写したとも言えますからね」


メリーさん太「確かにあんたの言うように、『マギ○コ』こそは本家『ま○マギ』に対する、最も理想的な『補完作品』と呼べるかもな」




ちょい悪令嬢「──実はこれこそがまさしく、『環になる』と言うことだったんですよ! 一部で言われているような『百合(乱暴)』的な意味では無く、魔法少女ならではに『キ○チ』として一つになろうと言うことだったのです!」




メリーさん太「……すべての魔法少女の『キ○チ』の集合体としての、『インフィニットい○は』ちゃんか。確かに集合的無意識そのものだな」




ちょい悪令嬢「こうして『円環の理』のうち、『環』に関しては完成したのですが、そうなるともちろん残りは『円』──すなわち、『ま○か』ちゃんと言うことになるのですよ」




メリーさん太「──ああっ、それがこの前言っていた、うちの作者の妄想的『新劇場版』案か⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、『完全なる環』となって性格が『非人間的』に変わり果てた『謎の転校生』のい○はちゃんが、ま○かちゃんを再び『女神様』として目覚めさせて、最後に『百合合体』して完璧な『円環の理』となるとともに、ついでに悪魔ほ○らちゃんまで取り込んで、今度こそ全員がハッピーな『百合合体エンド』となってめでたしめでたしで締めくくるわけなのです♡」










メリーさん太「──結局『百合合体エンド』かよ⁉ あんたそれが言いたいだけじゃ無いのか⁉」

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