第1155話、わたくし、絶望! コロナ禍第7波のために、アニメ界大ピンチですの⁉

ちょい悪令嬢「──こうしちゃおられません! メリーさん、ぼやぼやしている暇はありませんよ⁉ さあ、参りましょう!」




メリーさん太「………………………はあ?」




ちょい悪令嬢「何を呆けた顔をなされているのですか! イギリスがわたくしたちを待っています! 一秒でも早く、旅立たなければ!」




メリーさん太「──いや何であんた、開始早々から大興奮して、わけのわからないことばかり言っているんだよ⁉ それに『イギリス』だあ? どうしていきなりそんなところに………………ああっ、あんた、まさか⁉」


ちょい悪令嬢「おっ、ようやくわかってくださいましたか、メリーさん! そうです、『カワイ子ちゃん』たちのお迎えに──」




メリーさん太「……例の『万国LGBT乱交パーティ』にでも、参加するつもりじゃねえだろうな?」




ちょい悪令嬢「──何でそうなる⁉ て言うか、『万国LGBT』とか、そんないかにも『ゴミュニズム』的な組織が存在するのですか⁉」


メリーさん太「いや、今『イギリス』と言えば、やはりその話題が一番だろう?」




ちょい悪令嬢「……でも、今回もしつこく『LGBT』ネタをやったんじゃ、各方面に物議を醸しかねないので、やめておきましょうよ?」




メリーさん太「──どの口が言うかあ⁉ だったら最初から、『LGBT』をネタに扱うんじゃ無いよ!」




ちょい悪令嬢「何をおっしゃるのです! あれはあれで是非とも必要なことなのですから! ──そんなことよりも早く、『カワイ子ちゃん』たちを迎えに行かねば!」


メリーさん太「だから何のことなんだよ、その『カワイ子ちゃん』て⁉」


ちょい悪令嬢「もろちん、『フレミッシュジャイアントラビット』、でございます!」


メリーさん太「あのなあ、何度も言っているけど、『もろちん』ネタはしつこいと……………………え、何? 『フレ何とかジャイアントラビット』って、何のこと⁉」


ちょい悪令嬢「世界最大級の、ウサギの一種でございます」


メリーさん太「それがあんたの言う『カワイ子ちゃん』なのか? そいつがどうした?」




ちょい悪令嬢「イギリスの某所で、事もあろうに『食肉用』として、多種多様なウサギが密かに大量に飼育されていたのですが、何らかのアクシデントが有ったのか、誰もいない劣悪な環境の中で、健康状態が思わしくないウサギたちだけが取り残されていたのです」




メリーさん太「ウサギを食用目的に、違法飼育していただと? ──ああ、だからあえて『巨大種』を選んだのか」


ちょい悪令嬢「それで現在『英国王立動物虐待防止協会』において、多数のウサギが保護されていて、絶賛『里親募集』とのことですの!」


メリーさん太「え、あんた、ウサギをもらうために、わざわざイギリスに行くつもりなの?」


ちょい悪令嬢「いや見てくださいよ、この事件の報道写真! ただでさえ可愛いウサギがむちゃくちゃ大きくて、可愛さ百万倍なのですよ!」


メリーさん太「……だからって、わざわざイギリスまで行かなくてもいいんじゃ無いのか? 普通に近所のペットショップで買ったり、すでに飼っておられる愛護家の方と『養子縁組』でもすればいいだろうが?」


ちょい悪令嬢「フレミッシュジャイアントラビットって、普通のペットショップでは売っていないし、それに『養子縁組』って、いろいろと手続きが面倒なんですよ?」


メリーさん太「──つうか、イギリスまで行くんだったら、たとえ無償で譲ってもらえても、旅費等で高くついてしまうだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「あら? 旅費なんて、一円もかかりませんけど?」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「……やれやれ、お忘れですか? ここは日本やイギリスが存在する世界から見れば、『異世界』に当たるんですよ? 日本に行くにもイギリスに行くにも、『異世界転生』することになるわけだから、手間暇は何ら変わらないし、『異世界転生』するのにお金がかかるなんて(さすがの何でもアリの『なろう系』作品においても)、まったく聞いたことがありませんしね」




メリーさん太「──そういえば、そうでした!」




ちょい悪令嬢「と言うわけで、まずは日本の東京都渋谷区のほうに参りましょう!」


メリーさん太「……え、今度は何? 渋谷に何の用? もしかして、『パ○ピ孔明』の聖地巡礼でもするわけ?」


ちょい悪令嬢「今だとむしろ、(某動画サイト様で絶賛全話無料配信中の)『カ○スヘッド』ですかねえ」


メリーさん太「前期の春アニメが終了して、まだ一月ぐらいしか経っていないと言うのに、もう別の作品に浮気かよ⁉」




ちょい悪令嬢「いやいやいや、そもそも話は『アニメの聖地巡礼』とかでは無くて、例の渋谷の3D広告が今回新たに、『秋田犬』をフィーチャーしたやつを公開し始めたのですよ! これがまた可愛くて、絶対に生で確認したいかと思いまして♡」




メリーさん太「──『巨大ウサギ』に続いて、『3D秋田犬』かよ⁉ 何で今回は『動物好きなわたくし♡』を、全力でアピールしようとしているの? 前回までの反動? 今更イメージを良くしようとしても、無駄なのでは?」







ちょい悪令嬢「…………いえ、これってある意味、『現実逃避』のようなものなんですよ」







メリーさん太「ヘ? 現実逃避、って……」




ちょい悪令嬢「今期の夏アニメの注目作の一つである『異○界おじさん』の、第5話以降の放映が延期されたのはご存じですよね」


メリーさん太「……ああ、国内の制作スタッフか、外国の外注先か、はたまた声優キャストさんのいずれかが、『新型コロナウイルス』にでも感染したんじゃ無いかって、もっぱらな噂だよな」


ちょい悪令嬢「これに関して、原因の一つかも知れないトピックスが、判明したのですよ」


メリーさん太「え、そうなの?」




ちょい悪令嬢「何と、ヒロインの一人であるメイ○ルちゃんを演じておられる悠○碧様が、コロナウイルスの検査で『陽性』であることが判明したのでございます!」




メリーさん太「悠○碧さんが『陽性』って………………おいおい、それってむちゃくちゃマズいのでは⁉」




ちょい悪令嬢「ええ、下手したら『ま○か☆マギカ』の待望の完全新作劇場版の、『ワルプルギス○廻天』にも影響を及ぼしかねない、非常に由々しき事態とも言えるのです!」




メリーさん太「そういや『ワルプルギス○廻天』って、去年の4月に最初に告知して以来、まったく音沙汰無しだよな……」


ちょい悪令嬢「……そろそろなにがしかの続報が有ってもいいはずなのに──と思っていた矢先に、実は『制作が行き詰まっている』と言うよりも、『制作続行の危機』かも知れないことが、判明するなんて⁉」


メリーさん太「うん、あんたが『現実逃避』をしたくなる気持ちが、良くわかったよ」


ちょい悪令嬢「これって別に悠○さんだけの話では無く、今やアニメ界全体が深刻な状況にあり、すでに多くの声優さんの『陽性判定』が明らかになっていたりします」


メリーさん太「……うわあ、これはひょっとして『異○界おじさん』に留まらず、これから放映延期はもちろん、最悪放映中止になってしまう作品も、続出したりしてな」


ちょい悪令嬢「せっかく今期は誰もが認める『豊作』かと思っていたのに、まさしく『好事魔多し』とはこのことですわね」


メリーさん太「いやまあ、確かにうちの作者にとってはアニメ鑑賞も大事だろうけど、この『コロナウイルス大流行』のなかに、後期高齢者の父親の介護をしていて、本当に大丈夫なのか、あいつ?」


ちょい悪令嬢「一応『ワクチン』については、父親はすでに4回目を接種済みだし、作者本人も来週の日曜日に接種する予定だそうです」


メリーさん太「はあ⁉ どうして自分自身は後期高齢者では無い作者が、4回目を打てるんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「これは以前もお伝えしましたが、実はうちの作者は軽度とはいえ『血液に関する持病』を抱えておりますので、ダメ元で市役所に申し込んでみたところ、今回めでたく『4回目の接種券』が送付されてきた次第であります」




メリーさん太「え、あれってそんなに簡単に受け付けてもらえるものなの⁉」


ちょい悪令嬢「そこは毎度のことながら、作者ならではの『深謀遠慮』の勝利なのですよ」


メリーさん太「……何だよその、深謀遠慮って?」


ちょい悪令嬢「市役所から送られてきた書類をじっくりと読み込み、それと当時の『コロナウイルスの流行の状況』を鑑みて、ここは是非とも申し込むべきだと判断したのです」


メリーさん太「ど、どうして?」




ちょい悪令嬢「わざわざ接種の対象を絞り込むのだから、普通だったら『申し込んでも厳しく審査されてなかなか受理されない』と思いがちですが、これまでの推移からして、『接種予定人数』に対して用意されたワクチンの総量って、『余り気味』なんですよね。それに何と言ってもお役所側としても、一人でも多くの人に接種してもらって、ウイルスの流行を抑えたいと思っているはずですので、それ程重度の持病持ちで無くても、とりあえず申し込んでおけば、結構高い確率で受理してもらえると結論づけたところ、今回晴れて接種対象になれたと言うわけですの」




メリーさん太「──なるほど、けして『行き当たりばったり』では無く、結構考え抜いての判断だったのか」




ちょい悪令嬢「何しろ、後期高齢者自身のみがワクチンを接種すればいいと言う話では無く、身近で介護している者もウイルスに感染するわけにはいきませんからね。これも『転ばぬ先の杖』ってやつですよ」




メリーさん太「……でも、本当にその持病がワクチン接種をしなければならないほど、重症か否かを、診断書とかで確認されてしまうんじゃ無いのか?」




ちょい悪令嬢「いいえ、申込書時点で、『診断書等は不要』と明記されておりました」


メリーさん太「──役所側も完全に、ワクチンを接種させる気満々じゃねえか⁉」


ちょい悪令嬢「まあとにかく、こういったものは『申請しておいて損は無い』と言うことですよ」


メリーさん太「……うん、たぶん申し込みの時点では、ウイルスの流行が落ち着いていたはずだから、むしろワクチン接種の必要性が軽んじられていたと思われるのに、ホントうちの作者の『危機管理能力』は、自ら大口を叩くだけ有って、大したものだな!」




ちょい悪令嬢「何せ先代魔法少女の千代田サ○ラさんから、この街の平和を守ることを任されていますからね!」




メリーさん太「──それは『危○管理フォーム』だろうが、いい加減にしろ!」

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